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子どもがいるから、私は輝ける【オンラインナースのお仕事】

※この記事は、双極性障害の朝日さんの原稿をもとに、看護師の私の視点を入れ書き起こしたエッセイです。


子ども中心の日々がいい。今の状態がちょうどいい。でないと際限なく働いたり、友人のために動いてしまうからだ。自分のペースで動くのも大事だか、子どものペースで動いたほうがキラキラと輝ける。

朝日さんの原稿より

私には、子どもがいない専業主婦の時代がありました。けれどもその生活は不健康そのものでした。朝お弁当を作り、夫を見送ったあとは夕方まで寝て、これはまずいとなんとか起き上がって買い物に行き、夕飯を作って、眠れない眠れないと布団の中でネットサーフィンをして、ようやく朝が来る。ずっと具合が悪いと思っていましたが、このような不規則な生活を送っていたから延々と具合が悪かったのかもしれない、と当時を振り返ります。

乱れた生活を整えてくれたのは、娘でした。娘は朝5時に起きて、16時半に夕飯を食べ、19時には寝ます。色々と、早いです。私が何時に寝ようが、5時には起きます。寝不足だと、娘にイライラしてしまうのは一目瞭然。また、早々に夕飯を作らないと「お腹空いたお腹空いた」「もう我慢できない」という状態に。子どもは待つことができませんので、出来上がるまでにお菓子をどんどん与えることになってしまう。そうすると「私がもっと早く準備に取り掛かればよかっただけなのに」と自己嫌悪に陥ります。

子どもがいれば自分のペースで物事は進みません。けれども、朝日さんの原稿を読んだときに、ハッとしたのです。私も娘も楽しく過ごすためには、娘のペースに合わせてしまう方がいい。そしてそれは、私にとっても健康であり、日常に穏やかさを与えてくれるのだと。

5時にスッキリと起きられるように21時には寝る。夕飯は16時半と決めてしまう。娘を基準にして生活するようになってからは、体は整い、心にも余裕ができました。夜のオンラインセミナーに参加したいなと、思うこともありましたが、次の日眠くて眠くてどうしようもない自分は好きではないですし、私の場合だるさは1日だけではなく数日続きます。今は、その状態を避けたいと思う気持ちが勝るのです。

ほぼ寝たきり状態だったときの過去より、理由はよくわからないけど早起きで早ご飯な娘と暮らす今。やっと本来の自分に巡り合えたような気がしています。趣味もやりたいことも一つもありませんでした。でも今は、家族が過ごしやすい環境を整えつつ、一人の時間に緑の中を散歩したり、元気になってほしい人に手紙を書いたり、ベンチに座って本を読んだり、この作品のメッセージはなんだろうと思いながら映画を観たり。「ああ、私ってこんなことが好きだったんだ」と思うたびに、生きる意味を少しずつ見出していると感じるのです。

それでも、24時間が子どものペースだと苦しくなってしまうのは避けられない感情です。決して「自分のペースがいい」と思ってしまうことに罪悪感を抱くことがありませんように。ただ「子どものペースもいい」と思える時間が増えていくようなあり方を見つけるのも、幸せな生き方だと私は思っています。もちろん、限られたひとりの時間を慈しむことも忘れないように。

そして、それが子どもじゃなくても。この人といれば、この人と繋がれば、なんだか健やかでいられる、優しくなれる、自分を好きでいられる…そんなあなたを輝かせる人とを見つけてほしいと願っております。きっと、あなたの身近にいるはずです。ほんの少し、アンテナを立てて過ごしてみてくださいね。


※このマガジンは、個人が特定されないように書こうと留意しています。でも、朝日さんは「別に自分だと気づかれても構わない。それよりも、同じ病気の人を救えるのならという思いが優先する」とのこと。関係者の方は、そっと見守ってくださると幸いです。


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