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バスタオルを忘れた午後4時

風呂場から出た後、思いっきり「ハァ〜ッ」と息を吐きながら立ち尽くしていた。


ちなみにこの時、風呂上りにピッタリとも云えるコーヒー牛乳を飲み干しているのではない。それよりも私自身、最近はコーヒー牛乳を口にしていない。

その日の外気温は、まさに真夏日と云っても過言ではない30℃を越している。当然ながら日の当たる場所にいれば、数分も持たないうちに汗をかいてしまうほどの蒸し暑さであった。

そんな炎天下の中、私は外出しなければならない用事があった。自宅と目的地を往復で1時間ぐらいかけ、照りつける太陽の下を歩き続けていた。その結果、今年一番と言わんばかりに汗だくとなってしまったのである。

用事を済ませた後、家に着くと部屋の中も云うまでもなく、熱気が充満している。出窓が西の方角に向いていることもあり、もうすぐ夕方に入る時間帯にも関わらず、燦々さんさんと陽光が降り注いでいる。


一応戻ってからもPCに向かい、当日中に作業しなければならないことがある。だが汗ばんでしまったままでは、落ち着いて作業に取り組むことができない。太陽が沈む時間を無視し、すぐさま風呂場に直行してシャワーを浴び始めた。

そこから数十分かけて風呂場から出ると、普段から使っているものが所定の位置に置いていないことに気づく。その事実を知ると、前述の動作に加えて両手を膝にのっけたまま、数分位その場で動けずにいたのである。


またやってしまった感が、脱衣所の中で充満している。これまでもたまに、シャワーを浴びている最中、置くのを忘れてしまったことに気づくのだが、その時点でも時すでに遅しだ。

これが実家暮らしとかであれば、呼び出しボタンを一押しするだけで、誰かが置いてきてくれる。けれど一人暮らしはそうはいかない。大袈裟な話だが、今回みたいにまたやってしまったとならぬように、今一度心がけなくてはいけない。

とはいえ、一年越しに体感した暑さのせいで、意識が少々うすれていたのかもしれない。加えて風呂場に向かうまでのわずかな間も、作業をどうやって進めようかと色々考え込んでいた。

それらが起因して持って行くことどころか、一通り浴び終わるまで存在に全く気づきもしなかった。もはや、頭の中が渋滞しすぎて招いた結果と云っても、過言ではない。


「どうしようか…」と思いっきりため息をつきながらも、結局全身濡れたままで忘れた物を取りに部屋へと急ぎ足で向かった。

なるべく周り濡らさないようにして手に取ると、風呂場に戻って全身を拭くという、ワンアクション増えたもしくは無駄に時間を費やしてしまう顛末に至ったのであった。

また今回みたいに暑い中で考え事をしていたら、用意しておくことすらそっちのけで再び忘れてしまうかもしれない。これで連続して置き忘れてしまったら、いよいよメンタルも危ないぞと警告(?)されてもおかしくないだろう。


で、なんのはなしですか?


シャワーを浴びた後に使うバスタオルを、忘れてしまったという事の顛末である。

そしてまた、忘れたころに忘れてしまうかもしれない・・・・・・・・・・・・・・・・・・、という話でもある。

そう繰り返す前にいい加減バスタオルをしまっておく場所を変えなさいよ、という話も一理ある。それも、毎日欠かさずに使っているものなのだから。


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