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「秘めたる野望」という名の

さきほどアルコール度数9%のチューハイを飲み干したばかりなのに、2缶目を無性に欲している。

未だ外出先の疲れで空っぽになってしまった自分の頭の中から、何か何でもいいから何か目星のつきそうな何かよ降りてこいと、無理やりブーストをかけるように思考を研ぎ澄ましている。

今日も相変わらず、日がすっかり沈み込んでしまった頃に一人打ち込み始めている。ただ今だけはいつもと違う環境で、いつもと違う姿勢で臨まなければならない。

その部屋は地べたに正座したり、胡坐あぐらをかくことができない。それぞれ用意した机に、自ら気に入って選び抜いた椅子かソファに座って打ち込むことしか許されない。

いつもならば、普段から使い慣れたノートPCで1から10までのことを完結できていた。だが今回だけは、いわゆるデスクの前で作業をこなさなければならない。

部屋の一角には効率の観点で自ら選び抜いては取り揃えた、あるいは自らのモチベーションを上げるための環境とアイテムがある程度備わっている。

机の手元には、いずれ使うつもりで買っておいたキーボードとマウスが置かれている。そしてノートPCは今日だけ別の場所で、別の形となって稼働し続けている。

机の奥には、中央に大きなディスプレイと両脇にはスピーカーが設置されている。そして上には、一昔前に多人数でオンラインゲームをしながらグループ通話を行う際に使用していたマイクが残されている。

昔から、何かを創造していくことを理想としていた。いずれはこのスタイルで、自分が創造したいこと、表現したいこと、魅了したいことなどを色々と生み出していきたい。

そう思うと、自分の内に秘めた「ワクワク」という鼓動が止まらなくなってしまうものだ。

ただこれが完璧な状態であると、胸を張っていうにはまだまだ不完全ではある。転ばぬ先の杖のようなアイテムが不足しているかもしれないし、場合によっては余計なものばかりであまり必要がないものだって見つかるかもしれない。

それ以前に、回していくために見合った知識や経験もほとんど足りていないのも事実である。何も準備もへったくれもない状態で飛び立とうとするなら、すぐにでも墜落してしまうことだろう。

けれどYouTubeなどのデジタル媒体を通じて、あらゆる物事に対して無限大の可能性を感じたその日から、自分の中では多少とも夢が広がっていくのを密かに思いついたのだ。

そうは言っても、自分より優秀ですごいと思えるプロフェッショナルやスペシャリストはたくさんいらっしゃる。

そんな方々に負けないようにいつかはこの小さな部屋から、やがては世界中に発信していけたらいい…なんて大それたことを企んでいる。

それが実現するのは、はたしていつの話になるのかわからない。今は目の前にある困難なるものを抱えながらも、私はどこか直接、人にはすべてを伝えきれない「秘めたる野望」とやらを胸の奥底に秘めている。

今もこれを文字に変換している最中も、スピーカーからは先日初めて耳にしたばかりでヘビーローテーションが止まらないART-SCHOOLの「カノン」という曲が流れている。

いつか今日みたいな衝動を、ずっと覚えていられないかもしれない。けれどこうやって荒削りであっても、あの時の自分は何をどう表現したかったのかを忘れないようにしておきたい。

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