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政治講座ⅴ1268「インドネシア高速鉄道はどうなった?今後の安全は担保されるか」

 中国の過去の事故の記録と実績を調査したら、とてもじゃないが発注できないと判断できると素人でも思うのである。しかし、インドネシア首脳陣は中国の懐柔工作(美人計・ハニートラップ・買収)にみごとに騙されたのであろう。これは一帯一路の一環であり、見事に債務の罠にかかったのである。そして、完成後に大事故が発生しても中国は責任は負わないのであろう。それは中国高速鉄道の過去の事故の調査も有耶無耶となり、事後原因が追究されずに隠蔽されているのである。武漢ウイルスの発生原因の調査追究のオーストラリアの要求に対しても石炭輸入禁止で応じなく、発生原因は隠蔽されたままである。このように、中国ではすべての事故は隠蔽されて事故原因の調査もされずに責任の有無も隠蔽されるのである。今後の完成とその後の事故の発生が無いことを祈る限りである。自業自得であるので手出しせずに静かに見守ろう。今回はそのような報道記事を紹介する。日本には「安物買いの銭失い」と言う言葉がある。インドネシアは見事に中国の甘い言葉に騙されたのである。

     皇紀2683年8月11日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国との共同事業のインドネシア高速鉄道、ソフト開業を延期 安全性確保のため

ニューズウィーク日本版 によるストーリー •5 時間

中国との共同事業のインドネシア高速鉄道、ソフト開業を延期 安全性確保のため© ニューズウィーク日本版
暗雲立ち込めるインドネシアの高速鉄道 REUTER//Antara Foto/Raisan Al Farisi

<日本の入札を反故にしたツケが出ている?>

インドネシアが首都ジャカルタから西ジャワ州州都バンドンまでの143.2キロを結ぶ高速鉄道の完工を期し、8月17日の独立記念日の翌18日に予定されしていた招待客を乗せたソフト開業の試験走行が延期された。

高速鉄道は中国が受注して中国の技術、資金協力で進められてきた計画で、インドネシアと中国との合弁事業体である「インドネシア中国高速鉄道(KCIC)」がソフト開業の試験走行を9月まで延期すると8月8日に発表した。

KCICは延期の理由を「乗客の安全性と快適性を確実にするためにさらに時間が必要と判断した」と説明しているが、「安全性と快適性」の具体的な内容には一切言及しなかったことから関係者の間には不安が広がる事態となっているという。

インドネシア政府は先に8月17日の独立記念日の翌18日にジョコ・ウィドド大統領や閣僚、国会議員や政財界の要人、駐インドネシア中国大使、さらに一般の招待客を乗せて行う最終的な試運転によるソフト開業を挙行し、10月から運賃を徴収した乗客を対象として本格的な営業運転開始を予定していた。

KCICによるとソフト開業は9月に延期するものの、10月1日の営業運転開始はこれまで通りに実施する方針であることを明らかにしている。

中国が受注したいわくつきのプロジェクト

インドネシア初の高速鉄道を建設するという構想は2015年に入札が行われ、安全性を前面に出した日本と、低価格・早期完工・インドネシア政府に財政負担を求めないなどを打ち出した中国との実質的競争となった。

しかし紆余曲折、不可解なプロセスを経て最終的に中国が受注した経緯がある。中国としては習近平主席が進める独自の経済圏「一帯一路」構想の一環としてなんとしてもインドネシア高速鉄道に関与したいとの強い意向があったとされている。

ところが、実際に建設工事が始まると建設用地買収の遅れコロナ渦による中断などから当初の2019年完工予定は度々延期された。

さらに工期の遅れや資材高騰などから建設費用が膨大に膨れ上がり当初予算を約12億ドル上回る結果となった。最終的にはインドネシア政府は国庫からの支出を余儀なくされ「中国に裏切られた」との批判も出ていた。

中国の車両、中国の労働者、中国の技術、そしてインドネシアも巻き込んでしまった資金でなんとか完工に漕ぎつけつつある、というのがインドネシアの高速鉄道の現状だろう。

残る安全性への不安

KCICは6月22日に速度356キロを記録する最高速度試験走行に成功し、走行時の安定性、静粛性が確認されたとしていた。これを契機に独立記念日翌日のソフト開業、10月の営業運転開始という工程が具体的に動き始めた。

このとき、ブディカルヤ・スマディ運輸相は「10月の営業運転開始も8月に前倒しになるかもしれない」と計画が順調に進んでいることを強調、楽観的な見通しを示していた。

ただ一方で通常、営業運転開始前の試験走行には安全性を100%確実とするために繰り返し各種試験を数カ月から1年かけて実施するケースが多い中、6月22日から約2か月でのソフト開業には安全面で不安が払しょくできないとの声も出ていた。

今回、独立記念日に関連したいわば国を挙げてのイベントが、実施約10日前に延期されるという事態に、そうした不安が現実のものになったと見方もある。

KCICは問題点を明らかにする義務

6月22日の最高速度試験走行の「成功」を受けてソフト開業への期待を表明していた閣僚や関係者はこれまでのところ今回の延期に対して反応しておらず、期待を裏切られたとの思いを抱いている可能性もある。

その際に「今後日本製の中古車両の輸入は認めない」との趣旨の発言をして、高速鉄道計画の中国発注に煮え湯を飲まされた形の日本に「当てつける」ような姿勢を示したルフット・パンジャイタン調整相もさぞ「臍を噛んでいる」こととみられる。

ジョコ・ウィドド大統領が実際に試乗してのソフト開業の試験走行で「万が一の不確実性の存在や不具合の発生も許されない」状況の中での延期は、今後の「早急なスケジュール」にも影響を与える可能性がある。

なによりもKCICは今回の延期の理由がどこにあるのか、技術的な問題なのか運行上の問題なのか、それともそれ以外の問題なのかを明らかにする義務があるだろう。

そうした問題点を明らかにすることで安全性に対する不安を払拭することがなにより求められているといえる。

[執筆者]

大塚智彦(フリージャーナリスト)

1957年東京生まれ。国学院大学文学部史学科卒、米ジョージワシントン大学大学院宗教学科中退。1984年毎日新聞社入社、長野支局、東京外信部防衛庁担当などを経てジャカルタ支局長。2000年産経新聞社入社、シンガポール支局長、社会部防衛省担当などを歴任。2014年からPan Asia News所属のフリーランス記者として東南アジアをフィールドに取材活動を続ける。著書に「アジアの中の自衛隊」(東洋経済新報社)、「民主国家への道、ジャカルタ報道2000日」(小学館)など

【動画】試験運転が続くインドネシア高速鉄道

インドネシアが首都ジャカルタから西ジャワ州州都バンドンまでの143.2キロを結ぶ高速鉄道の完工を期し、8月17日の独立記念日の翌18日に予定されしていた招待客を乗せたソフト開業の試験走行が延期された。

中国支援の高速鉄道建設で死亡事故 インドネシア、工期に影響も

2022/12/22 18:19森 浩

【シンガポール=森浩】中国の支援で建設が進むインドネシア高速鉄道の建設工事現場で作業用の列車が脱線し、中国人労働者2人が死亡した。事故を受けて工事は中断されており、2023年6月予定の開業に影響する可能性もある。

地元メディアによると事故が起きたのは18日。西ジャワ州の工事現場で、レール敷設に利用する列車が脱線した。2人が死亡したほか、4人が重軽傷を負った。

高速鉄道は19年に開業予定だったが、工事の遅れで延期を繰り返している。総工費も中国が提示した60億ドル(約7900億円)から膨張しており、現状の見積もりでは75億ドル以上とされる。

ルフット調整相(海事・投資担当)は開業予定は「変わっていない」と述べた。地元シンクタンク、インドネシア経済法律研究センター(CELIOS)のビマ・ユディスティラ所長は「(当初の)予算を大幅に上回る中、完成を急ぐあまり安全性が損なわれている」と指摘している。

主席の試乗会立ち消え=中国受注の高速鉄道―インドネシア

 【ジャカルタ時事】20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が15日から開かれるインドネシアでは、首都ジャカルタを起点とする高速鉄道の工事が来年の開業を目指して進められている。日本との激しい受注競争の末に中国が建設を請け負ったもので、当初はG20サミット時に中国の習近平国家主席が試乗するとされていたが、先月末、オンライン視察に切り替えられた。
 高速鉄道の開業が予定されているのはジャワ島西部で、これまで在来線で約3時間半かかっていたジャカルタと西ジャワ州の主要都市バンドン間約140キロを最短35分で結ぶ。最高速度は時速350キロだ。
 習氏のG20サミット出席が確定していない時期から、インドネシアのジョコ大統領と一緒に試乗すると言われてきたが、先月あたりから雲行きが怪しくなっていた。中国で製造された車両は9月初旬、インドネシアの港に到着していたものの、「点検用車両を走らせるというような話も出て来ている」と関係者から漏れ伝わっていた。
 先月末には、インドネシアのルフット海事・投資調整相が、オンラインで両首脳が今月16日に視察すると発表。サミット閉幕日に、G20開催地のバリ島から画面越しに様子を見ることになった。
 建設工事は2016年から始まったものの、用地買収に手間取った上、新型コロナウイルス感染症流行の影響もあり、開業時期は何度も延期されてきた。
 試乗中止にインドネシア側は落胆。ある関係者は「ジャカルタにも立ち寄らないとは予想外だ」と話した。 

被害者をコンクリで生き埋め──病的すぎる中国当局の「隠蔽体質」


広州市の事故現場。崩落によってできた巨大な穴にコンクリートが注ぎこまれている(12月1日) Photo: Chen Guoheng / VCG via Getty Imag
田中淳

中国の恐るべき隠蔽工作は健在だった──。

このほど広州市で発生した地下鉄工事現場の崩落事故では、生き埋めになった市民が救出されていない状況にも関わらず、現場を「コンクリで埋める」作業が急ピッチで進行。そこには、人命よりもメンツを重んじる中国当局の病的な体質があった……。


まっさかさまに落ちて…


12月1日午前9時28分、広東省広州市中心部の広州大道と先烈東路・禺東西路が交わる大規模交差点で突然、道路が38mの深さまで陥没する事故が発生。運悪く通りがかった清掃車1両と電動自転車1台が土砂に呑まれ、計3人が生き埋めになった。事故現場の真下は、広州地下鉄11号線沙河駅の建設工事現場だ。
偶然、そばを通りがかった目撃者によると、交差点の中央に突然、巨大な穴が出現し、清掃車が大きな音を立てて垂直に転落。当初は清掃車の最後部が露出していたが、19分後、二度目の崩落で瞬く間に穴へ吸い込まれたという。後続の電動自転車もブレーキが間に合わず穴に落ちた。

奇妙なことに、救急車が真っ先に現場へ駆けつけるかと思いきや、市政府の専用車がやってきてまず行ったのは、現場の200m四方を鉄板で目隠しし、周辺道路を完全封鎖したことだった。

外部の目を完全に遮断し、1100人以上の人員と192台の特殊車両(※公安発表)が救助活動に当たるが、穴は砂時計のように土砂が間断なく崩れるため拡大し続け、大量の地下水も流入。さらに電線やガス管などのライフラインが複雑な形で埋設されていることから作業は困難を極める。
そして事故発生から6時間後──。地下鉄運営を担う広州地鉄集団はSNSの公式アカウントで、これ以上の崩落と穴の拡大を防ぐため「局部回填(核心部分の充填)」を行うと宣言。恐るべきことに、現場にコンクリートポンプ車5台を集結させ、ぽっかり空いた穴にドクドクと生コンクリートを注入し始めたのだ。言うまでもなく消息を絶った3人の安否確認はおろか、清掃車と電動自転車が具体的にどの位置に埋没しているのかさえ特定できていない段階で、である。

被害者が穴に埋まったまま、コンクリートが注ぎこまれた崩落事故現場(12月1日) Photo: Chen Guoheng / VCG via Getty Images


18時ごろには現場周りに失踪者の家族や友人が続々と集結。にょっきり伸びたコンクリートポンプ車の先端ブーム(ノズル)を遠目にしながら「まだ3人が救出されてもいないのに現場をコンクリで埋めるなんて……!!」。口々に抗議と非難の声を挙げ、怒りの横断幕を掲げる一幕もあったが、彼らは瞬く間に公安当局によって身柄を拘束された。

3人をコンクリ漬けにしたまま、さらに…


20時に広州地鉄集団が記者会見を開催。3人が救出できていないことを謝罪するも、施工現場のすぐ東側に中規模河川が流れている地盤の緩さを問われると「工事が付近の川や建築物、高速道路高架橋に何ら影響を与えていないことは実地検査で実証済み」と強調した。市民が埋まったままの穴に生コンクリートを注入した是非について広州市政府の担当者は「崩落の進行を防ぎ、安全に救出するため専門家が提案した適切な措置」とだけ説明した。

2日午前1時半ごろ、現場にシールドマシン(掘削機)と直径2.5mの鋼管が到着。崩落と地盤沈下が収まり、凝固し始めたコンクリをシールドマシンで掘り進め、救出路にするための鋼管を垂直に据えつける新たな作業が始まった。例えるならば、黒ゴマ豆腐の真ん中にストローを突き刺すような構図と言えようか。

だが素人目にも、埋まっている市民がコンクリート漬けにされたり、ドリルで傷つけられたりする懸念が払拭されないままの作業であることは明白だ。

──結局、事故発生から約2週間が経過した今もまだ3人は救出されず、分かったのはただ、清掃車と電動自転車の位置が「地面から8~10m地点」ということだけ。人命より社会の安定を優先する当局は、事故現場を封鎖しただけでなく、報道も当局発表のみに限定し、独自取材を禁じている。

ややリベラル寄りな「新京報」「南方日報」などごく一部の新聞に、「コンクリートで埋める時間が早すぎたのでは」との控え目な(だが行間から当局の対応を疑問視する怒りがにじみ出た)見解が掲載されたのがせいぜいだった。

清掃車を運転していたのは湖南省出身で小規模清掃会社を経営する男(51)と息子(27)。出稼ぎで広州にやってきた彼らはコツコツ稼いで小さな事業を興し、この朝も最後の仕事を終えて帰宅するところだった。父の傍らで清掃作業を支え続けた孝行息子は今月下旬、結婚披露宴を控えていたというから、家族の悲嘆は察するに余りある。

新幹線も「埋めてしまえ」

この、理解不能なコンクリート注入作業から真っ先に思い出されるのが、高速鉄道の事故車両を現場で埋めた「温州市鉄道衝突脱線事故」だ。

2011年7月23日夜、浙江省温州市内の専用高架で緊急停車していた杭州発・福州南行の高速列車(D3115号)に、後から走行してきた北京南発・福州行(D301号)が衝突。死者40人、重軽傷者は少なくとも170人以上に上る大惨事を引き起こした。

いわゆる新幹線同士の衝突で車両は大きくひしゃげ、D301号の先頭4両は脱線して高架から脱落したり、脱落途中で宙吊りになったりした。深夜の救助活動も困難を極めるなか、現場を管轄する上海鉄路局の王峰・常務副局長は翌24日朝、作業責任者に突如「車両を埋めよ」と命令。直ちにショベルカーとブルドーザーが集結して巨大な穴を掘削し、大破した車両を全て穴の中へ埋めてしまったのだ。

温州列車事故現場で車両を埋める様子。作業中に犠牲者の遺体が見つかり、慌てて回収する場面も

本来ならば事故調査委員会が検証するまで証拠として保存すべき車両を、乗客の安否が完全に確認できていないなか、強引に救助活動を打ち切って手っ取り早く土に埋める……信じがたい行為に世界中から「証拠隠しの隠蔽だ!」と非難が殺到した。

国家鉄道部(※当時)は「現場は湿地帯でぬかるんでおり、救援車両を迅速に通すための適切な措置」と話し、今回の広州地下鉄事故現場のコンクリート注入と同じような理屈を並べて騒ぎの収集を図ろうとする。だがそんな説明を真に受ける人はいず、国内外からの抗議は逆に急増。結局、鉄道部は26日午後になって埋めた事故車両を掘り返し、人目のつかない公有地に移送するという愚挙を重ねた。

葬られた報道

温州事故の発生当初、中国メディアは「車両を埋めて幕引きを図った鉄道部」への激しい批判キャンペーンを展開し、市民もオンラインで活発な議論を交わすことが可能だった。
「経済観察報」2011年8月1日付の別刷「温州に奇跡は無い」。タイトルには、生存者捜索活動を打ち切り車両を埋めている最中に2歳の幼女が発見され、国家鉄道部が「奇跡だ!」と自画自賛したことへの怒りが籠められている Photo: Jun Tanaka

硬派な深掘り取材で知名度が急上昇していたニュースメディア「経済観察報」も別刷りで事故特集を組み話題を集めた。同紙編集部から「特集第2弾を準備している。なぜ日本の新幹線は1964年の開業以来、死亡事故がゼロ(※当時)なのか安全神話の神髄を探ってほしい」と依頼された筆者は、日本の内閣府を介してJR東日本への取材を始めた。

ところが、入稿段階になって同紙記者から電話が入る。メディアを監督する中国共産党中央委員会中央宣伝部から「いま進めている温州事故特集を即刻中止し内容を差し替えよ。背けば新聞の発行許可を取り消す」との厳命が下ったという。行き過ぎた事故処理批判、鉄道部批判や市民の議論がやがて政府批判につながることを危惧し、当局は言論統制を強めたのだ。

党の介入は中国メディアの宿命というほかない。「取材が無駄骨になり、心から謝罪する。だが掲載中止以外の選択肢は無かった……」と電話口で慟哭する記者の声が、今も脳裏に焼きついている。

それでも8年前の温州事故では、中国メディアも「メンツ重視で人命軽視」「完全なる人災」「高速鉄道王国の自画自賛を嗤う」「鉄道部が葬り去ったもの」「報道規制は現代の“焚書坑儒(※秦の時代、書物を焼き払い儒学者を生き埋めにした思想弾圧事件のこと)”」等々、ギリギリまで真実を追究しようとする動きがあった。だが今回の広州地下鉄事故でその姿勢はほぼ皆無報道姿勢そのものがすっかり埋められてしまったという現実に、深い絶望を覚えずにはいられない。

PROFILE

田中 淳 編集者・記者。編集プロダクション、出版社勤務を経て中国北京大学に留学。シンクタンクの中国マーケティングリサーチャーや経済系通信社の台湾副編集長を務め、現在、香港系金融情報会社のアナリスト。近著に『100歳の台湾人革命家・史明 自伝 理想はいつだって煌めいて、敗北はどこか懐かしい』(講談社)。

中国の高速鉄道が脱線、運転士が死亡、乗客ら8人けが 線路内に土砂

北京=高田正幸 上海=井上亮2022年6月4日 14時43分(2022年6月4日 18時45分更新)

 中国南部の貴州省の榕江駅付近で4日午前10時半ごろ、高速鉄道が脱線する事故があり、運転士1人が死亡、乗員と乗客計8人がけがを負った。中国国営中央テレビが伝えた。

 脱線したのは貴州省貴陽市から広東省広州市に向かう高速鉄道で、事故当時は約140人の乗客がいた。トンネルの出口付近の線路上に流れ込んだ土砂に接触したのが脱線の原因という。運営会社は4日、列車が土砂と接触し、900メートル超滑ったと発表した。

 SNS上に拡散した動画には、運転席付近に穴が開き、大破した先頭車両が駅のホームに乗り上げた様子が映り、事故の衝撃を物語っている。香港フェニックステレビ傘下のネットメディアによると、高速鉄道は時速250キロで走行していた。8両編成の先頭車両と2両目が脱線し、通過する予定だった同駅付近で止まったという。付近では数日間、雨が続いており、トンネル上部を通る高速道路の建設時に発生した泥が線路に流入したとの情報もある。

<高速鉄道脱線事故>なぜ事故車両を埋めたの?報道官も当初は疑問視―中国鉄道部




24日、中国・浙江省温州市で200人以上の死傷者を出した高速列車追突・脱線事故で、事故車両を埋めて証拠隠滅を図ったとされる問題について、中国鉄道部の王勇平報道官は「危険を回避するための応急措置だった」と釈明した。写真は事故現場。

参考文献・参考資料

中国との共同事業のインドネシア高速鉄道、ソフト開業を延期 安全性確保のため (msn.com)

中国支援の高速鉄道建設で死亡事故 インドネシア、工期に影響も - 産経ニュース (sankei.com)

習主席の試乗会立ち消え=中国受注の高速鉄道―インドネシア | 時事通信ニュース (jiji.com)

被害者をコンクリで生き埋め──病的すぎる中国当局の「隠蔽体質」 | 中国ニュース拾い読み | クーリエ・ジャポン (courrier.jp)

2011年温州市鉄道衝突脱線事故 - Wikipedia

中国の高速鉄道が脱線、運転士が死亡、乗客ら8人けが 線路内に土砂:朝日新聞デジタル (asahi.com)

<高速鉄道脱線事故>なぜ事故車両を埋めたの?報道官も当初は疑問視―中国鉄道部 (recordchina.co.jp)

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