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【eスポーツ×教育】現役国立大生が語る、保護者が今知るべき「子供とゲーム」への向き合い方 (OWLS fumisuke)

こんにちは!筑波大学OWLSのfumisukeです!
私は今までゲームを全力で楽しみながら育ってきました。
その姿勢を貫いた結果、こうして筑波大学に合格し、OWLSの選手として日々活動しています。

今回、自分のゲーム経験や教職課程を受講中の知識などを踏まえながら、保護者のゲームとの向き合い方や子供目線の考えなどをお伝えできればと思います。

※一個人の意見として読んでいただけると幸いです

◆経験から語る「勉強とゲームの両立」

・ゲームとの出会い~受験前まで

私には10歳上の兄と8歳上の姉がいます。彼らが楽しそうにポケットモンスター ルビー/サファイアをしているのを横で眺めていたのがゲームとの最初出会いです。

ポケットモンスター ルビー/サファイア

その後、父親の影響で無料fpsブームが我が家にやってきました。皆さんご存じか分かりませんが、「Special force」というゲームです。
この時私はまだ小学校低学年だったので、操作も覚束ないまま、ただひたすらに銃を乱射する父親及び兄弟の姿を真横で眺めていました。

それが、私の人生を大きく変えることになったfpsとの出会いです。

ここで、ポケモンとfpsの大きな違いについて言及すると、ポケモンは基本的には自分だけが意思を持っている世界の中で物語が進んでいきます。
主人公として世界に没入し、ただひたすらに未知のポケモンを追い求める、それがポケモンの面白さだと私は思っています。

しかし、fpsでは基本的に画面の向こうには同じ人間がいます。
つまり、同じ世界の中に複数の意思が混在するのです。
何が言いたいかというと、fpsには「ふしぎなあめ」、つまり成長への抜け道は存在しないということです。

※ふしぎなあめ
効果:ポケモンのレベルを1上げる。戦闘中は使用できない。使用すると消費される。

ポケモンwikiより

相手との撃ち合いや読みあいのなかで得たヒントを自分なりにかみ砕き、ただひたすらに試行錯誤する以外に、己の力のみで上達する道はないのです。

私の話に戻します。
中学生になった私は、親にipadを買ってもらいました。恐らく、モンストやパズドラを楽しむ兄の姿を指をくわえて眺める私の背中に同情してくれたんだと思います。
これが、私のfpsに対する情熱を大いに育むきっかけとなります。
App Storeを眺めていると、何やら見覚えのあるイラスト、銃を持った人間のようなものが目に入りました。

モバイルfps時代の幕開けです。

中学から高校にかけて、Modern Combat, Bullet force, 荒野行動, PUBG mobile, Call of Duty mobileと、数多のスマホfps/tpsを嗜みました。

・受験期 どうやって両立をしていたのか

大学の受験期には、学校では受験勉強、家に帰ったらゲームと完全に割り切って過ごし、受験は無事合格、COD mobileでは最高ランク維持と両刀を成し遂げました。


最高ランク


ではどのように両立したのか?

今後ゲームを家庭内で遊ぶなら必ず生じるこの疑問ですが。
私なりの考えを述べさせていただきます。

結論から言うと、自分の取り組むすべてのことに全力を尽くすことです。

かつての私の高校生の時の日常を例に説明します。
私は小中高と野球に取り組んでいたので、部活をしていてもゲームをすることに何も問題ないとはっきり言っておきます。

  1. 朝早く起きて電車に乗り、朝練へと向かいます。ここで、朝練で全力を尽くそうと思えば、必然的に早寝早起きの生活リズムが整います。

  2. 授業も全力で取り組みます。そうすると疲れるので、休み時間は疲れるようなことはせず全力でリフレッシュします。

  3. あっという間に放課後になり、練習時間がやってきます。私は公立高校に通っていたので、グラウンドが広いわけでもなく、ナイターも完備されていなかったので、練習時間は短かったですが、上手くなりたかったのに加えて、仲間と共に勝ちたかったので全力で取り組みます。

  4. 電車に乗って最寄駅から帰宅し帰って夕飯を食べ、課題があったらその後全力で終わらせます。

  5. 友人と時間調整をし21時~22時くらいから待ちわびたゲームがスタートします。次の日も朝練があるので、タイムリミットは24時くらいまでです。その限られた時間で、全力で楽しみます。

この生活で忘れてはいけないのは、何度も強調しましたがすべてに「全力」であることです。

物事に優先順位を付けてしまうと、どれかがおざなりになってしまいます。そのしわ寄せは循環し、QOLの低下につながります。
こうして全力を尽くした結果

  • 野球は弱小高ながらも県大会で3回戦まで進む

  • 筑波大学に合格

  • COD mobileで最高ランクを維持

を成し遂げました。

私はピッチャーではありませんでしたが、大谷翔平も驚く三刀流だったのではないかと思います。




◆保護者はどのように子供の「ゲーム体験」と「勉強」を成り立たせていくのか

保護者はどのように子供とゲームを関わらせていけばよいのか
良くありがちなのは、
「親がゲームをやめられない子どもに手を焼く」というケースです。

これは
①親世代のゲームに対する理解の浅さ
②ゲームを楽しむ自分を制御できない子ども
という要因が半々だと私は考えています。

①については
人間は、未知なものを基本的に避ける傾向があるので、特に親世代にとってはゲームという「未知」なものは、特に自分の子どもから遠ざけたいという心理が働くのは仕方のないことです。

私の場合、父親がゲーム好きだったのも相まって、ゲームをすることにとやかく言われなかったのが大きかったのかなと思います。

②については
子供は好奇心の塊であることを理解する必要があります。
子供は新しいものにはどんどん食いつきます。そういった時期に新しいゲームが発売され、テレビCMが流れたら、その子の頭の中にはすでに新鮮な刺激が刻み込まれています。

そうして得た新しい遊びに対し、当然子どもはのめりこみます。
これを制御するのは、正直言って難しいです。

・ありがちな事例から考える、保護者がするべき「制御」の最善な方法とは

ありがちな事例①:ゲームは一日何時間までという制限を設けて、それを守れない子どもを叱る

これは正直言って悪循環になります。
私が意識的にしていたのは、ゲームを始める前に必ず”区切り”を考えておくことです。つまり、時間ではなくゲーム内の「進歩の具合」で決めます。

例えば「今日はこのジムを制覇したら終わり」や、「今日は3回勝ったら終わり」のように、自分で決めた目標をクリアして得た達成感が、ゲームをすんなりとやめるきっかけとなります。
これには保護者側のゲームのある程度の理解が必要です。
「ジムって?」「何をすれば勝ち?」かを理解していないといけません。

ありがちな事例②:「宿題や課題を終わらせたらゲームを好きなだけやっていい」というゲームを目的に置いたご褒美方式

私はあまり推奨しません。勉強とゲームどちらも全力で取り組んでこそ意味があると思っているので、ゲームをやるために課題をさっさと終わらせるというその行動は、課題の自己目的化につながり、その学習体験の効果が著しく低下します。

・自分の経験から語る、ゲームを全力でやる利点

私はどうしていたかというと、常に友人と通話しながらゲームをしていました。そうすると、これ以上ゲームしているとまずいというのが友人の間で共通認識となり、超えてはいけないラインを見定められるようになっていきます。

また、友人と話しながらゲームをすることの良い点はもう1つあります。
コミュニケーション能力の向上です。
ゲームを本気で取り組むと、その人の性格が完全に露出します。ゲームを通して得た対話の経験は、相手が不快に感じるようなコミュニケーションの手法の排除につながります。また、色々な人とコミュニケーションをすることによって、様々な性格のタイプと上手く付き合っていけるようになります。

様々な人と一緒にゲームをして仲良くなっていく技術は、いずれ日常会話においても役に立つと私が保証します。

「勉強」を抜きにして、子供目線においてのゲームとの理想の向き合い方をまとめます。

まず、常に「考えている状態」であること
ゲームをどう楽しむか、なんで楽しく遊べているのか、もっと楽しくするにはどうするかを常に考えながら、節度を守って全力で遊ぶことが重要です。

その結果として
ゲームを通じて友達ともっと仲良くなりつつ、友達と一緒に上達し、自分のプレイに自信を持てるようにすることにつながります。

・子どもが主体的に取り組むためには

一応私は大学で教職課程を取っており、将来的にはe-sportsにおける家庭教師のような役割を果たしたいと思っております。

この項目では、私の経験や教職課程の履修で学んだことをもとに、どうしたら子どもが主体的に物事に取り組むようになるかを考えていきます。

最も重要なことは、子どもが成し遂げたすべてのことを、評価してあげることです。

物事に自発的に取り組むためにはモチベーションが無ければいけませんが、そのモチベーションはどうあがいても自分以外が生み出せるものではありません、そこで私は、自己肯定感の向上がモチベーションの形成に深くかかわっているのではないかと考えています。

これは私の経験上の話ですが、私の両親は事あるごとに私を褒めてくれました。また、テストでよい点を取ったり、野球で活躍したりすると必ずご褒美を与えてくれました。
先ほどのご褒美と違うのは目的が「ゲームをすること」になっていない点です。

一見シンプルな手法ですが、成功体験を正の感情と結びつけるこの過程が、子どもを主体的に物事に取り組むようにするためには必要不可欠であると私は思います。

これは、勉強や部活動だけでなく、ゲームでもするべきです。
何が言いたいかというと、子どもが取り組んでいるすべてのことに親も歩み寄り、例え凄さが分からなくとも、その取り組みを評価することが求められるということです。

表現としては不適切ではありますが、馬の目前に人参を吊るすと速く走るように、人間がヒト科の動物である以上エサを用意することが重要です。
そのエサがなんであれ、子どもにとってプラスとなるものが用意できていれば、主体的に物事に取り組むようになってくれるでしょう。

また、近年では授業の仕方も変化しつつあります。私たちが受けてきたような、先生の板書をノートに写すだけの授業は、「良くない授業」として捉えられています。
聞いたことがあるかもしれませんが、「アクティブラーニング」が現代では主流です。
これは、生徒が問題解決に主体的に取り組むように設計された授業であり、先生と生徒全員が一体となって問題解決の方法を考えるという、受け身でいてはいけない授業となっています。

このように、「子どもの発達に大きな影響を及ぼす場所」としての学校側もかなり工夫しているようなので、家庭内でも工夫があるとより効果的なのは間違いないでしょう。
環境が変われば、人間は変わります。是非、子どもたちの周りの環境をより良いものにしていってあげてください。

◆e-sportsの魅力

ここで、部活動や体育で取り組むようなスポーツではなく、e-sportsの魅力について手短に語っていきたいと思います。
詳しくは、Vチャンネルいばらきさんの動画をご覧ください。

私が一番強調したいのは、身体的疲労を伴わずに楽しめるという点です。
例え体が疲れていようが寝起きだろうが、どんな状態であれ遊ぶ媒体とソフトやアプリさえあれば、いつでも遊ぶことができ、尚且つ遊び方も様々にあるというのが最大の魅力だと思います。

また、近年発達してきている競技シーンでは、e-sportsに身命を賭して来た者たちの魂のぶつかり合いを見ることが出来ます。もし興味のある方は、日本の誇る、そして私が大ファンであるZETA DIVISIONのシンデレラストーリーを一度見てください。ゲームに対する認識が変わると思います。

また、やるだけでなく観るのも楽しいという点は、他のスポーツと変わらない魅力だと思います。ただ、他のスポーツであれば基本的にはプロシーンしか放送されませんが、ゲームの配信はYouTubeやTwitchで無数にあふれており、どのレベルを見るか、誰を見るかを選ぶことが出来ます。

例えば、自分が今いるランクより高い配信を見れば、どうしてその人のランクが高いのかを見て感じることができ、気になったことがあったらコメントを送れば、返してくれるかもしれません。選手と観客の関係ではなく、配信者と視聴者の関係でしか得られない経験が無数に転がっています。

この、ファンと選手の距離の近さもまた大きな魅力だと思います。現実のスポーツで考えるとあり得ない話ですが、もしかしたら、ゲームをやっていると、ふと応援している選手と同じ試合に参加できるかもしれません。

全力で取り組めば、そのチャンスはいずれ来ると思います。



◆終わりに~ゲームが私に何を与えてくれたか~

ここまで読んでくれた方、大変ありがとうございます。
最後に、ゲームが私に何を与えてくれたかについて、参考になるかは分かりませんが述べていきます。

まずは、めげない心です。
これに関しては、野球と並行して培ったものではありますが、なんで勝てなかったのかを分析し、自分の短所を理解し克服する姿勢が育まれます。

そして、他人を思いやることです。
これは、ゲームにもよりますが、私のやっているゲームは5対5なので、自分だけの力では試合は成り立ちません。同じ試合に参加している仲間には感謝しながらプレイし、試合が終わったら相手にも感謝するという、仲間と相手がいて初めて試合が成り立つ競技において重要なことを理解できます。

最後に、友人です。
普通に生活していては絶対に知り合えなかったであろう人間と、同じゲームを通して親睦を深め、仲良くなるという経験は、いずれかけがえのない財産となってくれるでしょう。

皆さんのゲーム体験及び皆さんのお子さまのゲーム体験
さらには人生がより豊かになることを心から願います。


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