詩|夏が終われば
午後の陽射しと
柔らかな眼差しが
海面で交わって
空へと弾けていく
掬っても掬っても
指の隙間からこぼれていく
砂のような悲しみの粒々を
あなたは上手に掬ってくれた
光る砂の上で肌と肌が
遠慮がちに触れ合って
クスクスと笑いあった
同じ細胞に出会ったような
永遠のような一瞬のような
瞬きさえも惜しんで見つめ合う
お揃いの五感を研ぎ澄ませて
ふたつの魂を合わせるように
ぴったりと重なっていく
止まった時間の景色だけが
わたしの胸に焼きつけばいい
それさえも
夏が終わればぜんぶ
消えてしまうのだけど
夏が終われば / 月乃
明日も愛だけの世界が待ってる。
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