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[つまみ食いラジオ Vol.8] 食べることの進化史 読書会

みなさん、こんにちは!
このnoteはApple podcastspotifyで聴ける[つまみ食いラジオ]のnoteです。
各エピソードのハイライトや、トーク中に登場した事例や参考文献の紹介、編集後記をご紹介していきます。

今回は初めての試みとして、2人で同じ書籍を読み、感想や着想を得た視点などを会話しました。

読書会の対象書籍はこちら:
「食べることの進化史」/石川 伸一さん

私たちがふだん何気なく食べているごはんには、壮大な物語が眠っている。食材を生産、入手するための技術、社会が引き継いできた加工や調理の方法、文化や宗教などによる影響……。人間は太古の昔から長期間にわたって、「食べること」の試行錯誤を重ねてきた。
その食の世界が今、激変してきている。分子調理、人工培養肉、完全食のソイレント、食のビッグデータ、インスタ映えする食事……。こうした技術や社会の影響を受けて、私たちと世界はどう変わっていくのだろうか。気鋭の分子調理学者が、アウストラロピテクス属の誕生からSFが現実化する未来までを見据え、人間と食の密接なかかわりあいを描きだす。(書籍紹介文より)
著者)石川伸一さん
1973年、福島県生まれ。東北大学大学院農学研究科修了。現在、宮城大学食産業学群教授。専門は分子調理学。
https://twitter.com/yashoku_nikki
https://www.myu.ac.jp/teacher/food/ishikawa/


▶まずは聴いてください‥!Vol.8エピソード

<Spotify>

<Apple Podcast>

▶ナビゲーター紹介

改めて番組ナビゲーターの2人を紹介します。

食トレンド研究家 渥美まいこ
1986年神奈川県生まれ。クックパッド社でFoodClipというメディアの編集長。ライフワークとしてnote で食トレンドの考察を紹介している。好きな料理はベトナム料理、好きなファミレスはロイヤルホスト。
note:https://note.com/atsumimaiko
Twitter:https://twitter.com/atsumi_maiko
ホテルと旅のプロデューサー こばみほ
クックパッド→スマイルズと「食」を軸にしたキャリアを経て、現在はホテルプロデュースの温故知新に所属しつつ、フリーで旅や食関連のプロデュースも行う。ホテルや旅、食の魅力を歴史やストーリー・文化から紐解き発信中。好きな料理はカレー。
note:https://note.com/kobamiho
Twitter:https://twitter.com/kobamiho52c

▶ChapterA:料理の因数分解について

■序章
・食の未来学」の基盤学問前述した科学啓蒙家のバナールは、未来を判断する上で重要な〝学科〟が3つあると言っています。
「歴史」「科学」、そして「願望の知識」=心の科学
料理=食材×調理法×思想
・同じ食・調理法でも料理は「調理する人」によって大きく変わる。
・主素材の風味が生かされている、手書剤と副菜のバランスが良い、日本料理らしさがある
・料理の成り立ちを理解する上では、食材や調理法だけでなく、料理を作る人個人個人が料理を作るときの「思想」を理解することが不可欠。
【第3章 「未来の心」はどうなるか ―食と心の進化論―】
【過去】人は食べる時、何を思ってきたか
ふだん私たちがものを食べるときは、食に対する精神、観念、価値体系などといったことをいちいち気にかけません。食が習慣化されているため、立ち止まって考える必要性がないからです
・人が何をどう食べるか、食べないかという食に向かう姿勢食における態度は、生きる意味、生きる価値を表す身近なもののひとつとしてこれからも存在し続ける。
■多様性と均質性のパラドックス
・食の均一化、画一化が進むことで一定水準の食を得られるようになる一方、作物の不作などの影響を受けやすくなることや、伝統的な食生活を衰退させることなどが詩的されている。
・ひとつの食材が世界中に広がることで、各地でその食材を使った料理のバリエーションが増え、多様性が増大する。またその一方で、世界中で同じような食材が食べられるようになり、「均一性」も増す。
・例:ハンバーガー
マックが日本に進出、モスバーガーがテリヤキ出す、韓国ではキムチバーガー、ハンバーガーの中に多様化がおきた。

ChapterB:未来ごはんの「普通さ」について

■「ドラえもん」で描かれる未来ごはんの「普通さ」
・のび太の海底鬼岩城「海底クッキングマシーン」、料理の食材は、海にいるプランクトンを原料にしているという〝からくり〟
・「のび太の日本誕生」「畑のレストラン」
→日本に人が住む前の時代に行こう」ということで、7万年前の日本へ、7万年前の日本に自分たちの居場所をつくる。
→缶詰に入った種を畑に植えると、1日とかからずに丸々としたダイコン状に育ち、それを2つに割ると中にできたての温かな料理が入っている。種類はドラ焼き・カツ丼・ビーフカレー・スパゲッティ・スープ・ハンバーガーセット(フライドポテトとジュース(コーラ)付き)、ラーメン
■昆虫食の普通化
国際連合食糧農業機関(FAO)が、将来不足することが予想される畜産物などの動物性タンパク質の代替食品として「昆虫」を推奨したことがきっかけ。なぜ昆虫食に抵抗があるのか?


▶編集後記:インプットのまま終わらせない、読書会のススメ。

2019年の春頃に刊行されたこの新書を、私は当面バッグの中に携えていました。3駅分電車に乗ったり、仕事の訪問で5分エントランスで待つ時間などに何度も読み進め、内容はしかり使われている語彙や、参考文献もじっくりと読ませていただきました。そんな書籍について語り合うと、内容が着実に私の血肉となっている感覚を覚えます。このように誰かと書籍について議論してアウトプットして学びを深くすることは、とても良い取り組みですね。

あと、全く誇らしい話ではありませんが、我が家の積読エリアは、バルセロナのサクラダ・ファミリア級になっていて、息子も夫も怪訝そうに小言を言われます。日々、午前中!明日まで!という急務に追われ、いつも指を加えて素晴らしい書籍たちを待たせているわけですが、今回のようにこばみほと「期日までに再読して語る」という習慣ができると、だいぶ私の積読も低地に落ち着くような気がします。(アツミ)


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