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正しさより優しさが欲しい

ヒゲダンの歌の中で出てくる言葉。曲名は「SUBTITLE」。この曲が主題歌になったドラマを見ていた妻が、この歌詞を聞いた時、ものすごい共感を示していた。そして次の瞬間、僕に対して、
「あなたに足りないのは、これよ!」
と体重が乗った言葉を投げかけてきた。

僕は仕事柄か元々の性格かは分からないが、かなり物事をロジカルに考える節がある。

夫婦の問題や、妻が抱えている悩みや苦悩に対しても、いつも冷静に問題点を洗い出し、問題を解決できる案をロジカルに組み立て、提案する。

「その方法ではその場は凌げるかもしれないけれど、本質的には何も変わらないから、こうした方がいいんじゃない?」

「そういう捉え方をするのではなく、こう捉えたら前向きに感じられるんじゃない?」

常に正論で打ち返してきていた。

そして時には、なぜこの正論がわからないのか?理解できないのか?なぜ頭では理解できているのに、実行できないのか?といった風に妻を責めてしまう自分もいた。

大体夫婦で話し合うときは、「現状に嘆く妻 VS なんとか解決したい僕」の構図になり、話は平行線のままになることが多かった。

正直にいうと、悩みや問題に対して、解決に向けて考える事、行動する事の何がいけないのか、不満なのかが僕には全然理解できていなかった。

しかし、この「正しさより優しさが欲しい」という言葉が全てを教えてくれた。

別に僕が間違っていたわけでない。妻は僕の考え方や行動を否定していたわけではなかった。

妻は、現状を打破するような“正しさ”より、ただただ現状を理解してくれる“優しさ”が欲しかっただけなんだと。

まずは共感を示し、あなたのことを理解しているよ。という“優しさ”の土台が出来て、初めて解決という行動に向かって、歩みを進めることができる。“正しさ”だけを声高々といくら叫んでいても、相手には決して伝わらない。

子供の自己肯定感の話と似ているのかもしれない。安心する家(ホーム)があるからこそ、色々とチャレンジができる。失敗しても理解してくれる、応援してくれる人がいるから安心できる。

以降、この言葉は、僕の心のど真ん中に突き刺して、忘れないように心がけている。

正しいデザインより、優しさが欲しい

そして、「正しさより優しさが欲しい」の効力は、恋愛の話だけではなくて、デザインやアイディアを伝える時にも同じ事が言える。

「このデザイン良いでしょうー!?こうすればより良くなりますよー!!」
と、そのデザインがいかに論理的に組み立てらていて、なぜこのデザインになったかなどの、“正しさ”ばかりを伝えても、相手の耳には何も届かない。

相手がどこに不安を持っているのか、心の奥の目的は何か、にまずは寄り添い理解する。その上で、相手の不安を取り除く提案をする。それは時にデザインに限らない。

デザインの良さや面白さ、新しさなんてものは、二の次、三の次でも十分だ。なんだったらそんな説明すら不要なのかもしれない。自分の中だけでしっかり持ち、大切にしておけばいいだけだ。

そのくらいでないと、こちらの声は相手に届かない。結果正しいデザインすらも実現出来ない。どれだけデザインが優れていても、革新的でも採用されることはない。

そんなことを、とあるデザインコンペで改めて痛感させらた。

「正しいデザインより、優しさが欲しい。」

プライベートでの妻との関係では、十分に理解していたはずのこの言葉が、仕事になるとつい忘れてしまっていた。

心のど真ん中に刺したはずなのに、それでも足らなかった。周りの人を幸せにするためには、あと100本くらい刺しておくくらいがちょうどいいのかもしれない。

もっと優しい建築家になりたい。そんなお話でした。


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