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人に会いに行くツアー │ 台湾×北海道「再会の旅」

みなさん、こんにちは。
ツナガル・広報の藤田です。

今回の記事では現在台湾と北海道をつないで進行中の「再会の旅」についてご紹介しようと思います。


シン・訪日観光モデル「再会の旅」

「再会」する旅ってなんだろう?

そう疑問を持たれた方も多いかと思います。

ツナガルは、その社名の通り「ツナガリを生むこと」を一つの事業領域としています。

そのソリューションの一つとして昨年7月に旅行事業を開始しましたが、このたび台湾と北海道の人々の間に持続的な関係を育むツアーが完成しました!

このツアーでは、NOMADOプロジェクトで培った体験デザインのノウハウを使い、事前にオンラインでの旅マエ体験を実施して、両地域の人々の間に「出会いの機会」を提供。

さらに台湾の人々が北海道を訪れ、北海道側の人々に「再会」するまでのプロセスを含めて「再会の旅」と呼んでいます!

ローカルの地域資源をコンテンツに、その土地に住む「人」を起点にした、このツアー。
旅の主役は台湾の教育関係者と北海道の一次産業者です。

なぜこの地域、この人達を選んだのか。それについてお話していきます。

「人」起点の旅の企画ができるまで

人生に「ゴールデンルート」以外の選択肢を

「再会の旅」の企画は、ツナガルの台湾出身メンバー・許雅媚(雅)がかつて得た体験が元となっています。

高学歴社会の台湾で育ち、農業や酪農に縁遠かった雅ですが、北海道で参加した農業体験プログラムを通して、「金銭的価値だけにとらわれない一次産業の楽しさ」「学歴や収入以外の価値基準があることへの気づき」を得られたといいます。

その後、雅はツナガルのオンラインツアーサービス「LIVE Travelers」に北海道ナビゲーターとして携わった後、関東での勤務を経て再び札幌に戻り、ツナガルのメンバーとしてジョインしました。

学歴の『ゴールデンルート』から外れたところにも、魅力はたくさんつまってる――それに気づいた自分の経験を具現化したい」。こうした雅の思いから、北海道に住む人達を基軸にした旅を通じ、台湾の教育に従事する人々の行動変容を促す企画が生まれたのです。

雅:「私は台湾出身なので、もちろん人生のゴールデンルートがありました。けれど北海道で出会った農家さんたちは皆優しくて。医者や弁護士よりも、生活が充実して楽しいんじゃないかと思い始めました。
かつての私と同じ視野を持った台湾の人々に北海道を紹介することで、ゴールデンルートじゃない道もあるという未来の選択肢を一つ伝えられたらと思います」

雅とともにプロジェクトを推進するのは、札幌在住のプロデューサー・森村俊夫。

森村は北海道と台湾の人々の双方向にプラスに作用する観光を企画したかったと話します。

旅をプロデュースした森村俊夫(左)と許雅媚

「元々北海道がもっている一次産業というコンテンツを活かすのが、この旅のコンセプト。いわゆるガイドブックに載っているような定番の観光地ではない場所を訪れてもらいます。
北海道で一次産業に携わる人達の生き方や暮らし、彼らの感じる幸せを知ってもらうことで、台湾の人達の行動変容を促したい。
北海道側にとっても、消費とお金の関係ではなく、人と人とのつながりのある関係をもたらすことで、観光を地域活動への参加というふうにポジティブに捉えるようになってもらえたら嬉しいです」

2人のメンバーの熱い思いを原点に、こうして「再会の旅」の企画が立ち上がったのです!

「人」と「人」が持続的につながる旅体験―サステナブルツーリズム

今回会いに行く北海道の人々は、こちら!

<知床エリア>
漁師 圓子瑞樹さん
自然ガイド 藍屏芳さん
<滝上エリア>
酪農家 井上秀幸さん
和ハッカ農家 藤村利史さん
<東川エリア>
大雪山自然学校 荒井一洋さん

この旅の企画を通して私たちが実現したいもう一つのこと。

それはこうした北海道の一次産業に携わる皆さんに持続的な観光収益をもたらすことです。

毎年多くの観光客が訪れる北海道ですが、一回限りの訪問で終わってしまう人が多く、何かしらの形で関わり続けている人は実は限られています。

旅人と受け入れ側の関係の形が安定しないことで、商品を観光価格で販売せざるを得なかったり、一次産業の仕事を安定して続けられなくなることも…。

こうした課題を解決できないか
「持続的な旅」の形を提供できないか
というのが「再会の旅」のもう一つの企画意図。

観光客にガイドブックに載らないような知られざる魅力をもつ地域を巡ってもらう。

そこで人と人が出会い、つながり、また会いたくなる

そうすることで、持続的にその地域を訪れて交流したり、出会った人の商品を購入したりして関係を保ち続ける人が生まれます。

食への関心が高い台湾の人達と思いのある生産者とを結びつけることで生まれる、優しい循環。

「再会の旅」を通して、台湾と北海道の間に手を繋ぐような関係ができることを期待しています。

「旅マエ」体験をするわけは?

「人」を起点とした、この旅行パッケージのもう一つのユニークな点は、「旅マエ」体験がセットであること。

「旅マエ」体験では、実際の旅行前に訪問先の人々や参加者同士が出会い、知り合うことを目的とした交流を行います。

旅先の雰囲気を事前に知って、あらかじめつながりを作っておくことで、旅当日のコミュニケーションを円滑にしたり、両者の関係をより強固にしたりすることが事前体験のメリットです。

さらにこの体験によって育まれた関係が「出会った人に会いに行く」ことの動機づけとなり、新しい旅が生まれることを狙います。

では実際の交流体験の様子をご紹介していきます!

台湾 meets 北海道|関係を育む「旅マエ」オンライン交流

北海道来訪前の「旅マエ」体験として、6月24日台湾の教育関係者など10人と、北海道斜里町で漁業を営む圓子瑞樹さんを結ぶオンライン交流を行いました。

圓子さんからは名産である鮭の生態や漁の実態を紹介。

すると、
「魚はどれくらい大きくなりますか?」
「1年のうち、どのくらい漁ができますか?」
など台湾の参加者の皆さんは興味津々!

双方向のコミュニケーションで、どんどん会話が弾んでいきます。

川で生まれ、海で成長し、産卵のために再び川を目指す鮭のエピソードは日本人にとって馴染み深いものですが、台湾側参加者たちにとっては新鮮な驚きがたくさんありました。

イベントではさらに、圓子さんが生産した鮭や、北海道滝上町にて農家を営む藤村利史さんが生産した和ハッカを使った料理体験も実施。

北海道の食材を使った料理体験の様子
圓子さんが生産した鮭と藤村さんが生産した和ハッカをのせたカナッペが完成
すっと広がる北海道産和ハッカのアロマオイルの香りを体感

五感で楽しむことのできるアクティビティを通じて北海道の一次産業への興味・関心を高めるイベントとなりました。

イベント会場では、今回交流した圓子さんをはじめとする北海道の一次産業者に実際に会いに行く「再会の旅」を販売し、なんと規定数が即日完売

今月、台湾の方々が実際に北海道を巡るツアーを実施します!

参加者の感想


参加者:「北海道は以前訪れたことがありますが、その時は本当に単なる観光客でした。今回の体験では、実際の来訪の前から、植物の香りや食べ物の香りが漂ってきて、まるで先に北海道に訪れたようでした
地元の人にも興味が沸く体験でした。なぜその事業に取り組むことになったのか、ストーリーをもっと聞きたくなりました」

参加者:「都会に住んでいると農業や水産業、畜産業にあまり馴染みがなく、このように学ぶ機会を得ることができてとても興味深かったです。
自分たちの土地や産業のことを良く理解している人々の話を通じて、北海道は素晴らしい土地だと思いました。今回の体験で出会った北海道の人々に実際に会ってみたくなりました

参加者:「その土地の特産品や地域の産業に深く踏み込んでいると同時に、普段の生活では出会えないような産業の知識を教えてくれていて、普通の観光ツアーとはかなり違っています
この交流を通して北海道の一次産業の人々の生活や産業の裏側について知ることができ、 人生の大切な知識の一部を教えてもらいました。 いろいろな人と出会い、学び、自分の人生経験を成長させることは幸せなことだと思います」

圓子瑞樹さん:「知床に来る観光客の理由の多くである観光船や動物、世界遺産などではなくて、知床に住んでる人に会いたいと思ってくれることほどうれしいことはないです。船などの体験やスポットは1回来ると満足してしまうかもしれませんが、『人』には2度、3度と会いに行きたくなる。何回もリピーターとして来てくれる人が増えることは嬉しいことです。
直接オフラインで会う機会がこれからありますが、初対面で会うのと、オンラインでの事前体験があるのとで、反応が違うと思う。言葉が通じないからこそ、台湾の皆さんがここに来た時に気軽にコミュニケーション取れるような準備ができました」

8月にはリアル再会が決定!

8月18~22日で、いよいよ前述したオンラインイベントで出会った人同士が北海道ツアーで再会します。

北海道の人達が「なぜその場所で」「どのような思いでその生活を行っているのか」を紐解き、台湾の参加者同士や、参加者と北海道の人達との強い関係性づくりをデザインします。

北海道一次産業を学ぶ旅の様子は、後日詳しい体験レポートをお届けしますので、どうぞお楽しみに!

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