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大組織化で小さな気遣いはなくなっていくのか

昨年末、父は手術が必要になりました。大きな病院でないと対応できないとのことで、大学病院に入院することになったのですが、これがまた驚くほどシステマチック!それぞれの部署が役割分担されていて、効率的に進んでいく様子には感心しました。

しかし、退院時には「これで終わりです」と書類を渡されただけだったので「この後はどうすれば?」と聞くと、「それはちょっとわかりません」といわれ、大組織ならではの縦割り構造を実感しました。

あちこちに聞きながら進んだ結果、案内所で聞けばよいことがわかりました。もし「案内所で聞いてください」と一言教えてくれていたら、もっとスムーズに進んだのになと思いました。やっぱり大きな組織では、自分の担当外のことは分からないのは仕方がないのかもしれません。

そんな父が先日、夕方の買い物帰りに転倒し、頭を打ってしまうという事がありました。ヘルパーさんがすぐに連絡をくれて、かかりつけ医にも報告してくれ、看護師さんから「薬の影響で出血しやすいので、すぐに検査のできる病院に行ったほうがいい」と言われました。

しかし、「何科に行けばいいの?」「救急車を呼んでもいいの?」と、頭の中はぐるぐる。すぐに妹に連絡して父のところへ向かってもらう一方で、私は移動しながら#7119に電話をして対応を確認しようと思いましたが、なかなかつながりません。

やっとつながったと思ったら「ご本人はそばにいますか?」と聞かれ、実際に状況を見ながら話さないと対応ができないとのこと。結局、先に着いた妹が父のそばで電話をかけ、近くの救急病院に連れて行くことができました。幸い大事には至りませんでしたが、あの1時間の差で何かあったらと思うと、ゾッとします。

救急病院での対応はスムーズでした。私がマスクを取りに行ったほんの数分で父が見当たらなくなったとき、近くにいた方が「そちらの部屋に入ったわよ」と教えてくれました。お医者さんは丁寧に説明をしてくれたあと「これを受付に出してください」と書類を渡してくれました。

時間外の診療であったので次の日以降に清算するのですが、並んでいると奥の方の席の人が「清算だけですか?」と気づいてくれて、他の窓口で素早く処理してくれました。

システムやマニュアルに沿って効率よく進む仕組みの方がイライラが大きくなることもあるのですね。弱っているときは、人間味あふれる対応に救われるものなのかもしれません。

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たかはしあやこ/㈱つむぐ設計 代表取締役
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