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『ママ虫』「主婦の居場所の見つけ方」

「ママ虫」という言葉をご存知ですか。

2020年に日本で公開された映画
「82年生まれ、キム・ジヨン」の作品で
主人公のジヨンが、ベビーカーを押しながら
公園でコーヒーを飲んでいるときに
見知らぬ男に投げつけられた言葉。

夫の稼いだお金で遊ぶ主婦への侮辱用語です。

ずっと引っかかっていました。
その引っかかってる理由は何なんだろうって
ずっと考えていました。
私もそんなふうに思っていたからだと思います。

出産後、働いていないことに強い嫌悪感を抱きました。
自分には生産性がないと思ったんです。

育児は楽しかったし、家事も完璧だったと思う。
なのに、なんでこんなに頑張ってるのに
給料はないんだろうって虚しくなった。
養ってもらってるという思考で
頭の中は埋め尽くされました。

育休が終わって復帰してる元同僚から
効果な出産祝いをいただきました。
嬉しかったのに惨めな気持ちになったんです。
ぽんって買えるんだなって。

今私は買えない。
だって働いてないからって。

私は、働くことが人間の価値で
働いていない自分には価値がないって思っていたんです。
それはきっと周囲に対しても抱いていたんだと思います。
最低です。

いろんな不安があってすぐに働きに出て
これでようやく価値のある人間になったって思いました。
これで元同僚と同じ、胸張って会いに行けるって。

そんな時、一冊の本が目に留まったんです。
帯には「働くことってそんなに大事?」と書かれてありました。

森博嗣さんの『「やりがいのある仕事」という幻想』
仕事で人間の価値が決まるのではない。
仕事は特別なことじゃない。
自分がどれだけ納得できるか。
自分で自分をどれだけ幸せにできるかということがその人の価値。
と書かれてありました。

著者は『すべてが F になる』の作者です。 
仕事量は1日1時間それ以外は
趣味の模型製作をしているとのこと。
仕事時間が1時間だからって
森さんには価値がないわけではありません。

それは、主婦でも、働いていなくても同じなんです。
そして、主婦についてこんな風に綴っています。

家庭にいても、仕事は仕事であって、主婦というのは、立派な職業だ。ただ 、主婦の場合は給料が他者からはもらえない。この場合、夫が稼ぐ給料の約半分が、主婦のものである(比率は二人で決めればいい)

忘れてならない大事なことは、ただ一つ。稼いでるほうが偉いわけではない、ということ。

今では、この森さんの考えが私の価値観になりました。
働いている、働いていない
そんなの、私にとって、どうでもいいことで
なんの判断材料にもならなくなったんです。

だから、主婦もコーヒー飲んでいいじゃん。
のんびりしたっていいじゃんて思ってます。

夫は仕事、私は家事育児。
もちろん働けたらいいよね。
だってお金はあって困らないでしょう。
でも、我が家の場合は
今は、この形で納得しています。

それに、働いてないけど
私は価値のある人間だって思えるんです。

家が設計できる人も、折り紙が上手な人も、どちらが偉いということはない。今の自分にとって、どちらに価値があるか、というだけの判断なのだ。もし金がたくさん欲しいという人には、金が稼げる仕事に価値がある。また、折り紙が上手になりたいという人には、折り紙が上手な人の方が価値がある。職業の価値とは、せいぜいその程度のものである。

つまり、上手な文章を書きたい
自分の気持ちを表現したいという人にとっては
こうやって記事を書く私に
価値があると思ってくれているわけです。

もちろん、バリバリ働くママを見て
悩ましいなーって思う時もある。

でも、子どもの安全
子どもの笑顔を守るママ。
子育ての傍ら、
上手に子供の服を作ってみたり
美味しいクッキーを焼いたり
周りを惹きつけるお話ができるママを見て
決してママ虫だとは思いません。

主婦が息抜きしていることを揶揄する人もいます。
でも、あなたの価値はあなたが決める。
どうか視野を狭めないで 。


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