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「これが私です」と言える日まで『自分言語化ノート』長谷川エレナ朋美著

見えないものに価値を求める時代。「お金を稼ぐ」よりも「自分らしく生きる」ほうが、幸福感を感じやすくなっている今。自分を表現する「言葉」の価値が高まっているのだと、本書では述べられています。

幼子を持つ私の周囲でも「そろそろ働かなきゃ」という言葉が飛び交う一方で「私ってどんな人間なんだろう」「自分の良いところがわからない」といった声が聞こえてきます。働き口は条件さえ合えば見つかります。けれども「自分らしさ」は妥協しても、そう簡単に見つかるものではありません。

お金よりも、自分とは何かで悩んでいる人の方が多いのではないかと感じるときがあります。おそらく、現代に生きる人はみな、「自分らしい生き方」を求めているのではないでしょうか。

私は普通の主婦です。けれども、ありがたいことに、そんな私に価値を感じてくださる方もいらっしゃいます。それはおそらく「言語化する力」なのだと思います。だからと言って「私すごいんです」とは全く思いませんが、「これが私です」とは言い切れます。たとえ断言できなくても「今は、こうしたいと思っています」と言えるのです。

『言葉にできるは武器になる』という一冊がございます。きっと、自分の湧き上がる内なる想いを言葉にできることに、価値があるのでしょう。

著者は自分の価値を信じられるためには①自分を知る②自分を活かす③自分を表現するステップが必要であると述べています。何よりもまずは自分を知ることに注力すべきであると。

自分を知るというのは「自分が何者か」ということではありません。「どうしたら自分が満たされた心地いい状態でいられるか」ということなのです。

あなたは、その状態が、わかりますか。私は、わかります。長谷川氏の著書を3冊読んでおり、著者のプロデュースする手帳を3年使用しています。いずれの著書も手帳も、とにもかくにもワーク式。3年も続けていると自ずと見えてくるものなのです。

本書のワークを一部お伝えします。「あなたはどんな人でいたいですか?在りたい自分はどんなもので、在りたい自分でいるためにどんな行動が必要なのかをイメージして、自分に宣言しましょう」という問いがあります。私はこのように答えました。

・聡明でありたいから、常に読書をします。
・穏やかな自分で在りたいから、余白を大切にします。
・人を癒せる自分でいられるよう、執筆します。

これが、私です。でも、理想の自分を追い求めると、苦しくなることもあるでしょう。だからこそ「心地よさ」が前提にあるのです。読書も余白づくりも、執筆も、私にとって負担のかかることではありません。心地よいことが分かると、辛いことや苦手なこと、退屈なことも分かってきます。それらを遠ざけていくと、自分らしさが見えてくるのです。

「これが私です」と言えることは、「よく見せよう」とは違います。好かれることも嫌われることも、あまり気にならなくなる不思議な力を持っています。自分にとっての正解であればいいのだと思います。

著者の「目標」よりも「価値観」にフォーカスした思考が、私には合っているような気がしています。目標は「いつまでにあれをしなきゃ」という気持ちに駆り立てられ、なんだか常に焦ってしまう自分がいます。私は、一年の初めに立てた目標も、半年後、同じ熱量でいられません。そこまでの覚悟がないとも言えますが…。

昨年、「フォロワー数1万人!」という目標を立てました。しかしながら、数字だけの目標であり、あっという間に燃え尽き、半年間まともに運用できなくなりました。だからこそ、価値観が重要なのだと今ようやく気づくのです。

私の価値観は「心穏やかに生きること」これは、この3年ずっと変わりません。その価値観に基づくと、「心穏やかに生きられる人を増やしたい。人でも多くの人に認知されたいから、フォロワー数1万人を目指す」となります。価値観があって、自分軸の目標が立てられると、永くゆったりと進んでいけます。

途中で目標も、価値観さえも変わるときがあるでしょう。それでもいいと思うのです。そのときそのときの、自分の心を言葉にしていければ、その心に従って行動できれば、それはそれで最良な生き方です。

「言語化」というのは、今の時代の流行でもあるような気がしています。「言語化が大事なのはわかった。でも、何を書けばいい?」と思いますよね。ジャーナリングという書く瞑想もありますが、書く習慣がない方にとっては難しいかもしれません。

そこでおすすめしたいのが、本書です。37のワークがあり、直接書き込めるようになっています。その質問に答えていくだけです。全て書き終えたあとには、「あ、私ってこんなことを大切にいしているんだ」「こういうことを苦手としているんだ」と思うでしょうし「自分らしさ」にもなんとなく気づくはずです。

過去のトラウマに向き合わずとも、将来やりたいことがまだ見えなくても。自分が今この瞬間、何を考え何を感じているのかさえ言葉にできれば、それだけで楽に生きられると思うのです。言葉にできることに価値があります。ぜひ、一人でも多くの方に手に取っていただきたいと思っております。


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