【メソッド①】きほんのアイデア会議の"時間割"~改善系ver.~
こんにちは!Hamaru StrategyのChief OTAKU Officerつっきーです。
こちらのマガジン「うちっぱなし企画カイギ」では、私たちHamaru Strategyの普段のアイデア会議の様子を公開して、自分たちも意識していなかったメソッドを発見しようと試みています。
今回はその中でも、会議自体の進め方自体にフォーカスした結果
「メソッドと言えるんじゃないか?」と感じたものについてお伝えしようと思います!
それは、会議のアジェンダ、「時間割」のようなものです。
このメソッドは、新規事業と言うより、どちらかと言うと改善・リブランディングなどに向いているかもしれません。
全ての工程を書き出すとこんな感じ(↓↓)になりましたので、順番に解説していきます。
テーマを読む~読み込まない~
まずは、その日のテーマをざっくり知ることから始めます。
オープンイノベーションコンテストなら、プログラム自体のコンセプトやテーマ。
企業さんへの提案なら、その企業の概要や事業展開。
特定の市場を狙うなら、その事業範囲や市場の定義。
ここで大切なのは、わざと「流し読み」をし、ざっくり概要を把握するのに留めることです。
読み込みや業界研究に時間をかけてしまうと、相手が伝えたいことにフォーカスしすぎてしまいます。
それは自分たちの中で固定観念となり、アイデア出しを阻害する要素になってしまうのです。
それに、議論を始める前段階に時間を掛けすぎると、その後のテンポが悪くなってしまう…という実感もあります。
もちろん後で「あっ、ちょっと認識が足りなかったかも」と思うこともありますが、それは少しずつ調整していけばいい話です。
この時点での知識不足は、それほど気にすることではないと思っています。
所感を言う
私たちが大切にするのは、ざっくり把握した直後の第一印象です。
それも、かなり感情に寄ったもの。
例えば…
「うーん、ふわっとしてますね」
「お堅いイメージが拭えないな」
「なんかイケてない…暗っ…」
「上から目線だ~~!」
「こりゃ本気度が高そうですね」
みたいな。
良いイメージから悪いイメージまで、好き勝手に言い合います。
理性による"議論"にいきなり持って行ってしまうと、どうしても「答えを出す」「最大公約数的な批評をする」ところにフォーカスしがち。
一方で感情は自分の中でも言語化できていない部分が多く、全体的な印象をパッと言い表すのに適しています。
そして何より、理性より感情の方が、人によって差が出やすいもの。
だからこそ、メンバー間の多様性を活かすことにも繋がるのです。
この第一印象は、議論が深まっていない最初の段階だからこそ得られるもの。
後々効いてくるので、メモするなどして覚えておきましょう。
背景を想像する
お次は背景を想像…というか妄想する時間。
なぜこんなテーマにしたのか?
なぜこんな書き方にしたのか?
なぜこのロゴにしたのか?
なぜHPのメニューがこの順番なのか?
なぜこのタイミングなのか?
なぜこんな新商品を出したのか?
・
・
とにかく「なぜ?」と気になった部分を言い合い、それについて想像を膨らませます。
例えば…
「去年〇月に社長が交代してるね。決算期までに1つ、目新しい話題が欲しかったのかな」
「競合があんな新商品出しちゃったじゃないですか。そりゃ悔しいし、気持ちが焦りますよね」
「これ広告代理店に結構お金払ってそうだな~予算が豊富なのか」
など。
ランチや飲み会で気軽に話すような、ちょっと下世話な話題にも似ています。
ですが、相手の事情や気持ちを汲むのも大事な戦略。
この好き勝手な妄想タイムは欠かせません。
気になるところをピックアップする
そうやって好き勝手に言う中で、メンバーそれぞれのアンテナに引っ掛かる話題が出てきます。
引っ掛かることがあれば速攻、自己申告。
「なぜそれが気になったのか?」という分析とともに、メンバーに伝えます。
そこで同意し合ったり、逆に意見が異なる点を伝え合ったり。
グループの中で、金脈のありそうな話題を少しずつ選び出すのです。
「違和感」を言う
私たちが一番大切にしている、と言っても過言ではないのが「違和感」です。
事業について考えようとしている時に、現状に全く問題がない、というパターンはほぼありません。
では、自分は現状に対してどんな違和感を抱いているのか?
それを何となくにでも言葉にして、伝え合います。
ここでも重視するのが、理性より感情。
違和感の原因を理性の力で解き明かすのはメンバーに任せ、自分の中の違和感という「感情」を吐き出すのに集中します。
違和感を出し合っていると、その感情の本質がどこにあるのか、だんだんと見えてきます。
自分たちの立場を定める
ここまでは相手企業や市場にフォーカスしてきましたが、いったん自分たちの領域に立ち返ります。
「敵を知り己を知れば百選危うからず」という言葉がある通り、一旦両側の事情を知ることがビジネスにおいても有用。
(この場合、企業さんや市場は決して敵ではありませんが…笑)
「私たちは、今回どんな立場でアイデアが出せるのだろうか?」
と自問自答するのです。
人ひとりには様々な属性がついて回ります。
例えば私の場合、女性・ミレニアル世代・オタク・非アクティブ・都会住み…etc ですね。
そして召喚するカード(=属性)が違えば、出てくるアイデアも変わってくるのです。
今回はどのメンバーの、どのカードを召喚するのが有利だろうか。
色んな組み合わせを軽くシミュレーションし、一番筋が良さそうなものを選びます。
もちろん後でカードを変更することも可能ですので、この時点では気軽に選んでいきましょう。
違和感の正体を突き止める
そして話を、先ほどの「違和感」に戻します。
出し合った違和感と、選んだカードを掛け合わせ、違和感を具体化していくのです。
例えば…
違和感:競合に比べてなんか暗い。かわいくない。
カード:ミレニアル世代、土日は韓国のファッション通販を見まくる女子
という掛け合わせの場合。
「カラーがイマドキじゃないんですよね」
「暗いのと、お洒落なグレースケールを勘違いしている気が」
「友達とこれについて話しているイメージが沸かない」
「家に馴染まないなぁ…」
⇒つまりは、自分の部屋に置いておくことに満足感が生まれない!
と言う風に、違和感を様々な言葉で分解していきます。
この時、他のメンバーが離れた属性であればあるほど、議論は深まります。
自分と全く違う立場の人に何とか伝えようとして、ふさわしい言葉を一所懸命探すからです。
そして聞いているメンバー側もどうにか理解しようと努めるため、どんどん言葉が洗練されていくのです。
そうしているうちに
「この違和感、つまりはこういうこと!」
という、一つの真理に辿り着くことができます。
どうやったら違和感をなくせるか考える
違和感の真理まで辿り着いたら、アイデアを出すのは簡単。
もはやアイデアとすら言えないかもしれません。
違和感を生み出した原因と、逆のアプローチを考えていくだけです。
イマドキじゃないカラー ⇒ イマドキのカラーをリサーチ
置きたくない ⇒ 置きたくなるための要素を書き出し、優先順位付け
など。
このあたりの手法については書籍がゴマンとあるので、今回は割愛します。
ストーリーを作る
最後は整え、魅力的なものに仕上げていくこと。
そのために必要なのはストーリーです。
そのサービスを使いたくなる物語。
今までとどう違うのか、一言で言い表すコンセプト。
そういったものを作り上げていきます。
迷ったときには、第一印象を振り返ってみましょう。
それから一番離れた位置に、答えがあるはずです。
ストーリーについては、後日また詳しくお伝えできたらと思います。
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振り返ってみると、今回は改善系の会議手法に近かったので、すでに取り入れてらっしゃる方も多いかもしれません。
今度は思い切りちゃぶ台返しをするような、一発逆転系のアイデアを発想するメソッドをお伝え…できたらしたいと思います!
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