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政治講座ⅴ836「解放軍の暴走、指導部は軍部を制御できるのか」

有史以来の歴史を俯瞰すると、必ずと言っていいほど軍部が暴走する。そして、軍部が政権を担うケースが多い。日本の歴史でも武士の台頭(源頼朝の征夷大将軍)があり、幕府が政権を担う時代が続いた。明治の大政奉還移行に幕府のような軍部が政権を担うことのないように明治憲法で天皇に「統帥権」を与えて、幕府のような軍事政権にならないようにした。しかし、昭和の歴史で2度も軍部のクーデター未遂が発生し、有名な政治家が殺された。明治を作った政治家がいなくなるにしたがい、箍が外れ、それにより徐々に軍部の力が増していったのである。昭和になると軍部の暴走を止められなかったクーデターを恐れた政府にも問題があったと言わざるをえない。そのころになると、「統帥権」を悪用する軍部には、天皇の統帥権に軍部が属するから政府の指揮命令に従わなくともよいとの雰囲気が出てきた。軍部は「統帥権干犯」という名分のもとに好き勝手に振る舞い予算を軍備に使うようになったのである。それゆえ、日本の憲法改正のときは文民統制の徹底できる憲法にすべきであると考えている。
翻って、中国の戦狼外交を見ていると決して「文民統制」が出来ているとは思えない。あらゆる場面で海外との紛争を起こしている。国家の孤立を招くことや、経済政策上得策ではないことを平然と実行している。今や、米国は中国共産党を敵視していることは明らかである。ただ、中国共産党と中国の国民とを分けて、中国共産党=中国解放軍=米国の敵という図式ができている。中国解放軍の暴走が始まるのであろうか?その兆候が偵察気球であろう。コロナで傷ついた経済を立て直す時期に暴れまわる軍部を抑えきれない中国指導部が今の習近平政権ではなかろうか。はたまた中国内部の権力闘争の片鱗であろうか? 顛末を乞うご期待!

       皇紀2683年2月11日
       さいたま市桜区
       政治研究者 田村 司

中国「スパイ気球問題」から見えた、習近平政権の「ヤバすぎる問題点」 なぜ起こったのか?

長谷川 幸洋 - 4 時間前

空に浮かんだ「中国との冷戦」の象徴

青空に浮かんだ白い気球は、1発のミサイルで吹き飛んでしまった。米国の人々は、このシーンを「中国との冷戦」の象徴として、長く記憶するだろう。アントニー・ブリンケン国務長官は予定されていた中国訪問をキャンセルした。米中冷戦が今後、激化するのは必至だ。

それは、どこか「現実離れ」すら感じさせた映像だった。

日本人の私がそうなのだから、米国人には、なおさらだったろう。今回のスパイ気球は「得体の知れない中国という国」の不気味さと脅威を初めて、具体的に米国人に実感させたに違いない。

Photo by gettyimages© 現代ビジネス

米国はこれまで多くの戦争を戦ってきた。だが、直近ではアフガニスタンもウクライナも「遠い場所」の戦争である。それに比べて、スパイ気球がもたらす脅威は、はるかに小さいものの、衝撃度はおそらく上回る。多くの米国人が安全と信じて疑わない「米国の空」にも、中国がその気になれば、軍事行動を仕掛けることができることを実証してみせたからだ。

思いもよらない事態が巻き起こした興奮は、気球襲来の第1報が伝わったときから始まった。

モンタナ州では、2月2日から目撃情報が広がっていた。NBCの速報を受けて、国防総省が「中国のスパイ気球が飛んでいる」と認めると「なんで撃ち落とさないんだ。政府がやらないなら、オレが撃ち落としてやる」と息巻く住人が続出した。群保安官事務所が慌てて「ライフルで撃っても、弾はとどかない。地上に落ちてくるだけだ」とSNSに投稿せざるをえなくなったほどだ。

4日に気球が撃墜されると、ツイッター上には「やった!」「USA!USA!」といった歓声が上がり、拍手が巻き起こった。ジョー・バイデン大統領は7日の一般教書演説で「もしも中国が我々の主権を脅かすなら、我々は国を守るために行動する」と宣言した。


一般教書演説を行うバイデン米大統領[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス

かつて、1960年5月に起きた旧ソ連による米国の偵察機「U2機撃墜事件」は米ソ冷戦の激化を招いた。翌61年に「ベルリンの壁」が作られ、62年には核戦争の一歩手前までいった「キューバ危機」が起きた。今回のスパイ気球は、まさに「台湾侵攻」危機が迫るなかで起きた米中冷戦が一段と緊迫化するのは避けられない。

議会では、民主党と共和党の議員が中国への強腰姿勢を競い合うように、中国を非難した。なにより見たように、普通の国民が怒っている。米国では、新型コロナ問題で反中感情が高まっていたが、今回のスパイ気球は火に油を注ぐ形になった。

なぜ、起こったのか?

いったい、中国はなぜ、こんな事件を引き起こしたのか。

一部には、ブリンケン訪中を控えて「米国にプレッシャーを与えようとした」とか「米国を挑発しようとした」という見方がある(たとえば、https://foreignpolicy.com/2023/02/03/china-spy-balloon-surveillance-montana-us-nuclear-blinken/)。だが、中国にとって、ブリンケン訪中は、昨年11月の米中首脳会談で、緊張緩和を目指して設定された最重要課題だった。不動産バブルの崩壊やゼロコロナ政策で痛んだ経済を立て直すためにも、関係正常化は不可欠だった。

そんな習近平政権の側に、あえて米国を挑発し、訪中を台無しにする動機はない。

では、なんだったか。

私は「習近平政権中枢と人民解放軍のコミュニケーション不足」が根本的な原因とみる。中国の内部事情は外からうかがい知れないが、独裁政権の一般的な性格は、はっきりしている。ただ1人に権力を集中し、すべての決定権は、その権力者が握るのだ。中国の場合は、もちろん習氏である。

習氏は昨年10月の中国共産党大会で、総書記として異例の3期目に入り、絶対的権力を一段と強めた。政権と人民解放軍に側近を配置し、権力中枢に近くなればなるほど、表立って異議を唱える人は誰もいない状態である。


中国の習近平総書記[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス

そんななかで、何が起きるかと言えば、全員が習氏を見上げて、指令が降りてくるのを待つ。それだけだ。「横のコミュニケーション」はない。むしろ、横同士が連絡し合って、何事かを議論するのは、危険このうえない。「クーデターを画策しているのか」という疑いを招きかねないのだ

そんな独裁体制の下では、全員がみな「昨日の続き」をするようになる。習氏からの指令なくして、新しい仕事には絶対、手を付けない。「何を勝手に始めたのか」と詰問されるのが、オチだからだ。新しい仕事はリスクであり、むしろ何もしないほうが、はるかに安全になる。

今回の問題で言えば、中国はこれまでも「スパイ気球」を運営していたことが判明している。2月7日付のワシントン・ポストによれば、中国は数年前から、米国だけでなく日本やインド、ベトナム、台湾、フィリピンにスパイ気球を飛ばし、情報を探っていた。

気球は過去、ドナルド・トランプ前政権で3回、ジョー・バイデン政権で1回、確認されており、今回は米国と同じタイミングで、カナダと南米にも飛来していた。さらに、米国の国家情報長官室(ODNI)が1月に発表した未確認空中現象(UAP)に関する報告書によれば、過去「163の気球、または気球のような物体」を確認している。

米国は、人民解放軍と民間企業が「軍民融合」の一環としてスパイ気球を運営していた、とみている。実際、中国人民解放軍の新聞「解放軍報」は昨年6月17日付の記事で、気球は「300日以上の連続飛行が可能で、一部の性能は衛星に匹敵する」と記している。

つまり、人民解放軍は今回も「昨日の続き」として、スパイ気球を運営していたのだ。一方、外交部を含めた政権側は、と言えば、ブリンケン氏を迎えて、米国との関係を改善しようとしていた。両者の間にコミュニケーションはなく、互いに自分の仕事を「昨日の続き」でやっていただけなのだ。


ブリンケン米国務長官[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス

バイデン政権の思惑

一方、米国は中国のスパイ気球が飛来している事実をとっくに承知していた。2月6日付のニューヨーク・タイムズによれば、トランプ政権時代には、気球の侵入をリアルタイムで察知していなかったが、その後、技術を改善し、バイデン政権は察知できるようになった、という。

米軍は今回の侵入を1月28日以来、リアルタイムで追跡していた。アラスカ州に現れた後、いったんカナダに侵入し、再びモンタナ州の上空に現れるまで、完全に動きを把握していた。

モンタナ州と隣のノースダコタ、ワイオミング両州には「核のトライアングル」と呼ばれる米軍の3つの核基地が集中している。その三角形のど真ん中に気球が現れるのを待って、国防総省は2日、気球侵入を発表した。ブリンケン国務長官は同夜、駐米中国大使館の幹部を呼び出し「適切に対応する」方針を通告している。

先に紹介したODNIは公表した報告書とは別に、議会に秘密報告も提出している。スパイ気球に関する報告もあったかもしれない。こうした経緯を見れば、私は今回、米国は「中国の気球を待ち構えていて、あえて罠に陥れた可能性があるのではないか」と推測している。今回の侵入前から、米国は中国の動きを完全に把握していたからだ

中国は当初気球は気象観測用だ。偏西風の影響と限られた操縦能力のために、予定のコースを外れてしまったと釈明し、殊勝にも「遺憾の意(regret)」を表明した。ところが、撃墜されると過剰反応だ。中国はさらなる措置を講じる権利を留保すると強腰に転じた。首尾一貫しない態度も、政権と軍の足並みの乱れを感じさせる。

先のワシントン・ポストによれば、米国は今回の事件を日本を含む関係国、約40カ国に情報提供した。日本には2020年6月に宮城県仙台市と21年9月に青森県八戸市上空に、それぞれ飛来している。米国は日本やフィリピン、韓国、台湾さらには北大西洋条約機構(NATO)の同盟国とも連携して対応する構えだ。

米国の同盟国として、日本の岸田文雄政権は、もはや「正体不明」などと、お茶を濁している場合ではない。狙われているのは、自衛隊や米軍基地など軍事関連情報である。再発するなら、撃墜の選択肢も視野に入れて、対応する態勢を整えなければならない。

親中派の林芳正外相をいつまでも抱えている岸田政権のボケぶりが心配だ。

気球に通信傍受機能=中国企業に措置へ、制裁視野―米


 【ワシントン時事】米国務省高官は9日、米本土上空を飛行した中国の偵察気球について、「通信傍受の機能」が備わっていたと明らかにした。中国軍と直接関係する企業が製造したとの見方を示し、中国企業に何らかの措置を講じる方針も表明。制裁を視野に検討を進めるもようだ。


米上空で確認された中国の偵察気球=1日、
米西部モンタナ州ビリングス(AFP時事)
© 時事通信 提供


 高官によると、米軍のU2偵察機が撮影した高解像度の画像から、気球は通信の発信地を特定できるとみられる複数のアンテナのほか、情報収集のセンサーに必要な電力を供給する太陽光パネルを搭載。「明らかに情報監視のためで、気象観測気球の装置とは矛盾する」と強調し、「気象研究用」とする中国側の主張を一蹴した。 

偵察気球の製造元は「中国軍と直接的関係」、米政府が対応検討

Reuters - 1 時間前

[ワシントン 9日 ロイター] - 米国上空を飛行した中国の気球を巡り、米政府が領空侵入を支援した中国軍関連企業に対する措置を講じる検討に入った。米国務省高官が9日、明らかにした。
高官は「米国は、気球の米領空への侵入を支援した中国人民解放軍(PLA)に関連する中国企業に対する措置も検討する」と表明。「気球の製造企業は中国軍と直接的な関係を持っていると確信している。PLAの調達に関する公式ポータルサイトに掲載された情報によれば、この企業はPLAの公認ベンダーだ」とした。
この中国企業はウェブサイトに気球の広告を出しているほか、過去の飛行に関する動画も配信しており、少なくとも米領空と他国領空を飛行している様子が映されているという。企業名は公表されていない
また、米国のU2偵察機が偵察気球の高解像度画像を収集したと明かした。これにより偵察気球の諜報活動などへの使用が可能なことが示されたという。
さらに、中国は5大陸40カ国以上の上空で同様の監視飛行を行ったことがあると述べた。
ホワイトハウスのジャンピエール報道官も、政府が対応を検討するという考えを示したが、どのような措置が検討されているかは明言しなかった。また、米国の安全保障や同盟国などに脅威となる中国の大規模な監視活動を暴露し、対処する幅広い取り組みも検討すると述べた。

中国国防部、米国の「中国が電話協議拒否」巡り談話

新華社 - 昨日 21:24

中国国防部の譚克非報道官。(資料写真、北京=新華社配信)

中国国防部、米国の「中国が電話協議拒否」巡り談話© 新華社

 【新華社北京2月9日】中国国防部の譚克非(たん・こくひ)報道官は9日、米国防総省が民間無人飛行船事件を巡る電話協議を中国が拒否したと発表したことについて、次の談話を発表した。

 米国からこのほど、両国防相による電話協議で、中国の民間無人飛行船事件を巡り中国と意思疎通を図りたいとの提案があった。米国は武力を乱用して中国の民間無人飛行船を攻撃し、国際慣例に著しく違反して、悪い前例を作った。米国の無責任で著しく誤ったやり方が両軍の対話交流のためにしかるべき雰囲気を作らなかったことに鑑み、中国は両国防相の電話協議に関する米国の提案を受け入れない。無人飛行船事件の性質について、中国外交部がすでに公開声明を出しており、中国は必要な手段を用いて類似の状況に対処する権利を留保している。

中国気球、日本も標的と米報道

共同通信社 - 52 分前

 【ワシントン共同】米国務省高官は9日、米上空を飛行した中国の偵察気球の写真を分析した結果、通信傍受機器が搭載され、中国がこれまでに40カ国超の上空に偵察気球を飛ばしていたと指摘した。

 ワシントン・ポスト紙は当局者の話として、中国が日本や台湾、インドなどで気球を使った偵察を続けてきたと報道。国務省高官は、気球が飛来した国々と連絡を取り合っていると強調した。

中国の偵察気球“情報の監視用” 米国務省 中国の主張非難

FNNプライムオンライン - 4 時間前

アメリカ国務省は、2月4日に撃墜した中国の偵察気球には、通信信号と位置情報を収集する能力があり、気象観測用だとする中国側の主張とは矛盾していると非難した。


中国の偵察気球“情報の監視用” 米国務省 中国の主張非難© FNNプライムオンライン

国務省は9日、アメリカの偵察機が中国の偵察気球の画像を分析した結果、複数のアンテナが付いていて、通信の傍受と位置の特定が可能だったと明らかにした。

そのうえで、「気球は明らかに情報の監視用で、中国政府が主張する気象観測用の気球の装備とは矛盾している」と非難した。

また、気球はこれまでに5大陸で40カ国以上の上空を飛行していたとし、「これらの気球は全て監視活動を行うために開発された中国の気球の一部で、中国軍の指示で行われることが多い」と指摘した。

ホワイトハウスは、関与した中国の組織になんらかの措置をとるとしている。

中国の偵察気球?台湾にも複数回飛来、宮城県で目撃の物体と完全に同じ―地元メディア

Record China - 26 分前

米国本土上空を飛行し撃墜された中国のものとみられる偵察気球と同じような気球が複数回、台湾にも飛来していた、と地元メディアが報じた。専門家は台北上空で見つかった気球は2020年6月に宮城県で目撃された物体と完全に同じとの見方を示した。


中国の偵察気球?台湾にも複数回飛来、宮城県で目撃の物体と完全に同じ―
地元メディア© Record China

台湾・中央通信社によると、気球が確認されたのは21年9月と22年3月。いずれも北部の台北上空に出現し、軍用空港でもある松山空港の上空付近などに約3時間とどまった。

中央気象局の鄭明典局長は4日、フェイスブックに気球の写真を掲載して「ニュースで言われている偵察用気球は気象局の同僚が2年前に撮影している」とコメント。「宮城県で見つかったものと完全に同じだ」と強調し、米国上空のものも含めて「気象観測用気球ではない」と断じた。

同氏は「気象観測用気球は通常ゴム製で直径は約2メートルで遠くまでは飛ばない」とし、「台湾や米国などで見られた気球は少なくとも20メートルの大きさだ」と推測。「高高度を遠くまで飛行できるのは特殊な素材を使っているからだろう」と語った。

台湾の国防部(国防省)は「台湾海峡付近上空の飛行物は監視し、詳しい状況を把握している。脅威の程度に応じて対抗措置を取ることもある」と説明したが、これまで気球を含め撃墜したことはない。

台湾の軍事専門家、陳国銘氏は地元メディアに「気球の場合は人工衛星よりも1カ所を長時間偵察できるし、風速や風向きの変化などのデータも集めることができる。これらのデータは長距離砲などを使った攻撃に役に立つ」と話した。

国防部系シンクタンク・国防安全研究院の研究員、蘇紫雲氏は「米国が海の上空で気球を撃墜したことは地上の人員や建物の安全への配慮をした上で、『国際法』の関連規定にも基づいている。台湾にとって参考になる」と言及した。

米本土にまで達した気球について、台湾の外交部(外務省)は4日、「他国の領空や主権を侵犯する中国の国際法違反行為を注視している。地域不安を引き起こす行為を直ちにやめるべきだ」と非難する談話を発表した。(編集/日向)

偵察気球、軍部隊が運用 中国外務省にも米侵入通知せず

共同通信社 - 昨日 21:22

 米本土上空を飛行し米軍が撃墜した中国の偵察気球は、中国軍内で宇宙やサイバー戦を担当する戦略支援部隊が管轄し運用に関わっていたことが9日、分かった。複数の中国筋が明らかにした。軍は気球の米本土侵入を自国の外務省にも連絡しておらず、最高指導部は部門間の意思疎通の改善を指示した。


2018年11月の国際航空宇宙ショーで展示された、中国企業が開発した気球=
中国広東省珠海市© KYODONEWS

 中国筋によると、気球は政府直属の研究機関、中国科学院傘下の宇宙技術研究機関が開発した軍民両用の偵察気球。中国は「民間の気象研究用飛行船」と主張しているが、同部隊は軍が民間と協力する「軍民融合」を推進しており、実態は軍主導。これまでも偵察用気球を台湾海峡や南シナ海など世界各地で飛行させているという。

 バイデン米政権は気球について、中国が米国の戦略的拠点を監視する目的で利用していたと判断。民間利用とする中国の主張を退け、残骸を回収し解析を急いでいる。

 中国では宇宙関連装備の多くは軍と民間が共同で開発・運用。その実態は不透明で、中国筋によると、今回、米国に中国の気球が侵入したことを軍は外務省などに通知していなかった

中国偵察気球に通信傍受機器 米分析「気象観測用主張と矛盾」

毎日新聞 - 2 時間前

 米国務省高官は9日、中国の偵察気球が米領空に侵入した問題で、気球が電波信号の傍受による情報収集活動の能力を持った機器を搭載していたと明らかにした。写真分析の結果、判明したという。中国政府の「気象観測用の民間飛行船」との主張と「矛盾する」と強調した。

 分析した写真は米軍偵察機U2によって撮影された。高官によると、気球は多数のアンテナを搭載。通信の収集とともに位置情報を特定するものも含まれていたという。情報収集のセンサーの電源用ソーラーパネルも装備されていた。高官は「このような活動は中国人民解放軍の指示で実施されることが多い」と指摘した。

 また、気球は人民解放軍と関連する中国企業が製造したと分析。これらの企業に対して「何らかの措置を検討している」と明らかにした。中国はこれまでに気球を用いた同様の偵察を五大陸の40カ国超の上空で実施していたとも指摘した。

 国務省のシャーマン副長官は9日の上院外交委員会の公聴会で「今回の中国の無責任な行為は国内でより抑圧的になり海外でより攻撃的になっていることを如実に表している」と述べた。【ワシントン鈴木一生】

組織内の意思疎通に問題か=習氏、気球打ち上げ関知せず―中国

 【北京時事】中国から米国に飛来した気球を巡り、米政府高官は9日、「習近平国家主席も関知していなかった」との見立てを明らかにした。昨年10月に中国共産党総書記として3期目に入り、「一強」体制をさらに固めた習氏だが、専門家の間では、組織内の意思疎通が十分でなく、今回の騒動につながったとの見方が出ている。

 中国共産党に詳しい神戸大大学院講師で日本国際問題研究所の李昊研究員は「中国では権力が一点に集中する半面、トップに届く情報は限られざるを得ない。大量の情報を全て習氏に報告するわけにもいかず、下の人間にとっての取捨選択は非常に難しい」と指摘する。

 政治指導部と軍部の意思疎通を巡っては、2011年、当時の胡錦濤国家主席とゲーツ米国務長官の会談時に行われたステルス戦闘機の試験飛行を、胡氏が事前に把握していなかったというエピソードがある。07年の衛星破壊実験も知らなかった可能性が取り沙汰され、政治による軍の統制が不十分なのではないかという懸念が浮上した。今回の気球の飛行には、サイバーや電子戦を担う軍の戦略支援部隊が関わっていたとみられている。

 李氏によると、習政権下では、軍内の対米強硬派が指導部の意向を無視して単独行動を起こす事態は想定しにくい。軍が何らかのデータ収集目的で放った気球の存在が、上層部に周知されていなかったとみられ、そこに「深い思惑」はなかったと李氏は分析する。

 一方、別の中国の有識者は「中米関係が改善し、国防予算の割り当てが減る展開を嫌った軍が独自に動いた可能性は残る。ただ、今回の件を把握していなかった習氏が軍の『失態』と見なしていることは間違いない」と話した。 

参考文献・参考資料

中国「スパイ気球問題」から見えた、習近平政権の「ヤバすぎる問題点」 なぜ起こったのか? (msn.com)

気球に通信傍受機能=中国企業に措置へ、制裁視野―米 (msn.com)

偵察気球の製造元は「中国軍と直接的関係」、米政府が対応検討 (msn.com)

中国国防部、米国の「中国が電話協議拒否」巡り談話 (msn.com)

中国気球、日本も標的と米報道 (msn.com)

中国の偵察気球“情報の監視用” 米国務省 中国の主張非難 (msn.com)

中国の偵察気球?台湾にも複数回飛来、宮城県で目撃の物体と完全に同じ―地元メディア (msn.com)

偵察気球、軍部隊が運用 中国外務省にも米侵入通知せず (msn.com)

中国偵察気球に通信傍受機器 米分析「気象観測用主張と矛盾」 (msn.com)

組織内の意思疎通に問題か=習氏、気球打ち上げ関知せず―中国 (msn.com)

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