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アーカイブ失効、雲の国の海岸線/ 詩

時計を標的の形にして
矢先が少し不眠の薬漬けになって 放つ
安っぽいラブソングだけでいいのか
音楽のような 人生のような
時間の長短針を乱して 信号を失った夜
繰り返す輪廻の場所 ここは 二回目
午前三時 眠れないなら
シャワーを浴びに行こう

真っ白を被って
吹き抜ける海風が砂糖を撒く
起伏する波形の中を漂う私
だんだんと呼吸の仕方を忘れてしまった
五時 黒夜と白昼の交差点
海岸のように荒々しく分けられた二つの色
閉じられない瞳に 収めたい君の有象て
甘い海風に触れて 私の頭の歯車を蝕む
時計の文字盤も乱して秒針を遅らせることができたらいいのに
水辺の吐息にゆっくりと
夏の概念と共に徐々に
私の死体を青緑と白で染める
悪い癖を改めたら

自殺しよう

太平洋の海が夢で見たのと同じように青いといいな

愛してるよ
君が東京湾の底に葬られた昨日も愛してる。


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