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「迷ったときは前に出ろ」星野仙一氏の言葉が座右の銘になるまで

こんにちは、株式会社つなぐ代表の田熊です。
「企業と個人の想いをつなぐ」をモットーに、企業の採用・SNSブランディングを支援しています。

突然ですが、皆さんの座右の銘ってなんですか?
すぐに思い浮かぶ方もいれば、そういえば、特にないな〜という方もいらっしゃると思います。

広辞苑で「座右の銘」をひいてみると「常に身近に備えて戒めとする格言」とありました。
んー、ちょっと固くてわかりにくい。。

ChatGPTに「わかりやすく説明して」とお願いすると、

「その人の信念や価値観を表現し、人生の中で大切にするべき原則や考え方を示しています。座右の銘を持つことは、困難や挑戦に直面した時に励ましを受けることや、自身の行動や決断の基準となることができます」

と答えてくれました。やっぱ優秀です。

前置きが長くなりましたが、私の座右の銘である星野仙一氏の「迷ったときは前に出ろ」について、今日はお話をさせていただきます。

長くなりそうなので、お伝えしたい結論を先に伝えますと、
「座右の銘は、1日にしてならず」ということです。


この言葉に出会ったのは、小学校6年生の頃。
鳥取県の田舎にある田熊家では、物心がついたころから、毎晩のようにプロ野球中継が流れており、阪神タイガースの試合を見ていました。

でも正直、小学生の僕は、阪神のことがきらいでした。

というのも、祖父の代から阪神ファンだったのですが、1990年代後半は、タイガースにとって「暗黒時代」。リーグ最下位争いの常連だったので、負け試合の方が多かった。そして、負けるたびに不機嫌になる父や祖父。家の空気を気まずくする阪神がきらいだったんです。

でも、2002年シーズンから監督を務めた星野監督のおかげで、一気に変わりました。ずっと暗い空気だったタイガースが、星野さんの熱意によって火をつけられ、どんどん明るくなっていく。そして勝利も増えていき、家庭内の雰囲気も和やかに。そして、就任後わずか2年でリーグ優勝に導いた星野さんは、阪神にとっても我が家にとっても、救世主でした。

阪神のことが大好きになっていたある日、父が1冊の本を渡してくれました。そこで「迷ったときは、前に出ろ!」と出会いました。

今もたまに読み返しています


出会った当初はわたしも12歳。この言葉をはじめて実践したのは、小3からはじめた野球での守備でした。目の前に打球が飛んできた時、(迷ったときは前に!)と攻めの姿勢を貫けるようになったんです。消極的なエラー(ミス)をしなくなりました。

方向性は違えど、野球を通してこの言葉のありがたさを感じました。そして、中学、高校、大学、社会人と、成長していく節目節目で、この言葉を自然と思い返すようになっていったんです。

今まで、何度も自分の背中を押してくれたこの言葉ですが、特に印象に残っているエピソードをひとつだけ紹介させてください。


社会人1年目のころ。

医療機器メーカーで営業研修を終え、はじめて一人で回り始めるようになりました。上司から任されたミッションは”新規開拓”。先輩が回りきれていないクリニックや病院を、片っ端から訪問することでした。

「クリニックの訪問にも慣れてきたし、そろそろ病院にも挑戦してみていいぞ。」と上司に言ってもらえたので、病院にも飛び込み営業を開始。しかし、クリニックと違い、受付の方にお願いしても、面会を断られるのが当たり前。訪問しても訪問しても、空振りしてしまっていました。ここまでが順調だっただけに、モチベーションも下がっていく一方でした。

そんなある日、少しでも会う確率を上げようと、午前診療が終わる時間を狙って病院を訪問。しかし早めにお昼休みに入られたのか、見渡しても受付にはだれもいませんでした。

帰るか・・・と諦めかけたその時、(タタタタ…)と足音がしたので振り返ると、忙しそうに早歩きをされている看護師さんを見つけたんです。ただ、私に目を向けることなく、通り過ぎそう。

(声をかけたら迷惑かな・・・)

という思いもよぎったのですが、星野さんの言葉を思い出し、

「す、すみません!」

と声をかけました。

看護師さんに名刺を差し出すと、
「ちょっと今忙しいから、待っててもらっていいですか?」
と待たせてもらえることになりました。

そして薄暗いなか、受付横のベンチに座り、何を話そうかと考えながら15分、30分、と時間が過ぎていきました。そして1時間くらい経ったとき、先ほどの看護師さんが笑顔で「お待たせしましたー」と駆け寄ってくれました。白衣の天使に見えました。なんと、その病院で看護師のトップを務める、看護師長さんだったんです。

そして、緊張しながら改めて自己紹介をすると、その瞬間「あっ!」と師長さんが何かを思い出し、薬剤部まで連れて行ってくれました。そこで、患者さんから預かられたであろう他社製品を見せてくれながら、「ちょうど不具合が出ていて、困っていたんですよ…」と打ち明けてくれたんです。

そこからはトントン拍子でした。

後日、師長さんが取り次いでくれて、院長と面会。わたし以上に商品の必要性をアピールしてくれました。先輩や上司からもアドバイスを頂いたおかげで、人生はじめての、新規受注となったのです。

振り返れば、看護師長さんが通りかかったあのとき、遠慮して声をかけなければ、この商談には繋がりませんでした。

「迷った時は、前に出ろ!」

この言葉のおかげで、営業の好スタートを切った私は、その後もお客様を開拓していき、社内で新人賞を受賞するに至ったのです。

その後の人生においても、転職、起業、と人生の分岐点で悩んだ時、いつもこの言葉が背中を押してくれました。そのおかげで、今があります。

ChatGPTが教えてくれたように、座右の銘とは、「困難や挑戦に直面した時に励ましを受ける」ものだと思います。

裏を返すと、その言葉を思い出し、それを実践する。それを繰り返すからこそ、自身の中で座右の銘として育っていくものではないでしょうか。

世の中には素敵な言葉が溢れています。

ただ、それに感動するだけではなく、実践していくことで、座右の銘としていく。
そんな人生にしていきたいです。

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