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映画『凪待ち』

人生につまずいた人を香取慎吾が演じます。「凶悪」「彼女がその名を知らない鳥たち」「孤狼の血」の白石和彌監督作品。2019年製作。

ストーリー

木野本郁男(香取慎吾)はギャンブルから足を洗い、恋人である亜弓(西田尚美)と亜弓の娘・美波(恒松祐里)の三人で亜弓の故郷である石巻に移り住む。同居する亜弓の父は末期がんに侵されているが、まだ漁師を続けており、近所に住む小野寺(リリー・フランキー)が何かと気をかけている。
新しい仕事も紹介してもらい、なんとかやっていこうとする郁男だが、そこでもギャンブルを止めることはできなかった。そんなある夜、郁男と亜弓は口論になり、郁男は亜弓を車から降ろしてしまう。その後、亜弓は何者かに殺害され遺体となって発見される、、、、

郁男は恋人を失った悲しみの中、警察には犯人扱いをされ、職場ではお金をくすねた疑惑まで掛けられます。

よれよれの香取慎吾演じる郁男が、ノミ屋での競輪を止められない様が怖い。

亜弓の父が漁船を売り払って作ったお金で、郁男はギャンブルの借金を返すことができるのですが、その残金までも、すべて競輪につぎ込んでしまいます。

「3-6」が来るようにと必死で画面をみつめる郁男。このシーンは非常にドキドキします。

恐ろしくて見てはいけない物を見たような、嫌な緊張感です。

白石監督は、人間の弱い面、醜い面をどの作品でも描いていて、私はこの嫌な緊張感が好きです。

亜弓の父は、最後まで郁男を見捨てません。父自身、前科があり苦しい過去があった事を郁男には話していました。

絶望感だけではなく、小さいけど光も見える作品です。










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