下を向いてゆっくり、ゆっくりと歩くお婆さんの傍らにはいつも、その愛犬が居た。 朝、車で南下する通勤の道すがら、腰が大層曲がった80代ほどのお婆さんを認識したのは、…
sono
2024年5月22日 19:18
下を向いてゆっくり、ゆっくりと歩くお婆さんの傍らにはいつも、その愛犬が居た。朝、車で南下する通勤の道すがら、腰が大層曲がった80代ほどのお婆さんを認識したのは、今から10年ほど前になるだろうか。初見では、二度見、三度見した。腰は文字通りくの字に曲がり、顔は一切見えない。愛犬に目を任せて歩くその姿は、まさしく地面を舐めるように歩く、というような比喩がぴったり当てはまるものだった。進んでは