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読んで良かったエッセイ。やっぱり世の中ってそんなに甘くなくでも魅力のあるものだよね。

マイ800字コラムより

ブレイディみかこ・「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」
                    2022/04/26
 どこで、この本の紹介されたのか覚えていないが、
図書館に行ったらこの本を借りようとメモしていた。
どんな内容なのかは全然知らなかった。
なぜこの本をメモしたのか、本を手にするきっかけは
いつも第六感的な出会いだ。


https://m.media-amazon.com/images/I/51P6-H57JSL.jpg

イギリスに住んでいるブレイディみかこさんと
イギリス人の夫。息子の子育てエッセイだが、
イギリスの社会、教育、文化がよく分かる。
それだけではなく、人が人として生きていく「問い」が
満載である。ほんわかしたエッセイではなく、
とてもロジカルで、具体的な出来事を通して息子や
みかこさんが考える「答え」のようなものを読者に
投げかけてくる。だからこちらもそのボールを受け止め
「問い」を考える。


中学生の息子は、学校や社会でいかにすれば人がより良く
暮らしていけるのかにぶつかる。
政治や社会、差別の問題などを自分なりの答えをだし、
ベターな方法を実践していく。
その過程において、いろんなおとな達の考えにふれ、
深めていくところが素晴らしいと思うのだ。

子どもはどんどん吸収する。そして考える。
子どもは親だけで育てるものではない。
学校、友人、地域、社会、マスコミなどの中で育っていく。

イギリスの階級社会は日本以上だから思考が成長する
のかもしれない。日本社会において、子どもたちは
このブレイディ家の息子のように考える機会を
与えられているだろうか。
塾の子どもたちを見て自分の意見を話すこと、
自分の頭で考えること、いろんなことに興味を持つことが、
本当に足りないといつも感じていた。

イギリスの中学の市民教育の目的として
「政治や社会の問題を批判的に探求し、エビデンスを
見極めディベートし根拠ある主張を行うためのスキルと
知識を生徒たちに授ける授業でなくてはならない」
とされている。

「僕はイエローでホワイトでちょっとブルー」より

日本でもそんな授業してほしいなあ。

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