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キャンプや登山に「お茶」を持っていくべき理由

これまで茶葉や茶殻を食べる記事をいくつも更新してきたこちらのnote。しかしお茶を飲んだ後に茶殻を食べている人は、まだまだ少数派かもしれません。その美味しさや栄養素を知っていけなれば、わざわざ茶殻を取っておかないのではないでしょうか?

どうしても茶殻を食べたほうがいいシチュエーションなんてあるのか、エコな視点や合理性の観点から考えたところ、ありました!
登山やキャンプなど、ゴミを持ち帰らなくてはいけないときこそ、茶殻も食べるベストタイミングなのではないでしょうか??

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そこで今回、茶殻を食べなくてはいけない状況に置かれるべく、中の人は山へ向かいました!
屋外でお茶を飲むのはもちろん、後始末が面倒な茶殻を余さず食べられるお茶ご飯も炊いています。

実際に山でお茶を飲んで茶殻を食べるシーンをイメージしていただいた後、記事の後半で最低限の持ち物などをご紹介しています。

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キャンプや登山の時の飲み物というとコーヒーなどがメジャーかもしれませんが、外でお茶を飲むといいことがあるかも!と思っていただけたら幸いです。

屋外でお湯をどうやって用意する?

外で温かいお茶を飲むときに問題になるのは、お湯をどうやって用意するのか、お湯を沸かさないのであればどうするか、という点です。今回は茶殻を食べなくてはいけない状況に追い込まれている想定のため、家や街中ではなく山の中でお茶を飲むシチュエーションを前提としています。

屋外でお湯を用意する方法は大きく分けて2つです。

①焚き火、ガスバーナーなど、熱源を用意してお湯を沸かす
②魔法瓶など保温性のある水筒でお湯を持ち歩く

後ほどお茶と茶殻でお米も炊くため、今回の記事では火を起こす①の場合を想定しています。

火の使用が可能な場所へ

今回登ったのは茨城県にある筑波山。日本百名山の1つで、頂上からは関東平野を一望することができます。

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何より嬉しいポイントは、ロープウェイとケーブルカーで山頂まで登ることもでき、本格的な登山をしたい人だけでなく体力に自信がない人も楽しめること。中の人は炎天下のミミズぐらいの体力しかないため朗報です。
しかも撮影日は1日中快晴、かつ気温はずっと30度越えでした。日差しに当たっているだけでHPが減ります...。

今年3月からは筑波山の御幸ヶ原に以下のようなバーナーエリアができ、それ以外の場所での火の使用は禁止されています。

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今回はこのロープで囲われたバーナーエリアで撮影を行いました。(はじめまして、中の人です。)

まずお茶を淹れます

まずはお茶を飲むべく、お湯を沸かします。TSUNAGUTOのティーバッグは1個で200ml分のお茶を作れるので、最低でも200ml以上は沸かしたいところ。

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蒸発防止のためにも蓋をかぶせておきます。ティーバッグや茶葉はお湯が沸いてから入れてください。

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高い山の上では沸点が下がるため、標高が上がれば上がるほどお湯の温度が100度まで上がりません。
ただし、お茶は熱湯で淹れると苦味成分(カテキンやカフェイン)が抽出され、お湯が低温であるほどうまみや甘み(アミノ酸)が抽出されます。
つまり沸騰しきっていないお湯で淹れた場合、理論上うまみを感じられるまろやかなお茶になりやすいと言えます。

なかなかお湯が沸騰しなくても、それはそれで美味しいお茶が飲めてイライラしないのも、山でお茶を淹れるメリットかもしれません。(細かいことを言うと一回沸騰させてから冷ましたほうがいいとされていますが、今回は気にしないことにしましょう。)

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ティーバッグを入れたあと、お好みの濃さになるまで3〜4分ほど待てば完成です。屋外だと冷めやすいので、お茶を火にかけたままでもOKです(そこまで風味の変化はありませんでした)。

ただし、ティーバッグをお湯に入れっぱなしにしていると、苦みや渋みがだんだん強くなるので適宜取り出してください。後で使うので、ティーバッグは捨ててはいけません!

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↓ティーバッグではなく茶葉を入れた場合は、コップに注ぐ時に茶こしで濾してください。

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こうして思惑通り茶殻が発生したので、持ち帰らずに済むよう、お米に混ぜて食べてしまおうと思います。

お茶ご飯をメスティンで炊く

今回は下の写真のようなメスティン(アルミ製の飯ごう)を使っていきます。予め家で測っておいた1合分のお米をメスティンに入れ、メスティンの内側の目盛りなどを目安に水を加え、30分以上吸水させます。
ちなみに、水の代わりにお茶を入れると、ほんのりお茶の色がついた美味しいご飯になります!

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とっておいたお茶のティーバッグを破いて、茶殻をご飯に載せます。今回使ったのは特選釜炒り煎茶ですが、煎茶(緑茶)の茶殻は柔らかく全て食べられるため、ゴミはティーバッグのネットだけです!濡れた生ゴミを持って帰らなくていいので嬉しいですね。

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煎茶以外のお茶を使った場合などは固い茎などが入っていることもあるため、このときに取り除いてください。

さて、いよいよ火にかけ、約17~20分ほど炊きます。今回使用した1個25gの固形燃料の場合、燃料が燃え尽きた頃に炊き上がりました。

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↑吹きこぼれに茶殻が混ざっていますね。炊いている時からお茶の香りがします。

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直射日光と火の熱に耐えられないので、火だけバーナーエリアに残し、人間は日陰で待ちます。

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↑火が消えたらタオルで包んで蒸らしつつ、蓋側が下になるようにして15分ほど置いておきます。

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出来上がりました!
最後にスプーンや箸などでかき混ぜたら食べられます。茶殻だけでも高菜を混ぜ込んだような見た目ですが、他の具と一緒に炊き込んでも美味しいですよ!

火を起こしてお湯を沸かす場合の持ち物

まず、火起こし可能な場所であれば現地でお湯を沸かせます。筑波山のように火が使用できるエリアや時間が決まっている場合もあります。登る山やキャンプ場の規則を事前に確認してください。

🍃お茶を飲むための持ち物
 ・直火OKのカップやケトル
 ・飲む用のカップ
 ・ガスバーナー、ポケットストーブなど火を起こせるもの
  (ポケットストーブを使う場合は固形燃料とライター)
 ・風よけ
 ・水:200ml以上
 ・茶葉、ティーバッグ:好きなだけ(茶葉の場合は茶こしも)

↑上記は荷物を軽くするための最低限の荷物です。蓋ができるカップの方がお湯が早く沸きます。火にかけていたカップでそのままお茶を飲む場合は、火傷にお気をつけください...!

茶葉のお茶を飲む場合は急須を持っていきたいところですが、割れる心配もあるため、茶葉を濾すための茶こしなどを持っていくのもオススメです。もし急須を持っていくのであれば、樹脂製の透明急須は割れないためオススメです。
しかし、ティーバッグのお茶を持っていくと一番荷物が少なく済みます。

お茶ご飯を炊くために、下記の持ち物も一緒に持っていってくださいね。

・メスティンや飯ごうなど、蓋ができて直火OKの容器
・無洗米などのお米(予め1〜2合分測っておく)
・水(米1合に対して200~220ml以上が目安)
・メスティンを包むためのタオル
・厚手の手袋
・バーナーやポケットストーブの下に敷くトレイや板など:あれば

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外でも炊飯器でも作れるお茶ご飯

今回は屋外で作りましたが、炊飯器でもお茶ご飯を手軽に作っていただけます!
↓お茶ご飯だからこそ美味しいおにぎりの具なども掲載しておりますので、家で作る場合はこちらの記事も合わせてご覧ください。

茶葉を使ったアウトドアご飯としては、茶葉の燻製茶葉をハーブのように使ったアクアパッツァなどもオススメです。

TSUNAGUTOのティーバッグは薄型のジッパー付きの袋に入っており、登山の際にも荷物になりません。この夏のお供になるお茶を、9種類の中から選んでみてはいかがでしょうか?

参考文献
・メスティン愛好会(2018)『メスティンレシピ』(山と渓谷社)

W:矢島愛子

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