10年前の自分へ
10年前の僕は死にものぐるいで働いていた。家に着くのは深夜12時過ぎ、徹夜もめずらしくなく、週末もよく働いていた。深夜にコンビニ弁当を食べて寝て、毎朝顔はパンパンにむくんでいた。ひどい生活だった。今の自分からしたら考えられない感覚だが、人生そういう時期も必要なのかもしれない。むしろそこを乗り越えたからこそ、今の自分の価値観が生まれているのだと思う。
当時の僕はKlein Dytham architectureに所属し、代官山蔦屋書店のプロジェクトで主に内装デザインを担当していた。まあそれはそれは大変だった。実務経験も2~3年目の人が担当する範囲を大きく超えていた気がする。
毎週のように社長プレゼンがあり、毎回1/20の模型を持っていったりもしていた。デザイン検討し、模型を作り、図面を描く、そして変更。の無限ループだった。
もちろんクライアントにとっても初めてのことで、社運を賭けた大きなプロジェクトだったから、みんなが必死だった。そこには通常の設計・デザイン業務の流れは存在しなかった。変更に次ぐ変更。関わる人も日に日に増え、担当者の思いも変化していく。その度にデザイン、設計が変更されていく。リサーチ→企画→デザイン→検証→修正を繰り返した。
でもこれまでにないものを作るということ、社会にとって新しい価値を提案するということは、そういうことなんだと思う。これまで通りのやり方でスムーズにやっていたら、既にあるものしか生まれないのかもしれない。
そして、それは一人の人間の膨大な熱量によって動き出し、その熱量が人から人へ伝播していき、下っ端の僕も所先輩方の熱量を借りて必死にもがいていた。
そして結果として、代官山蔦屋書店は、商業施設としてひとつの時代を作ったと言っても過言ではないくらい、社会への影響を与えられたと思う。
だからこそ、代官山蔦屋書店は、僕にとってはKDa時代に担当した様々なプロジェクトの中でも、僕の人生の中でも思い入れが深い場所だ。
その後僕は、この時の経験を活かし、自信に変え、建築設計事務所2id Architectsを立ち上げた。独立する時には、いつか蔦屋書店の仕事ができるような建築家・デザイナーになりたいな。と思いを馳せたりしていた。(今でも思っている。)
そして、代官山蔦屋書店がオープンして10年を過ぎた2022年。想像していなかった形で、また関わらせていただけることになった。
昨年の春に僕が立ち上げた、アウトドアブランド「we know enough< / ウィーノーイナフ」としての、初めてのPOP-UPでの展示販売を、代官山蔦屋書店でして頂けることになったのだ。ブランドとして初めてのPOP-UPが、代官山蔦屋書店で出来るなんて素晴らし過ぎる。これは狙ったわけではなく、たまたま縁があり、実現できた。
本当に人生なにがどうなるかわからない。
そもそも、自分がアウトドアブランドを立ち上げること自体も想像していなかったし、さらにそのプロダクトが自分がデザインした空間で販売することになるなんて、夢にも思わなかった。当初思い描いていた建築家・デザイナーとして、戻ってこれたわけではないが、むしろ想像すらしていなかった分、こっちの方が嬉しいかもしれない。
10年前の必死にもがく自分にメッセージを送れるとしたら、今デザインしているその什器に、いつか自分がデザインしたプロダクトが置かれるよ。と伝えてあげたい。本当に大変だったから。笑
そして次は、その什器の上に、自分の書籍が置かれるようになりたいなと、新しい夢が生まれた。人生なにがどうなるかわからない。
最後はしっかりと宣伝を。
代官山蔦屋書店で開催中のSpring fair 2022にて、
we know enough < の『炎から草花と守る、自然を想う焚き火台』が展示販売されています!
期間は3/16~4/17の1ヶ月。
「クルマと焚き火で遊ぶ」をテーマに、車バイクコーナーに展示販売されています!都内で実物が見られるのは、今はここだけです!是非お近くの方は足を運んで下さい。お願いします🙇🏻
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