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サービス精神が裏目に出る時

「どや顔で料理するのに、キッチンが大惨事になる」「洗濯物を丸めたまんま出す」夫さんへのそんな愚痴をたまに耳にしますが、幸い我が家はほとんどそういうことがありません。これも義両親か私か、はたまたその両方の教えが良かったのでしょうね。

先日、夫から渡されたのは、キャップを外そうとしたら反対側が開いちゃうし、インクの減りもやたら早いし、役に立たないと放置していた万年筆でした。なんとそれを修理に出してくれたんです。しかも、スペアのインクまで買ってきてくれて、一緒に渡してくれました。

そうそう、商品を買って箱を開けた瞬間に『電池別売り』の文字を見つけた時の、あのガッカリ感は半端ないですよね。なので、こういう気遣いはわが夫ながら感心します。

そう思うので、私も仕事でも決められた範囲を超えても、相手によりよくなるならばと、ついやってしまうことがあります。大抵の場合、それが結果として情報共有をスムーズにし、「おかげでよく分かったよ」と感謝されたり、プロジェクトが早く進んだりするんです。

でも、これが裏目に出ることもあるのですよね。お礼を言って欲しくてやってるわけじゃないけど、業務外のサービスを当然だと思ってる人もいるんですよ。

挙句の果てには、無報酬でやっていたサービスに対して「じゃあこれもやってよ」とどんどん要求が増えて、一定のところで線を引こうとすると「それも仕事のうちじゃないの?」なんて言うんですね。

まるで、自分のために人が動くのは当然、感謝なんて必要ない、とでも思ってるかのような態度です。こういう人って、同僚や家族にもそんな感じなんでしょうか?それでうまくやってるならいいんですけどね。でも、こうなると、その人に対しては業務外のことは一切したくなくなり、笑顔を添えて断る方法を考え始めます。

そういえば以前に、友人であり、うちの会社の相談役をしてくれている弁護士さんから言われたことを思い出しました。「良かれと思ってやったことで、足元をすくわれることもある。だから、職務の範囲外のことはやるべきじゃないんだよ。世知辛い話だけどね」と言われたことがあったのです。確かに、結局どちらにとっても不満が残るだけですもんね。

そんなわけで、無料のサービスについては考えなければならないなと思います。せっかくの親切心も、うっかり罠にハマると台無しです。
と、いいつつ私はまたいつか同じ過ちをしてしまう予感がします。

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