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ムダがあるからムダ取りをするのではなく、ムダがイヤだからムダ取りをする

こんにちは。企業や組織の個性を見つけ潜在力を引き出す、自動操縦経営コンサルタントで中小企業診断士・技術士(経営工学)・メンタルトレーナーの小野司です。

リーダーが現場に行かないと作業が滞るのをなくしたい、経営を自動化したいという、若手リーダー、経営者様にそのヒントをお届けしています。

先日、ある会社で、ビデオに映ったある作業員の作業を見て、社長さんが言われていました。
「あの作業のやり方にはムダがある。前にも言ったのに直らない。どうしてなんだろう」

確かに、その方は、2つのアクションでできる作業を、3つのアクションで行っていました。社長の言われるように、2アクションで行った方がムダ取りになるように感じました。

しかし、このようなことは、現場ではよく起きます。

どうしてなのでしょうか。

現場のメンバーは、ムダがあるから、ムダ取りをするのではなく、

ムダがあることがイヤだから、ムダ取りをするのです。
あるいは、ムダあって困っているからムダ取りをするのです。

つまり、メンバーは、正論(理屈)で動くのではなく、。
“イヤだから”、“困っているから”(感情)動くようになるのです。

ぽっちゃりしている人に対して、やせなさいと言っても、全員はダイエットしないものです。
ぽっちゃりしていることが、“悩み”になっているから、ダイエットするものです。

人は、理屈よりも、感情で動くものなのです。
人は、悩みや困りごとになると、動くものなのです。

ですから、ムダ取り活動の最初は、
“イヤだから”、“困っているから”という感情に響いている課題を探します。

具体的には、
会社の“仕組み”で、不便を感じていること
会社の“仕組み”で、不足を感じていること
会社の“仕組み”で、不満を感じていること
などを、メンバーにポストイットなどに、書き出してもらいます。
(詳しくは、後記の拙著p74)

メンバーは、「不」(不便、不足、不満など)を感じているものについて、
それらを解消することに興味や好奇心を持つからです。

つまり、
悩みを解消できますよ!、困りごとがなくなりますよ!
ということに対して、興味や好奇心を持ちます。

次に、
メンバーに、書き出した「不」の中から、ムダを選んでもらいます。

最初のムダ取りの課題はこのようにして決めます。

5S(整理、整頓など)活動も同じです。
作業場が散らかっているから、整理整頓をするとは限らないのです。

メンバーは、散らかっているのがイヤだから、あるいは散らかっていてイライラを感じるから、5Sをするのです。

ムダ取りや5Sなどのカイゼン活動は、
メンバーの悩みや困っていることを解消するために行うのです。

冒頭の2つアクションでできる作業を3つのアクションで行っていた作業員については、
作業上の悩みや「不」(不便、不平、不満など)を聞いてみたくなりました。

みなさまのヒントになりましたら、とてもうれしいです。

注.「不」の書き出し方については、拙著『ちっちゃな「不」の解消から始めるカイゼン活動』のp74をご参照ください。


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