アー写_

地方大学生が、都内のITベンチャーでインターンして学んだこと


以前、質問箱でこのような質問を頂いた。

Twitter上でも回答したように、「インターン」と一言で言っても、

・長期インターン、短期インターン、1DAYインターンのどれなのか
・大企業なのか、数十人規模のベンチャーなのか、10人以下のスタートアップなのか
・どの職種なのか、どんなメンターや上司がつくのか、どれくらいの裁量権が貰えるのか
・そもそも何を目的にインターンをするのか

..などなど変数が多すぎて、一概にこれがメリットです!ということは難しい。

しかしながら、

「人によって答えは変わると思います」

で切り捨てるのもなんだか不親切な気がするので、私個人の経験と学びから言えることを、振り返りの意味も込めて綴っていこうと思う。

・これからインターンをしようか考えている学生
・webサービスに興味がある人
・ベンチャー企業に興味がある人
・最近のつっきーが何してるかを知りたい人
・質問箱を使ってくれている人

には参考になったり、面白い内容になっているかと思う。

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簡単に自己紹介をすると、

名前: 築舘崇文(つきだてたかふみ)
年齢: 20歳(2019年4月現在)
大学:千葉大学国際教養学部(4月から休学)
住まい:千葉

つっきー@質問箱インターン

でTwitterもやっている。

昨年の11月から株式会社ジラフの質問箱というサービスを運営するチームに、webディレクターとしてジョインすることとなった。


採用の流れとしては、

社長の麻生さんがTwitterでインターン生を募集
→それを見た瞬間にDM、スムーズに面接の日程が決まる
→面接したその日に採用が決定

という感じ。

Twitter採用でも話題になっているジラフだが、私もその一員だった。


私が質問箱のインターンに応募した理由は、

・質問箱をユーザーとしても使っており、大好きなプロダクトだったから
・webサービスの運営に携わりたかったから
・麻生さんのツイートを見て、何となく、今だなと感じたから

の主に3つ。

本来であれば、インターンにしろ就活にしろ

「インターン(就職)を通じて、××までに○○という目標を達成できるようになります!」

というように、目的と手段がハッキリしていて、更に期限も決まっていることがベストだと思う。

しかし、この時の私はそこまで明確な目的意識はなかった。

それでも、

「質問箱というプロダクトが好き」

という気持ちだけは間違いなく持っていた。

質問箱がリリースされた時から知っていたし、質問箱が出る前に利用していた類似サービスのSarahahについては、ユーザー体験をわざわざブログに残すくらい愛用していた。
(その後Sarahahから質問箱に乗り換えた)


小学生の頃から匿名掲示板で友達を作っていたこともあり、匿名という性質を持つwebサービスが好きだったのと、その中でもユーザー数が多い質問箱は大きな可能性を秘めたプロダクトだとこの時から感じていた。

その熱量があったから、経験や知識に乏しい私をジラフは採用してくれたのかな、と今は思っている。

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インターンでやったこと


・SQLを必死に覚える
11月からインターンが始まり、初出勤の日にPO(プロダクトオーナー)に言われたことが

SQLを書けるようになって下さい!

ということだった。

SQLとはプログラミング言語の1つで、データベースから欲しいデータを取ってくるために必要なものである。


この時は、

「SQL?何それ美味しいの?」

くらいで右も左も分からない状態だったが、SQLが出来ないことには仕事が1mmも進まないことだけは分かったので、急いで勉強を始めた。

エンジニアの友達に泣きついたり



progateに課金して1日中進めたり

後はもう現場でエラー&ググる&質問を繰り返して、少しずつ覚えていった。

progateは以前から趣味でやっていたが、3か月かけてレベル20くらいにしかならなかった(流石にこれは遅いw)のに、SQLの勉強を始めて2日でレベル40を超えた。

人は必要に迫られない限り必死で勉強しない、という良い事例だと思う。

今ではレベル100を突破し、SQL以外の言語も色々と手を出している。

・社内報に載せて頂く

広報の内村さん(@kayoushi_job)さんに素敵な記事を作って頂いた。嬉しい!

11月は週2でしか行けず、業務時間内のほとんどはSQLと格闘して終わっていた。

12月からは週4の勤務となり、

・A/Bテスト
・分析業務
・動画作成

などなど、色々な業務を振ってもらえるようになった。

業務に必要なツールは初めて触るものだったので、とにかくググる&質問していく中で使い方を覚えていった。

この時は分からないものを自分で考えすぎてしまう傾向にあり、時間をムダにしていたなーと思う。

1時間考えても分からなかったものが聞いたら30秒で解決する、ということは割とよくあるので、詰まった時はサクッと聞いた方がいい。

もちろん自分でググったり過去のログすら遡らずに質問ぶん投げるのは失礼極まりないので、そこのバランス感覚は大事である。


・アー写撮影

質問箱Tシャツ、パーカーを着ての写真撮影に参加させて頂いた。

入社して1ヶ月の学生インターンが社長の横で偉そうに突っ立っている写真、けっこうお気に入りなのでTwitterのヘッダーとアイコンにしている。

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12月に入り少しずつやれることが増えてきたとはいえ、頂いている報酬に見合うバリューを出せている実感が1mmもなく、この時はひたすらにフラストレーションを抱えていた。

私は何かにお金と時間を使う時、

「それ(大学、セミナー、勉強会などなど)に投資する価値はあるのか?」

と考えることが習慣化している。

自分のお金と時間を投資する以上、それに見合うリターン・価値を見出せないと嫌な性質なのだ。

そんな私が、頂いている報酬に見合う価値を会社に提供出来ていない。

自分が嫌だったものに自分がなっている感覚が、たまらなく不快だった。

そうは言っても、だったら価値を提供できる人間になるしかないし、そのためには目の前の仕事を1つずつやり切るしかない。

焦る気持ちと、焦ったところで仕事が急に出来るようになるわけもないという達観と、絶対にバリュー出せるようになるぞという意気込みと、、、

入り混じる感情を、うまくコントロールするように努めていた。

・1~2月


1~2月はこちらのnoteにも書いたので重なる部分もあるが、一つ言えることとしては、自分の力のなさを痛感した、ということだ。

力という言葉の解像度が低いので、言い換えると

「仕事の進め方」

が根本から分かっていなかった。

例えば、ある施策の分析業務をするにしても、

①そもそも、ゴールはどこなのか
 ・つまりその分析業務で求められていることは何か
 ・QCD(品質・価格・納期)含めて

②分析する機能、施策は
 ・どんな機能なのか
 ・どんな効果があるのか
 ・どんな状態にあるのか
 ・その上でどういう効果の上昇ないし追加を期待しているのか
  -この期待と現状の乖離が解決すべき課題である

③課題を解決しうる分析の切り口は何か
 ・課題と、その原因
 ・ソリューションを作る上での制約事項は何か
  -工数はどれくらいか、チームの限りあるリソースをどれくらい充てられるのか
 ・その解決策は新しい発見、新しい提案なのか

という流れで進めていかなければならない。

しかし私は、

①そもそも、ゴールはどこなのか

の確認もせずとりあえずデータを取ってきて、スプレにまとめて出すだけ、みたいな仕事の仕方をしていた。

こうやってゴールを明確にせず仕事をすると

「そもそもこれは、何のためにしていた仕事なんですか?このデータはどういう目的で取ったんですか?」

と聞かれた時に返答に窮することになる。

その上、

・資料が見にくい
・項目に抜け漏れがある(MECEを使えていない)
・そもそも取り出したデータが欲しいものとは違う、もしくはデータが足りない

等々、ビジネススキルとして必須なロジカルシンキングも全く使えていない酷い有様だった。

これは自分で勉強しないといつまで経ってもお荷物のままだなと思ったので、おススメされた本、業務で役に立ちそうな本を片っ端から読破していった。

サービスを運営する上でボトルネックの概念を学ぶために、


解決策を生み出す思考プロセスの使い方を学ぶために、

ロジカルシンキングの基礎を抑えるために、

本質的なイシューを発見し、正しいソリューションを取るために、

などなど、月に10冊ペースで役立ちそうな本をインプット&業務で実践していった。

「イシューからはじめよ」はめちゃくちゃ良い本だったので、新入社員の課題図書なんかにしたら良いんじゃなかろうか。

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余談だが、「考え方・思考のフレームワーク」の勉強は学生期間にしておくべきだと強く思う。

特に、「ロジカルシンキング」は社会に出る前に全員が使いこなせるようになるべきだ。

何か物事を進める上で、一切のトラブルがなく無事に終わる、なんてことはほぼないに等しい。

何か問題があった場合に、

・何が課題なのか、
・原因はどこにあるのか
・適切なソリューションはどう導き出すのか

などを正しく解いていかなければならない。

その際に武器になるのが、思考のフレームワークである。

基本的なものでいうと、5W1HやPDCAサイクルなどが挙げられる。


あとはロジックツリーとか。

このような思考のフレームワークは頭の良しあしに関係なく学んで実践すれば身につくし、課題を解決していく上で強力な武器となる。

逆に言うと、身につけている人とそうでない人ではコミュニケーション能力から差が生まれるし、仕事の質も比較にならない程変わってくる。

自分が感情型か論理型かなどは関係なくて、エクセルやワードを使えるのと同じように、ロジカルシンキングや思考のフレームワークは訓練して身につけるべきツールだと感じた。

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・自分が作った仕様がリリースされた時の感動

自分がGoogleスライドで設計した拙いワイヤーフレームが、デザイナーさんによって綺麗なモックアップに形を変え、それをエンジニアさんが実装することでユーザーの元に届くことに、強い感動を覚えた。

だって自分が考えた仕様が、何百万人が使うサービスに反映されてるんだよ!?自分のスマホにも反映されてるし!!これって凄くない!?!?


当たり前といえば当たり前の話だが、私にとっては初めての経験だったし、私の拙いワイヤーフレームを綺麗に整えて世に送り出してくれたデザイナーさんとエンジニアさんへのリスペクトが大きく高まった瞬間でもあった。

私も自分の手でプロダクトを作るスキルを身につけたいなあという思いから、休日はプログラミングの勉強を始めたりもした。

インターンではディレクターとしてwebサービスをどう運営していくを学び、休日はwebサービスをどう開発していくのかの勉強。

両方に通ずる部分ももちろんあり、どんどんのめりこんでいった。


3月


3月はとにかくABテストを作って回したり、SQLでデータ引っ張ってまとめたり、と日々過ごしていた。

入社当初に比べたら大分SQLが書けるようになり、データベースの構造もすこーしだけ理解できるようになった。

ここで思うのは、非エンジニアでもSQLは書けるようになった方がいいよね、ということである。

例えば分析業務を進めていく上で、

「〇月〇日に登録して質問を1回でもしてるユーザーは何人いるか」

というような、Googleアナリティクスでは取れないようなデータが欲しい時もある。

そういう時にいちいちエンジニアさんに

「このデータ下さい!」

というのは余計な工数がかかるし、エンジニアさんの時間を頂くのも申し訳ない。

もちろん複雑なクエリはお願いするしかないが、基本的なデータを取ってくるのはそう難しくはないし、ディレクターが取れるようになった方がよりチームとしての生産性も高まると思う。

progateか何かで10時間くらいやれば最低限の基礎は抑えられるし、後は自社のデータベースを触りながら徐々に覚えていくといいのではなかろうか。


・アプリのリリース
質問箱のアプリをリニューアルしてリリースした。

私は最後の方にデバッグでちょろっと携わっただけだったが、それでも自分が関わったアプリが使いやすく生まれ変わった姿で世に送り出されるのは本当に嬉しかったし、こみ上げてくる思いがあった。

こういうのが、サービス作りの醍醐味だよなぁ。

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業務内容の振り返りはこんな感じで以上になるが、これからの目標を語る前に、ジラフという会社に対する印象をサクッとまとめようと思う。

・フレキシブルな勤務
リモートOK、11時出社OK、有給の義務化。

そこらの大企業よりよっぽどホワイトだし柔軟なのでは。

・スピード感
会社も6期目に入り、まさに今、急成長しているところである。

質問箱チームもどんどん人数が増えており、会社もプロダクトも成長フェーズにいる。

いつも同じルーチンワークしかやらないなんてことは一切ないし、新機能の開発やABテストをグルグル回していくスピード感が刺激的で面白い。

・人に恵まれた
企業に勤める上で最大のリスクは、上司を選べないことだと私は思う。

嫌な上司の下で嫌な仕事をすることになると、働くこと自体が苦痛になり成長も出来ず、けっこうなハードモードになる。

そういった意味では、私は本当に恵まれた

私の上司は、インターン生だからと言って私をちやほやすることもむげにすることもせず、いつも的確で丁寧なフィードバックをして下さった。

フィードバックの質がとんでもなく高いだけでなく、言い方や表現も柔らかだったおかげで、萎縮せずに伸び伸びと仕事に取り組むことが出来たんだと思う。

また、常に

「ゴールは何ですか?正しく課題設定が出来ていますか?」

と問いかけてもらっていたのも本当にありがたいことだった。

前述した「イシューからはじめよ」には

問題はまず「解く」ものだと考えがちだが、まずすべきは本当に解くべき問題、すなわちイシューを「見極める」ことだ。
「これは何に答えを出すためのものなのか」というイシューを明確にしてから問題に取り組まなければあとから必ず混乱が発生し、目的意識がブレて多くのムダが発生する。

という記述がある。

これは本当にその通りなのだが、じゃあ本を読むだけで正しい課題を設定出来るのかと言ったら難しく、これを踏まえた上で実践して身につけていくしかない。

そういった意味で、これを仕事中に何度も指摘して下さったのは本当にありがたいことだったし、そのおかげである程度の素養は身についたかと思う。もちろん、まだまだ修行の身ではあるのだが!


私に部下が出来た時、同じような指導が出来るかなあ。出来るようになりたいなあ。


エンジニアの方々も、技術的な面で分からないことをslackで聞くと常に即レス&難しい場合はデスクまで来て教えてくれるという、本当に神対応だった。

今月の社内報にも、社員インタビューで

「空中分解せずにここまでの規模になるのは実は凄い」

と答えている社員さんがいたが、これがきっとジラフのカルチャーであり、会社全体が大切にしてきたものなんだと思う。


個人的な話になるが、今まで私が働いてきたアルバイトやインターンでは、人間関係でのストレスを感じることが多々あったし、それが原因で職場を辞めることも少なくなかった。

そんな私が辞めるどころか、入社してから1度たりとも人間関係のストレスを感じたことがないのは本当に凄いことだし、恵まれた以外の言葉が出てこない。

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これから


上記のように、私は質問箱というプロダクトが元々好きで、webサービスの運営にも興味があり、それが出来るディレクターという立場で自由にやらせて貰い、かつ人間関係にも恵まれている。

これ以上ない環境だ。

これ以上ない環境だからこそ、ここから更に視座を上げていかないといけない。

NewsPicks CTOの杉浦さんはこう言っている。

110%で急激な成長といえますか?
僕らが大企業なら110%成長でも大きな成長かもしれません。
しかし、スタートアップの110%成長は死を意味します。
スタートアップには、スタートアップが目指すべき成長速度があります。


「私は環境に恵まれてる!自由にやらせて貰えてる!あいむはっぴー!」

で止まっていたら、これからの成長度合いなんてたかが知れている。

恵まれている環境にいさせてもらってるからこそ、もっともっと貪欲にもぎとっていかないといけない。

なぜなら、110%程度の成長は死を意味するからだ。

2030年のスタンダードをつくるジラフが目指すべき成長速度はそんなもんじゃないし、私個人が目指す成長速度もそんなもんじゃない。200%、300%になっていかないとダメなのだ。


今までは、とにかく与えられた仕事をやり切ることに集中していた。

目の前のタスクすら満足に出来ていないのに、あれもこれもやりたいと言ってても仕方ないと思っていたから。

でもそれじゃあ、

「いつになったら目の前の仕事が出来るようになるの?」

という話だし、私たちはこれからゴリゴリ成長していくベンチャー企業に身を置いているのだから、もっともっと目線を先に、上に持っていくべきだ。

不完全ながらもなんとかやり切って、出来そうにないことも必死にキャッチアップして、それを高速で繰り返しながら前に進んでいく。それこそがベンチャー企業の醍醐味だし、私の性にも合っていると思う。

これからはアサインされたタスクをやり切るのは前提の上で、常に

課題は何か、サービスの成長ドライバはどこにあるのか、質問箱を使うユーザーがもっとハッピーになるには何が必要なのか、その他無限に考えるべきことをひたすらに考え抜いて、実行する。

そのために自分に足りないものは勉強して、キャッチアップして、その過程で個人としても成長していく。

これを毎日積み上げていくしかないのだと思う。


同級生が4月から大学3年生となる中、私は休学という形で大学から離れ、ジラフに身を置くこととなる。

4月からの行動が、私のこれからを大きく左右することになるだろう。

気負いすぎず、チリチリと闘志を燃やし続け、視座を高く保ち、淡々とやるべきことを積み上げていく。

そうやって、1日1日成長し続けていきたいと思う。


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少しポエム寄りになってしまったが、インターンの振り返りとこれからの意気込みとしては、こんな感じだ。

冒頭にあった

「インターンのメリットは何ですか?」

という質問に、一言では答えられない理由がこれで分かって頂けたかな、と思う。

状況が変わればメリットデメリットも変わるし、全ての人に共通する正解なんて存在しない。

だから私たちは、自分にとっての正解は何なのかを探し続けないといけないし、自分が下した決断を正解に出来るかどうかも、その後の行動にかかってくる。

「休学して質問箱でインターンをする」

という決断を正解にするためにも、新元号が発表されて機運が高まるこの4月から、気合入れてやっていくぞー!と私は思うのである。


がんばるぞ!






noteの感想、質問、何でも待ってます!!!






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