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#5 留学の断念

タイトルで察して頂いた方も多いと思いますが、私はとりあえず日本に帰国することを決めました(2020年3月20日)。

1.帰国を決めるまでの経緯

私は、日本で通っている大学の交換留学生としてオーストラリアに来ています。交換留学の規則として、日本の外務省による「危険情報レベル」もしくは「感染危険情報レベル」がレベル2にあがると、強制的に帰国が余儀なくされます。

また、自分が頂いているJASSOの奨学金も給付が停止されます。

シドニー市内での感染者の急増により、3月17日から自分の大学はとりあえずの1週間休校を行いました。そしてこの日、こちらで通っている大学の生徒からも感染者が出たことを知ります。

同日3月17日に、オーストラリア国内の主要な航空会社である、カンタス航空・ジェットスター航空は3月末からの国際便を9割カットすると発表しました。

そして、翌日3月18日にオーストラリアのモリソン首相はオーストラリア人向けの渡航レベルをレベル4(渡航禁止)に引き上げました。

また同日3月18日に日本の外務省が全世界をレベル1(十分注意してください。)と発表します。

この日、私がカンタス航空の公式予約サイトで空席を確認すると、3月26日以降の予約が選択できないようになっていました。

強制帰国が求められる、日本の外務省発表のレベルはまだレベル2ではない、だが3月26日以降にレベル2に上がり、こちらの大学にも通えない・奨学金も止まる・日本に帰る航空便もない、という最悪のシナリオになる可能性もあります。

私はとりあえず3月19日の時点で、ぎりぎりまで考える余地ができるように最終フライトになるであろう25日のフライトを取りました。

そして、丸2日悩んだ末、帰国を決めました。

自分の選択が正しいのかわからない。

帰国して後悔しないとも限らない。

帰国せずに残って後悔しないとも限らない。

オーストラリアが外国人の入国を認めるのが何カ月先かも未定だから、新学期に戻ってこれる保証もない。

数時間置きに最新ニュースをアップロードして、世界の政府の新たな発表がないか確認し、悩ました。

ルームメイト2人はこちらの現地生ですので、滞在が確約されています。そしてもう1人のルームメイトは帰国をすでに1週間前から決め、全力で残りのシドニー観光を楽しんでいる、という状況でした。

そして、20日に帰国を決めました。

大学入学後から留学する!と決めて、1年前から本格的に準備を始め、シドニーは物価が高いので、アルバイトもできるだけ頑張りました。

元日から働きました。(アルバイト先は大好きでした)

悔しかった。これまでの時間とお金が無になる気分でした。

この数日にいろんな人と話しました。

ルームメイトのPは、決断が早すぎる、と本気で止めてくれました。

家族もその時その時でリアクションしてくれました。

同じUTSに通う日本人の同じような境遇の友達は、これまでの準備や時間を無駄だとは思わない、やりたかったことを実現できたのには変わりない、と言いました。

同じ条件で違う国に留学していてレベル1だが帰国を決めたある先輩は、帰国後の自分らの頑張りがこの決断の正しさを証明できるんだ、と言ってくれました。

国によってすでに強制帰国が決まっている友達たちもすごくポジティブに毎日を過ごしているようでした。



2.帰国届を提出して

帰国を決めてからも、いざ帰国届を提出するのは戸惑いました。ずっとお世話になってきた留学推進係のスタッフの方に背中を押してもらい帰国を決めました。

そしてこの記事を執筆している今は、やっと他人を思いやれる余裕がでてきました。

日本は今日(3月21日)現在、今年の夏オリンピックが開催できるのか否か論争中です。

多くの日本の官僚は毎日必死で開催に向けて動いているのだと思います。

世界中の官僚もそれぞれの対策に追われています。

医療の現場でも毎日増え続ける患者への対応に追われています。

多くの学校が休みになり共働きの家庭のママたちは、子供のお世話と仕事の両立に追われています。

多くの大学生は楽しみにしていたライブや旅行がキャンセルされました。

観光地や飲食店では、客の激減からシフトを削られたりリストラされたりしています。

誰かのせいでも何のせいでもない。抗えないからこそ、今しか自分にしかできないことをするべきなのだと思います。


3.1カ月過ごしたシドニー

自分にできることは何だろう、と考えたときに、たった1カ月でも滞在して得た情報をここに書き留めておくことくらいだと思いました。

ここに来たことがない人よりは、たった1カ月だけど共有できる情報はある。

たとえほとんど見られない記事だと思いますが、これから留学する人、シドニーに来る人、シドニー工科大学に留学に来る人、そんな人達にとってはもしかしたら有益な情報になるかもしれない。

そんな思いで、これから記事を執筆していくつもりなので、よろしくお願いします。


最後まで読んで頂きありがとうございました。






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