番外編②奇跡のラブレター【タロジロと私。ときどきお父ちゃん】
愛息子タロジロへのラブレターです。
クリスマスが巡るたび、お母ちゃんとの愛をかみしめてくれるといいな。
子どもに会えない親や親に会えない子どもは、愛していると伝え続けてほしい。
たとえ一人になっても、信じて、信じて、奇跡を起こそう!!
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2020年12月24日クリスマスイブ。
「そうそう!ジロウから預かりもんがあるねん!」
そう言ってジロウと同じクラスの甥っ子が、イソイソと封筒を私に差し出す。
味気ない茶封筒に、緑と黒の色鉛筆で、クリスマスの絵が丁寧に描かれている。
封筒の中心には「お母さんへ」と書いてあった。
8歳ジロウからのラブレターだ。
タロジロが自発的な想いをしたためた手紙を、私はこれまでもらったことがない。
つまり、ジロウからのラブレターは、私がお母さんになってからもらう、子どもからの初お手紙だ。
甥っ子によると、誰かに手紙を書く時間が学校であったらしい。
ジロウが作成できる手紙は一通。
究極の選択だろう。
不出来な両親のせいで、「お父さんお母さんへ」とジロウはきっと書けない。
甥っ子から手渡された封筒をシゲシゲと眺める私。
筆圧の弱いジロウなのに、封筒の絵はとても力強く色がのせられている。
ドキドキしながら一生懸命書いたんだろうな。
私は封筒を持った左手をクルッと反転させた。
ヒョロッとした見慣れた文字で「ジロウより」と書いてある。
とたんに目頭が熱くなって息ができなくなった。
いつまでたっても私は弱っちい。
子どもの文字や絵がこんなにも愛おしいなんて知らなかった。
呼吸を整えて封筒に手を入れると、几帳面にたたまれた便箋がでてくる。
便箋の半分には文字が並び、もう半分にはこれまたクリスマスの絵がちりばめてあった。
ジロウのひょろっとした文字も可愛らしい絵も、なんでかニジンデ見えなくなった。
私の子育ては間違っていない。
伝え続けた愛はきちんと届いている。
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2014年タロウ6歳ジロウ3歳くらいから、クリスマスを盛大に自宅で楽しむようになる我が家。
ハロウィンが終わったら、家じゅうの飾りをクリスマス仕様に大チェンジ!!
タロジロが寝ているすきに、私はせっせと模様替えをする。
起きてきたタロジロは、満面の笑みでキョロキョロ家じゅうを見渡していた。
その様子をただただ眺められる私は、とても幸せだったと今カミシメル。
ツリーの飾りつけだけは、タロジロと三人であーでもないこーでもないと言いながら楽しむ11月。
無駄に几帳面なお母ちゃんが、コッソリ誘導しながら飾りの配置を決めていたのを、タロウは気付いていたのかもしれないな。
クリスマスイブになると、タロジロはサンタさんにクッキーやミルクも用意した。
だけど、翌朝になくなっていたためしがない。
毎年不思議そうに首をかしげるタロジロは、とても可愛らしくて、冷え込む朝がポカポカした。
そういえば、
まもなく12歳タロウは、今でもサンタを信じているのだろうか。
それとも、
8歳ジロウに合わせているのだろうか。
25日のプペルの日にコッソリ聞いてみよう。
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まともに子育てできない私は、あちこちタロジロを連れ回した。
近所の田んぼから海外のモスクまで、たくさんたくさんいろんなところへタロジロと足を運んだ。
タロジロはお母ちゃんとあちこちでかけて、
楽しかったのかな。
何か得たのかな。
覚えているのかな。
もっとこうすればよかった。
もっとああすればよかった。
グルグル回る過去の子育てを、心の隅に追いやって、一緒に暮らせなくても私は愛を贈りつづける。
ただただ、
あきらめないで自分を信じていればいい。
そしたら、
2020年のクリスマスイブみたいに小さな奇跡が起きるんだ。
そして、
無償の愛はきっと大きな奇跡へと繋がっていく。
ジロウのラブレターは、あきらめない私への奇跡のご褒美だ。
私はまだまだがんばります。
あなたもどうかがんばって。
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ーー番外編③へつづくー
番外編②奇跡のラブレター
Facebook編(2020.12.24記)
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⑦≪≪①≫≫番外編③
▼信じる勇気で奇跡を起こせ!!
▼【親権】の民法改正・賛同活動中☆
▼ 映画「えんとつ町のプペル」を子どもたちに届けるプロジェクト!
撮影支援:前川 智洋「Soraカラ|Photo Po」
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