ローリング・ストーンズの1994年リマスターCDは輸入盤の方が音質が良い
・【前編】ローリング・ストーンズの2009年リマスターが失敗した理由
前回の記事にて、ローリング・ストーンズの1970年代~80年代前半の作品については、1994年のボブ・ラドウィックによるリマスターCDを聴くことをお勧めしましたが、今回の記事では、その1994年リマスターCDを更に高音質で聴くためのノウハウについて、書いていきたいと思います。
この1994年のリマスターCDは、パッケージとして2種類発売されています。
①通常のCD
②紙ジャケ仕様・プラケース入りのコレクターズ・エディション(COLLECTORS EDITION)
①については、通常のCDケースに収められており、国内盤(日本盤)には黄緑色の帯が付いています。
この黄緑色の帯が付いた盤は、TSUTAYA(レンタル・コーナー)にも大量に在庫があるので、ご覧になった方も多いと思います。
②については、論より証拠。実際のジャケットの画像をお見せしましょう。
上記の写真のとおり、②の最大の特徴は、ジャケットのプラケースの上から「COLLECTORS EDITION」というステッカーが貼られていることです(写真(上)の右上部分)。
この②のジャケットは、アナログ・レコードのジャケットをCDサイズに縮小して再現した、いわゆる紙ジャケ仕様になっていて、その紙ジャケが特殊なサイズのプラケース(通常のCDケースよりも面積が広く、厚さが薄いもの)に収納されています。
また、②の国内盤は、上記ケースに黄色い帯と日本語対訳付きの解説書が付いています。
そして、音質面で言うと、①よりも②の方が高音質です。
これは、実際に私が、『スティッキー・フィンガーズ(Sticky Fingers)』と『女たち(Some Girls)』の2枚のアルバムについて、①と②をヘッドフォンで聴き比べたので間違いありません。
それでは、①と②は音質面でどこがどう違うのか?
その違いは2点あります。
1点目は、高音域の伸びと音の新鮮さ、2点目は、低音部のふくよかさです。
まず、高音域についてですが、②の方が①に比べ、伸びがあり、音に艶があります。
また、低音についても、倍音がふくよかで音が太いです。
それでは、なぜ同じ1994年のボブ・ラドウィックによるリマスターCDでありながら、①と②で聴こえる音に差があるのでしょうか?
その理由は、①と②のCDのプレスされた国の違いです。
①は、日本国内でプレスされた盤で、一方、②はアメリカでプレスされた輸入盤になります。
しかも②については、国内盤も、アメリカで売られている輸入盤にただ黄色い帯と日本語対訳付きの解説書を付けたものなので、中身は輸入盤と全く同一です。
(CDにPrinted in USAの表記あり)
これは、クラシックのCDについて記載している他のサイトでも言及されていますが、一般的に輸入盤のCDの方が国内盤(日本盤)のCDより、音が良いと言われています。
このストーンズのCDも、この例に洩れず、②の方が音質が良いことから、この94年リマスター盤については、②の盤の方を聴くことを強くお勧めします。
ちなみに、ディスク・ユニオンでは、
②の国内盤(黄色い帯付き)が1,300円前後で、②の輸入盤は700円前後で売っています(いずれも中古価格)。
先ほど述べたとおり、②の国内盤と輸入盤は中身(音)が全く同じなので、価格の安い輸入盤がコストパフォーマンスが高く、おすすめです。
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