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めぐりあい(ネタバレ注意)

おオススメ度⭐️⭐️⭐️(5つ星中3つ) ※ただし、恋愛ものNGの方は退屈だと思います。

1939年製作。リメークじゃない白黒の方の作品です。

【あらすじ】互いに婚約中の男女が客船での旅行で惹かれ合い、半年後に互いの夢を叶え結婚をしようと約束する。しかし、再会目前に交通事故が起き、すれ違う男女の心情や生き様を描く。

まず最初に思ったのが、俳優のシャルル・ボワイエがゴーンにそっくりと言うこと笑 あの時代のイケメンなのかもしれませんが、ゴーンにしか見えない。プレイボーイという設定ですが、とにかくゴーンです。(ファンの人、まだシャルルさんの深みを分からぬ者です、ご容赦下さい)

昔らしい王道ラブコメで多少だれますが、二人の誤解が解かれる最後の瞬間は泣けます。(筆者の涙腺は弱め)。それと、中盤の子どもたちの合唱のシーンがありますが、子どもたちの歌声がマジで天使。オペラとかゴスメルとかあまり興奮しない筆者ですが、こればかりは感動しました。

ラブコメなので考察という考察もありませんが、当時の時代背景と関連付けてこの作品を考えてみたいと思います。

【考察】

この映画の醸し出す優雅な世界観は、当時の雰囲気ではなく、庶民が憧れた理想の世界観

映画製作の1930年代、アメリカは、世界恐慌、第二次世界大戦幕開けと経済的政治的にも暗い時代でしたが、「黄金のハリウッド時代」と表現されるように、ハリウッド映画(アメリカのハリウッド地区で製作された映画を指す)業界は全盛期。映画を観にくる人は、現実の苦しさを忘れられる娯楽として、映画を楽しんでいたそうです。映画は古き良き時代と言える昔らしい齷齪していないゆっくり流れる優雅な時の流れを感じさせます。その世界観は現代の忙しい日々を過ごす私たちにとって、うらやましいものですが、この感情は当時生きた人も同じだったのかもしれません。

男性(フィアンセ)に頼らず、夢に向かって自力する女性像を投影

主人公の女性は、フィアンセに頼らずに自分で稼ごうと奮闘します。アメリカの理想とされる女性像が、伝統的な"従順で家庭的な淑女から外で働く自立した女性像へシフトした時代の変化をこの映画は表現していると考えます。先日「おっさんずらぶ」が流行りましたが、いつの時代も映画やドラマといった娯楽文化はその時代の価値観を反映していると言えるのかもしれません。

参考:1940年代の女性のファッション

以上、今回はめぐりあいをご紹介しました。最新の映画も素晴らしいものがありますが、昔の映画はその時代の文化や価値観を知るヒントを与えてくれます。是非、お時間あれば観てみてください。