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垣根

どうせ見るなら美しい方がいいというのは誰しもが望むところだろう。ただし想像を超えていなければ心の底から美しいと思うことはできない。だから都合の良い巡り合わせは滅多にないはずだが、人間はそんな光景を作り出し、任意に欲求を満たすことができる。提示された美しさをただ眺めるために長蛇の列を成す人々とは垣根を隔て、漏れ出した光に目を細める。造られたものを見ていることには変わりないが、自分なりの見方を肯定することができれば、欲求を満たすために必要な材料は少なくて済む。もはや醜いものでも良いとさえ思える。

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