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【生産性向上のために】イシューからはじめよ


issue ー 問題、論点、重要な点


ーやりたいことが散見しているあなたへ読んでほしいこの1冊ー

このnoteは、安宅和人さんが著した『イシューからはじめよ ー 知的生産の「シンプルな本質」』を私ならではの視点からの意見を交えながら要約、アウトプットしたものです。この本はこんな人たちにおすすめです。当てはまる人はまずこの記事を読んでみて欲しいです。

・知的生産性を高めたい
・やりたいことが散見しているが何をすべきかわからない
・効率的に仕事などで結果を出したい


0.イシューとは

この本では、凄まじい量の「イシュー」という言葉が登場します。この言葉がこの本ではどのように使われているのかというところから解説していきます。

この本での「イシュー」は重要性の高いもの、そして答えの出るものという定義づけで考えるといいと思います。本の最序盤でこのような言葉が登場します

「悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える」

ここでの「悩む」の定義は答えの出ないものについて考えるフリをすることで、「考える」の定義は答えの出るものについて考えを組み立てることとなっていました。

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ビジネスや研究において必要なのは「考える」なのです。

先程の最序盤の言葉からもこの書籍ではイシューという考え方を重要視していることがわかるというお話でした。

イシュー ー 重要性が高く、答えが出るもの


1.大テーマ、知的生産性を高める

この本では、「知的生産性を高める」ことが大きなテーマとなっています。これをもう少し噛み砕いて言うと、「かけた労力に対してより大きな成果を出す」ということです。なお本文には上記の太文字の部分を表す以下の公式も登場します。

生産性 = 成果 ÷ 投下した時間、労力

このシンプルな式からわかることは「投下する時間や労力を最小限に抑え、成果をより大きなものにすると生産性が高まる」ということです。

私はこの本で最も重要な部分はここだと思います。今後はこの生産性を高めるという部分を深堀りしていきます。


2.バリューのある仕事

仕事とかやりたいことって数えてみればとんでもない数のものがありますよね?その中で、生産性の高い「バリューのある仕事」ってどんなものなんでしょうか?

それは、イシュー度、解の質の両方が高い水準の仕事です。

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この図でいうと、右上の部分の仕事がバリューのある仕事ということです。右上の仕事をこなすと良いということはみなさんわかってくださったと思います。ではここで次に重要なことをお話します。

・「犬の道」に踏み込むな

この本では一心不乱に労力をかけて上に行き(先に解の質を上げ)時計回りの方向でバリューのある仕事に向かう道筋を、「犬の道」と呼んでいます。これがいけないのです。

先程の「バリューのある仕事」を思い出すとなぜ犬の道がいけないのかわかります。それはイシュー度の低い仕事はいくら解の質を高めてもバリューの高い仕事にならないからです。

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やみくもに努力して解の質を高めることからアプローチするのではなく、まずイシュー度の高いものを見極め、それに向かって取り組んでいくことが重要なのです。こうすることで必然的にイシュー度の高いものに取り組む時間が長くなり、解の質も高まっていくというわけです。

「イシューからはじめよ」ってことです

てるぞうはここまで読んで勝手にこの本のすべてを理解したつもりに一瞬なりましたがそんなことは全くありませんでした。ここからはイシュー度や解の質について深堀りをしていきます。


3.イシューの見極め

次に考えるのは「イシューの見極め」についてです。この本で定義されているよいイシューの条件は以下の3つです。

・本質的な選択肢である
・深い仮説がある
・答えを出せる

3つをまとめると、インパクトがあり、明確に検証できるもので受け手に伝わるものがよいイシューであるということです。それを確実に見極めることが生産性を高める第一歩ということです。

またこの章の本文でてるぞうが納得した部分を少し紹介します。

脳は脳自身が「意味がある」と思うことしか認知できない。そしてその「意味がある」と思うかどうかは、「そのようなことが意味をもつ場面にどのくらい遭遇してきたか」によって決まる。

この文章から自分が感じたことは2つあって、1つ目は「もっと様々な経験をするべきだな」ということです。多くの経験をすればより多くのイシューに対する理解が深まり、広い世界に触れられるなと思いました。

2つ目は「イシュー度はそれを受け取る人によって違う」ということです。あたりまえのことですが、次の身近なイシューについて考えてみましょう

イシュー 「脱毛をする」

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脱毛を例としてみるとわかりやすいと思います。ビジネスとはあまり関係ありませんが、性別、周りの環境、毛の濃さなどその人の当てはまる条件によってイシュー度は大きく違うと思います。今このnoteを見ている中には強く脱毛をしたい人と全く気にしていない人がいると思います。そういうことです。

ここまではイシュー度の高いものの見極め方を学んできましたが、次の章からは「解の質」にフォーカスを当てていきます。


4.イシューに対する仮説と言語化

よいイシューを見極めた後はそれに対して仮説を立て、言語化をすることが解の質を高める上で重要だとこの本では述べています。

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イシューに対して仮説を立てる際には具体的に仮説を立てる必要があります。「新しい会計基準についてちょっと調べておいて」ではなく

「新しい会計基準化ではわが社の利益に対する影響が100億円ほどあるのではないか」「新しい会計基準化では競合社の利益も変動し、わが社の相対的地位が悪化するのではないか」

といったようにすることが必要です。また言語化しチームで共有することでプロジェクトの途中でゴールを見失うことがなくなります。ここまでのことをまとめると、以下の事がプロジェクト等の最初で重要になるということです。

「よいイシューを見極め、仮説を立て明確に言語化すること」

この章でもてるぞう的気になった言葉を紹介します。

「知識」の増大は、必ずしも「知恵」の増大に繋がらない。むしろあるレベルを超すと負に働くことを常に念頭に置く必要がある。

「知識の増大は度を過ぎると知恵の増大に対して負に働く。」

うーーーん、てるぞうはこれに関しては賛同できないなと思いました。知恵はあればある程いいと思います。でもここで重要になるのは、「固定観念に囚われないこと」だと思います。

この本では知識がつきすぎると、その業界のタブーや「べき論」に束縛されてしまうということが書いてありました。

問題なのは、知識がつきすぎることではなく、知識にがんじがらめにされてしまうことかなとてるぞうは思いました!固定観念なんか捨てよう!


5.仮説の質を高める

生産性において重要になる「解の質」を高めるという目標に対して、次に語られたのは仮説の質を高める方法です。つまり、立てた仮説を再検討するということです。

ここでまずイシューに目を向けます。多くの場合、イシューは大きな塊であり、すぐに答えを出すことはかなり難しいです。そこでイシューを噛み砕き、答えの出やすいサブイシューに分割します。ここで注意するのは以下のことです。

・ダブりも漏れもなく分割する
・本質的に意味のある塊にする

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分割を済ませると、それぞれのイシューに対する仮説も小さな単位になり、質が高まります。その次に行うことは、必要なデータの範囲を考えることです。

例えば人が甘いと感じる砂糖濃度について考えるとすると、結果はおそらくS字カーブ型になると仮説を立てて、その範囲のデータのみ細かく取れば良いということです。またこの例の場合には、世の中一般の清涼飲料の砂糖濃度は5~10%に分布していることを考えると、範囲はその付近であると考えられます。

このように仮説の精度を高めていくことが解の質を高めるために重要なのです。

この章のコラムでは、脳の知覚から見た分析の本質について書いてあったので、それについても少し紹介します。

コラム.脳の知覚の特徴が原因で、分析は比較して行うのが良い

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1.閾値を越えない入力は意味を生まない

脳の特徴として、ある値を越えないと知覚できないというものがあります。匂いや音など、ある強さを超えると急に感じられるようになるそうです。

2.不連続な差しか認知できない

脳はなだらかな違いを認識できず、なんらかの「異質あるいは不連続な差分」だけを認識できるということです。これに関してはめちゃくちゃ納得できました、臭い教室に入ったときは臭いと思うけど、ずっといるとその匂いはわから無くなるっていううちの工学部の悲しい一例が思い浮かびました…

3.理解するとは情報をつなぐこと

脳の中で別の情報を持ったニューロン(ていうよくわからない神経)が2つ以上同時に興奮状態になり、シンクロすると、2つ以上の情報が繋がったということになります。これに関しても自分はすぐに腑に落ちました。受験生のとき、地理の勉強で単体でものを覚えるより複数のものを関連付けて覚えるほうが覚えやすかったという経験があるのですが、これも脳の特徴によるものだったんだなと感じました。

4.情報をつなぎ続けることが記憶に変わる

シナプス(っていう脳の組織)の特徴で、「何度もつなぐと強くなる」というのがあり、回数つなぐのが重要とのことです。

1は入力において、2は認知において、3は理解において、そして4は記憶においての特徴で、これらにより分析は比較であるとわかります。


6.アウトプット

アウトプットとは、外に出すということであり、ここではどうしたら質の高い解が外に出せるかということについて書いてある章です。

・手を付けるサブイシューの順番

まず注目するのは、先ほど分割したサブイシューたちの重要度です。サブイシューはどれもイシューの一部であり、重要なのは当然ですが、その中でも最も重要度の高いサブイシューから解を出し始めるのが重要であるということです。

このようにして、サブイシューを一つずつ解決していき、どのサブイシューも重要度が同じくらいだなと感じたらどうすべきか。その場合は、早く解決するサブイシューから消化するべきです。手を付けるサブイシューの順番は、重要なもの→早く終わるものという順序で行いましょう。

・トラブル対策

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アウトプットにトラブルはつきものでありますが、最小限に抑える必要があります。まず最初にすべきは、重大なものにヘッジ(保険)をかけることです。当然のことでありますが、重要なことです。イシューを検証する方法を複数用意したり、小さなミスがあってもことが進むようにしておく必要があります。

次に、トラブルに直面してしまった場合はどうすればいいのかという話です。まず最初に行うのは、他人の力を借りるということです。力を借りることのできる人がいるというのはそれだけでスキルになります。

それでもダメな場合はどうするかといいますと、「期限を決め、その時点までに解決しなければその手法に見切りをつけ、別の手法を試す」ということをやるべきです。サブイシューやイシューにおいて大切なのは、解にたどり着くことであるため、手法は何でもよいのです。

・停滞を引き起こさないために

「完成度よりも回転率」「エレガンスよりもスピード」

停滞を引き起こす原因として最も多くみられるのが、「丁寧にやりすぎる」があります。最初から10割、9割の完成度を目指すのではなく、6割の完成度の状態でもう1度検証検討のサイクルを回すことで高い完成度に到達する時間を短縮できるというのが良いとのことです。

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この章では、「天才」の定義が記してあったので紹介します。

・仲間の圧力に左右されない
・問題の本質が何であるかをいつも見失わず、希望的観測に頼ることが少ない

・ものごとを表すのに多くのやり方を持つ。一つの方法がうまく行かなければ、さっさと他の方法に切り替える。

要するに「固執しない」ことが重要だとのことです。自分の中の天才の定義はインベスターZの最終巻のこのシーンの「やってやり続けることができる人」だと思っているので少し表現の仕方が違うなと感じました。

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余談ですがインベスターZは人生の教科書だと思っているので読んだことない方は是非読んでみてください。1巻はKindle Unlimitedで無料です。

話を戻すと、本質を見失わない、かつ手段にはこだわらずにイシュー解決に向けた継続をできる人が天才なのかなと個人的には解釈しました。


7.メッセージとしてのアウトプット

ここから先は実際に論文なりプレゼンの資料をまとめていく作業の解説に入る。そうした場面は一切ないという方は、ざっと目を通す程度にしていただければと思う。

この章は最初にこのような但し書きがありました。つまり、全員読めってことですね笑 人生は個人間のやりとりでもプレゼンの連続だと思うので読んでおきましょう。

この章で聞き手に理解してもらう三要素は以下の3つです。

1.意味のある課題を扱っていることを理解してもらう
2.最終的なメッセージを理解してもらう
3.メッセージに納得して、行動に移してもらう

まず1では今までに扱ってきた「イシューからはじめよ」というポリシーどおり「何に答えを出すのか」ということを理解してもらいます。

次に2では、大きなイシューから繋がりのあるサブイシューの解説につながっていき、流れを見失わせず思考を広げていき、それらを最後にまとめることで最終的なメッセージを理解してもらいます。

そして最も重要な3では、ただ理解してもらうだけではなく、納得、そして行動につながっていくようにするのが良いプレゼンテーションということです。

・エレベータテスト

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エレベータテストって皆さん知ってますか?てるぞうはこの本で知りました。このエレベーターテストがプレゼンの総仕上げにぴったりとのことです。

エレベータテスト - 仮にCEOとエレベータに乗り合わせたとして、エレベータを降りるまでに自分のプロジェクトの概要を簡潔に解説できるかを確かめるもの

簡潔にわかりやすく伝えたいことを伝えるってプレゼンにおいて超重要なスキルだと思います。それを最後の仕上げとして確認して、プレゼン編も終了です!この章からも心に響いた言葉を最後に引用して解説を終わります。


プロフェッショナルの世界では「努力」は一切評価されない



まとめ ~筆者の思い~

筆者が伝えたい(であろう)ことの要約を記します。

『「人から褒められること」ではなく、「産み出した結果」そのものが自分を支え、励ましてくれる。』

この考え方、価値観を産み出す根底にあるものこそが、「イシューからはじめよ」という考え方です。これをしっかりもつだけで僕らの生活は楽になります。そして毎日が充実し、日々が産み出す価値も上がります。

日々の生活の中で、「この作業には本当に意味があるのか」と思ったら立ち止まり、「それは本当にイシューなのか」と問いかけることから始めてみましょう。

この本で紹介した考え方が皆さんの生活を質的に改善し、一人でも多くの方が「犬の道」を脱することができれば、これほどうれしいことはありません。

この本を手に取っていただいたことを心から感謝します。


てるぞう的全体への考察

この本はタイトルが最も重要なことを述べているタイプの本でした。知的生産性を高める=バリューのある仕事を素早くたくさんこなすというのを最終目標にしてそれをどんどん深堀りしていくタイプの本でした。ビジネスや研究など結果を追い求めなければならない場面では「イシューからはじめる」というのは非常に合理的かつ生産性を高めるのに向いているなとも感じました。noteにまとめきれていない部分もまだまだたくさんありますがかなり深堀りもしてあったので実践にも移しやすいなと感じました。

その一方で日常生活においては活かせる部分と活かせない部分があるなと思いました。個人でもやりたいことが明確に決まっている人はそれに向かってイシューの分析をしていくのが良いとは思いますが、てるぞうのような「実は自分が何を本当にしたいのかわかっていない人」は犬の道を進むのもよいかなと思いました。現にてるぞうは2020年の2月半ばくらいからプログラミングを始めましたし、この積立てるぞうとしての発信活動も「とりあえずやってみる」の精神から派生して今に至ります。ビジネスや研究の一部として動く場合と、自分ごととしてこの本を理解するときにはやや差があり、注意が必要かなと思いました。

総じてみれば有名なビジネス本であるだけあって、学びの多い本でした!!興味を持ってくれた人はぜひ読んでみてください。

あとがき

以上!Instagramで日ごろから読んだ本のアウトプットをストーリーでしているてるぞうが初めてnoteに文章として本をまとめてみました。日頃は簡素で思った素直な感情をすぐにアウトプットしているのですが、文章としてまとめてみるのは非常に難しいなと感じました。うまくまとめられてるかちょっと不安です笑 アウトプットはインプットとセットで行うと知識が定着できるし良い情報を周りの人にギブできるので非常におすすめです。自分の好きな分野など、ぜひなんらかの方法でアウトプットしてみてください。


(おわり)

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