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政治講座ⅴ1127「疑心暗鬼に陥る習近平、疑わしきは罰する中国」

 権力者はいつ寝首をかかれるかを心配している。日本の戦国時代の下剋上はまさにその極地であろう。しかしながら、現代の会社の組織においても、このような権謀術数が繰り広げられているのである。つまり腹黒くなければ出世できないのである。合併した組織には派閥ができる。それが、業績の競争意識として機能するなら活性化になるが、それが逆に足の引っ張りあいに作用することも多々ある。そして、その組織の業績の低迷で自己改革できるかがその真価を試されるのである。翻って国家においてはどうであろうか。政策の失敗を隠蔽するために、外敵を作って失政を外に向けさせる手段として戦争をすることが往々としてある。中国の台湾がその標的として利用される可能性がある。今回はその中国の報道記事を紹介する。

     皇紀2683年6月3日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

習近平がアメリカの「親中派」を捕まえ始めた「恐ろしすぎる理由」 もはや「用済み」だ

長谷川 幸洋 によるストーリー • 1 時間前

恐ろしすぎる「反スパイ法」

中国が「反スパイ法」を強化した。中国人はもちろん、外国人も「公安当局がスパイの疑いありとみなせば、出国を禁止できる」という法律だ。米国人も「200人以上が拘束されている」という報道もある。「中国という国の恐ろしさ」を如実に示している。

反スパイ法は2014年に制定され、4月に改正された。スパイ行為について、第4条は「スパイ組織およびその代表者以外の外国の機関、組織、および個人が…国家安全保障に関する文書やデータ、資料などを盗む行為」などと書いている。

これだけなら、もっともらしいが、後段には「その他のスパイ活動」とある。つまり、定義を同義反復しているだけで、当局が「コイツはスパイを働いている」とみなせば、誰でもスパイにされてしまうのだ。

中国の習近平総書記[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス

第16条は「スパイ行為を発見した市民や組織は、すみやかに国家安全保障機関に報告しなければならない」と密告を奨励した。第44条は「国家治安機関は、関係する法律にしたがって、国家機関、人民組織、企業、公共機関、組織、その他の社会組織または個人の輸送や通信ツール、場所、建物を優先的に使用または要求できる」と定めている。

国家治安機関は政府を含めて、あらゆる組織を思いのままに動かせるのだ。治安機関こそが国の最高権力機関であることを如実に物語っている。税関や移民管理などの組織に対しても、当然、国家治安機関が命令できる。

恐ろしいのは、第33条だ。「国家安全保障を担当する国務院部門は、国家安全保障を危険にさらす可能性がある、または国益に重大な害を及ぼす可能性のある中国市民を、限られた機関、国からの出国を承認しない」「スパイ行為の疑いのある人が国外に出ることを許可しない」と定めている。

出国禁止になった人は数えきれない

中国人はもちろん、外国人もスパイの疑いがあれば、出国を禁止できるのだ。この改正反スパイ法は7月1日から施行される予定だが、実際には、これまでも別の法律を適用して、国民や外国人の出国を禁止してきた。

いったい、出国禁止になった人々はどれほど、いるのか。

中国が世界中に設置している「非公式警察署」問題を初めて「告発」したスペインの非政府組織(NGO)、セーフガード・ディフェンダーズは5月2日、中国の出国禁止に関する報告書を発表した。それによれば、2015年時点で、出国を禁止された中国人は約1400万人に上る、という。多くがウイグル人やチベット人だ

なかには外国人もいる。報告書は別の資料を引用して「2019年までに128人の外国人が拘束されている」と紹介している。内訳はカナダ人44人、米国人29人、オーストラリア人18人などだ。

実際は、これよりはるかに多い可能性が高い。2月5日付の米ニューズウイークは「少なくとも200人以上の米国人が拘束されている」と報じた。

4月24日配信の米メディア、ニューズネーションによれば、中国を商用で訪れたある米国人は、麻薬不法所持の疑いで、滞在中のホテルで雇っていた運転手兼通訳とともに拘束された。彼の所持品から薬物は見つからなかったが、運転手兼通訳が薬物を所持し「彼のものだ」と訴えたからだ。

拘束は免れているものの、出国できない米国人もいる。中国の裁判所が民事訴訟で数百万ドル(数億円)の支払いを命じているためだ。支払わない限り、出国が認められない状態が続いている。

「親中派」だからこそ…

スパイ容疑となると、大変だ。米CNNは5月16日、スパイ容疑で中国に拘束されている78歳の中国系米国人に「終身刑が宣告された」と報じた。彼は親中派として、テキサス州の中国系米国人社会では、有名な人物だった。

親中派なのに「なぜ」と思われるかもしれない。実際、ニュースを紹介したCNNも「なぜ親中派が捕まるのだろうか」とキャスターが首をかしげたほどだ。だが、話は逆だ。私は「親中派だからこそ、捕まったのだ」とみている。

米国との対立を深めている中国は、米国が在米の親中派を警戒しているのを承知している。中国とすれば、中国の内情をよく知る親中派が米連邦捜査局(FBI)に事情聴取されたら中国の秘密を漏らしてしまうかもしれない」と恐れたとしても、不思議ではない。

バイデン米大統領[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス

そうだとすれば、親中派こそ、中国が先手を打って拘束する最優先のターゲットになる。中国にとって、なぜ親中派がありがたかったか、と言えば、世界に中国のプラスイメージを撒き散らしてくれる宣伝マンだったからだ。だが、そんな時代は過ぎた。

反スパイ法が改正された4月は、どんな時期だったか。2月に中国のスパイ気球が米国に撃墜され、米中関係は一挙に悪化していた。中国とすれば「いまさら、中国を宣伝してもどうにもならない。もはや、米国とは対決するしかない」と腹を固めた可能性がある

一言で言えば「親中派は、もはや用済み」なのだ。

中国に駐在する日本人や、これから中国に出かける研究者などは「中国に人脈があり、政府や企業の内情に通じた人ほど狙われる可能性が高い」と考えたほうがいい。そういう人ほど、中国にとっては「内部情報を握られている危険人物」なのである。

違法入国する中国人が続出

米国務省はホームページで「中国は出国を禁止して、外国にいる家族などに中国への帰国を促す圧力をかける」「民事紛争を有利に解決しようとする」「外国との交渉を有利に運ぼうとする」「ほとんどの場合、空港で突然、出国できないと分かり、異議を唱える法的メカニズムはない」などと、旅行者に警戒を呼びかけている。

日本の外務省も警戒を呼びかけてはいるが、米国に比べれば、一般的な注意にとどまり、切迫感が感じられない。もっと具体的に、過去に拘束されたケースを紹介するなどすべきではないか。

林芳正外務大臣[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス

一方、米国に違法入国を試みる中国人たちも続出している。5月5日付のアジアニュースによれば、昨年10月現在で6500人以上の中国人が米国とメキシコの国境で待機している、という。これは前年の15倍以上だ。

3月29日付の米メディア「アクシオス」は、16歳の息子を連れて、タイ、トルコ、エクアドル、パナマ、グアテマラ、メキシコなど11カ国を回り、最終的に米テキサス州で国境警備隊に逮捕された中国の人権活動家のケースを紹介している。彼は「中国の独裁専制主義と人権弾圧から逃れてきた」という。

ところが、先のアジアニュースによれば、なかには「当局に弾圧された」と偽って亡命を申請し、認められると、逆に中国の手先となって「非公式警察署」に協力して、在米中国人の弾圧に手を貸すケースもある、という。

こうなると、何が真実なのか、分からなくなる。中国人の扱いは一筋縄ではいかない

中国で「村幹部一家皆殺し」がトレンドになった理由~習近平・独裁体制下の民衆ストレスが身近な権力者に向かっているのか

北村 豊 によるストーリー • 

実質的な村のNo.1一家が

中国メディアが5月11日付で報じたところによれば、山東省済南市長清区の某村で「村幹部」の一家3人が殺害されるという事件が発生した。

by Gettyimages© 現代ビジネス

事件の発生は5月10日午後5時頃であったが、通報を受けて現場へ到着した警察が検証したところでは死者に外傷があったので殺人事件であると断定。夫婦に15歳の息子を加えた一家皆殺しであったことから怨恨による可能性が見込まれた。

警察はすばやく容疑者を絞り込んだが、発見した時には彼はすでに法の裁きを恐れて自殺していた。それでは容疑者はどうして一家皆殺しという凶悪事件を起こす必要があったのか。

被害者の劉継傑は今年63歳、地元ではやり手として知られ、兵役後に建築用建具工場を経営して成功し、後に文昌街道李西村の「村党支部書記」(正式名称は「中国共産党李西村支部書記」、実質的な村のNo.1)兼「村委員会主任」に就任した。劉継傑の村党支部書記としての評価は高く、山東省労働模範や済南市優秀村党支部書記などに選ばれて表彰された。

同じく被害者で今年37歳の張栄娟は劉継傑の再婚相手で、長清区の政治協商委員であった。劉継傑が再婚したのは48歳の時で、美貌の張栄娟は当時22歳、2人の年齢差は26歳であった。事件後に中国のあるネットユーザーは、夫婦の年齢を足せばちょうど100歳とめでたいはずだったが、不幸にも夫婦は殺害された、と掲示板に書き込んだが、何とも皮肉な話である。

3人目の被害者は夫婦の息子で15歳の劉●恩で、高級中学(高校)1年生だった。母親の張栄娟が37歳だから、息子の劉●恩は結婚早々の22歳の時に産んだ実の子供と思われる。

父親の権威を笠に着て

さて、警察の捜査によれば、劉継傑と張栄娟の夫婦は応接間で、息子の劉●恩は寝室でそれぞれ殺害されていた。一家皆殺しの原因を探った結果、判明したのは、息子の劉●恩による学校内における「覇凌(いじめ)」であった。

自殺した容疑者の賈強(こきょう)は長清区第一中学(略称:長清一中)教育課の副課長であり、それ以前は優秀な英語教員でクラス主任でもあった。

劉継傑には前妻との間にすでに30歳以上になる息子がいるが、後妻の張栄娟が息子を産んだのは彼が48歳の時で、「老来得子(年をとってから子供ができる)」であり、劉継傑と張栄娟の夫婦は劉●恩を甘やかして、わがまま放題に育てたのだった。劉●恩は父親の権威を笠に着て学校では勝手気ままに振る舞い、同級生に対するいじめを繰り返していたので、学校で問題になっていたが、息子を溺愛していた劉継傑は息子をたしなめようとはしなかった。

容疑者の賈強は自身の息子が学校で劉●恩から執拗ないじめを受けていたので、各種のルートを通じて劉夫婦に劉●恩のいじめを止めさせるように懇願していたが、劉夫婦は賈強を無視して相手にしようとしなかったばかりか、劉●恩のいじめはますます激しくなっていった。

つい最近、賈強の息子が劉●恩に殴られて意識不明に陥った事件が発生した。この事件で怒り心頭に発した賈強が劉家に押し入り、劉継傑、張栄娟、劉●恩の一家3人を次々と殺害したのだった。

賈強はまんまと殺害を成功させたが、凶行後に罪の意識にさいなまれ、法の裁きを恐れて、凶行からわずか1時間後の10日午後6時頃に自殺して果てたのだった。

かつては逆らうなど考えられなかったが

上述した村党支部書記や村委員会主任などの役職は「村幹部」と総称されるが、彼らは地方の末端行政組織である「村」の権力者であり、かつては、村人たちは彼らの力を恐れて表立って逆らうことなどなく、ましてや彼らに対して刃傷沙汰(にんじょうざた)になることは余程のことがない限り考えられないことだった。

しかしながら、習近平による独裁政権下となってから、中国では社会不安の増大が混乱を呼び起こし、「村幹部」に対する報復がたびたび発生するようになり、極端な「滅満門(一家皆殺し)」が多発しているのが実情である。

5月12日の中国メディアは、上述した劉継傑一家3人皆殺しの記事を文頭に配して『またしても村幹部一家全員が殺された。今年すでに5件も発生』という見出しの記事を報じたし、これとは別の中国メディアは5月14日付で上述した劉継傑事件を含む「死者16名、重傷2名。わずか10日間で3人の村幹部が一家皆殺しされた」と題する記事を掲載したのだった。

そうした記事が報じられるほどに「村幹部一家皆殺し」が1つのトレンドとなっている中国。一家皆殺しが行われた理由はそれぞれ異なるはずだが、そこには何か共通するものはないのか。上述したメディアが報じた事件の中から主な例を4つ挙げると以下の通り。

【事件:その1】5月1日午後3時頃、山西省定襄県(ていじょうけん)宏道鎮西社村で重大事件が発生した。西社村は人口1700人、耕地面積は3.47平方キロメートル(サッカー場600個に相当)で、村民の大部分は農業に従事している典型的な農村である。犯罪容疑者の続●強(男、38歳、未婚)は2年間服役し、最近刑期満了で釈放されたばかりで、鬱憤を抱えて自宅で酒浸りの生活を送っていた。

情報によれば、彼は村長に濡れ衣(ぎぬ)を着せられたことで2年間の刑務所暮らしを余儀なくされた由で、出所後は村長に恨みを抱き、幾度も村長に面談するよう要求していたが、無視されて全く相手にされなかった。5月1日の午後3時頃、酒の力を借りて復讐を決断した続●強は刀を持って村長宅へ押し入り、村長一家3人を殺害したのだった。

犯行後に続●強は逃亡したが、警察は3日3晩にわたって全力で捜査を展開し、5月4日昼に太原市の小さな旅館に潜伏していた続●強を逮捕することに成功した。事件の詳細は調査中で未だに公表されていない。

村幹部への憎悪はどこから

【事件:その2】5月11日早朝4時頃、遼寧省東港市椅圏鎮馬家崗村で刃物による重大な殺傷事件が発生した。犯罪容疑者は馬家崗村万和小隊に居住する金●(男、64歳)で、彼は「屠夫(食肉処理業者)」で、暇な時は近所の家に豚や羊を解体処理してあげるような気の優しい男だった。情報によれば、土地問題で紛糾した結果、金●と隣家の人が殴り合いの喧嘩となったが、多勢に無勢で金●は損失を被った。村幹部が紛争を調停したが、金●は村長が親戚である隣家の肩を持ったと思い、村長を憎悪するようになった。

5月11日早朝4時頃、豚処理用包丁を持った金●は彼を貶(おとし)めた村幹部の家を1軒ずつ押し入っては凶行に及び、村長を含む10人を殺害し、2人に生死の境をさまよう程の重傷を負わせた。

犯行を終えた金●は逃亡しようと通行して来た車を止めたが、全身血だらけの金●を見た運転手が彼の乗車を拒否すると、金●は怒りに任せて運転手にまで手をかけて殺害し、逃走したのだった。その後も金●は何の罪もない通行人2人を包丁で負傷させて逃走を続けたが、警察はドローンを使って山狩りを行い、最終的に金●を逮捕した。

【事件:その3】4月6日、重慶市彭水苗族土家族自治県の某村で4人が殺害される事件が発生した。犯罪容疑者の呉●●(男、54歳)は地元出身で頭の回転が速いと言われた人物であった。彼は早くに村の土地を譲り受けて幼稚園を開設すべく準備していたが不許可になった。その後はその土地でレンガ工場を開設しようとして不許可になり、最終的に養豚場を開設したが、環境問題で養豚場を山の上へ移設するよう命令を受けた。

村の干渉を受けて事業が不許可となったことで経済的に困窮した呉●●はにっちもさっちも行かなくなり、遂には事業を不許可にしたとして村幹部など4人を殺害した。殺害されたのは、村の組長、組長の妻、組長の兄、駐在する村幹部の4人だった。ただし、呉●●が4人を殺害した本当の理由が何だったのかは未だに公表されていない。なお、呉●●は凶行後に農薬を飲んで自殺を図ったが死にきれず、逮捕後に医院で治療を受けたと報じられている。

【事件:その4】1月19日に浙江省温州市平陽県で重大な殺傷事件が発生した。犯罪容疑者の楊●迅(男、42歳)は「宅基地(農村の宅地)」に関わる問題で他人と紛糾して頭に血が上り、刀を持ち出して凶行に及び6人を殺害したのだった。情報によれば、楊●迅は刑務所に服役したことのある前科者であるだけでなく、精神病院の入院歴があったという。また、彼に殺害された6人は村幹部とその家族であったと言われているが、その真相は不詳である。

「滅満門」

上述した一連の事件を総合的に考察した中国メディアは次のように評論している。すなわち、地方の末端行政組織である「村」で発生する多くの紛争は法律による解決が可能だが、各種の要素や社会の総合コストを考慮すると、多くの場合は地元解決の方式を採ることを選択する。

この地元解決方式には長所と短所があり、長所は大事を小事に変える矮小化が可能であるのに対して、短所はどろどろした人間関係の存在により法的解決の軌道から大きく外れることになる。

ただし、村幹部が物事を不正に処理したり、村幹部自身の利益を図ろうとすれば、矛盾は自ずと大きくなる。社会的弱者である村民は、もし自身の利益が侵犯されたり、尊厳が踏みにじられたり、人格が侮辱されたりすれば、不満の感情が蓄積して、極めて容易に「同帰于尽(共に滅びる)」ことを選択して「滅満門(一家皆殺し)」へと走るのである。

習近平の独裁体制下で言論統制が強化されつつある中国では、メディアの評論は上記が限度で、これ以上に踏み込んだ表現はできないのだろうが、村幹部の一家皆殺しが多発する根源現行の中国に対する民衆の不安と不満がそのはけ口を求め、その矛先が末端行政組織である「村」を支配する村幹部に向けられているのではないだろうか。

中国語の「滅門」あるいは「滅満門」という『一家皆殺し』を意味する言葉は、日本ではよほどの凶悪犯罪でなければ滅多に使われない表現である。中国では古代から清朝までの長期にわたり皇帝の権力を脅かすような重罪を犯した者にはその本人だけでなく、その一族にも連帯責任を負わせて、本人を含む一族全員を死刑に処して一族皆殺しとする「族誅(ぞくちゅう)」あるいは「族滅(ぞくめつ)」という風習があった。

上述した村幹部の一家皆殺しを図った犯罪容疑者たちの頭には恐らく伝統を踏まえた「族誅」や「族滅」の意識が依然として存続しているように思われるが、実際はどうなのだろうか。

米、台湾海峡の安定に決意 対中国、有事なら「壊滅的」

共同通信社 によるストーリー • 38 分前

3日、シンガポールで開かれたアジア安全保障会議で演説する米国のオースティン国防長官(AP=共同)© KYODONEWS

 【シンガポール共同】米国のオースティン国防長官は3日、シンガポールで開催中のアジア安全保障会議で演説した。中国が軍事圧力を強める台湾海峡で紛争が起きれば「壊滅的」な結果をもたらすとして「台湾海峡の平和と安定を維持する決意」を表明した。北朝鮮が「軍事偵察衛星」打ち上げを試みるなど、厳しさを増す東アジアの安保環境に強い危機感を示した。

 オースティン氏は、台湾海峡の一方的な現状変更には断固反対だとする一方、紛争が「差し迫っているわけでも、避けられないわけでもない」と述べ、強力な抑止力を維持する考えを示した。

中国に「紛争求めず」…でも「いじめにひるまず」 米国防長官が演説

朝日新聞社 によるストーリー • 3 時間前

アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)でスピーチする米国のオースティン国防長官=2023年6月3日、シンガポール、加藤あず佐撮影© 朝日新聞社

 米国のオースティン国防長官が3日、シンガポールで開かれている「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)で演説した。中国に対して「紛争や対立は求めないが、いじめや強制にひるむこともない」と語り、地域で影響力を増す中国には同盟・友好国との連携を強めて対抗していく姿勢を鮮明にした。

 台湾問題については「どちら側からであれ、一方的な現状変更に断固として反対する。紛争が差し迫っているわけでも、避けられないわけでもない。抑止力は強く働いており、それを維持するのが我々の仕事だ」と述べた。台湾海峡は商業航路や世界のサプライチェーンを支えており「紛争が起きれば壊滅的な打撃となる」と指摘。「米国は新たな冷戦は求めない。競争を紛争に発展させてはならない」と語った。

 衝突を避けるには、米中間で開かれた連絡手段を確保しておくことが重要だと改めて強調した。特に国防や軍の指導者同士の開かれたコミュニケーションの確保が不可欠だとし「中国が両軍の危機管理のためのより良い仕掛け作りに真剣に取り組もうとしないことを深く懸念する」と述べた。

米CIA長官、中国極秘訪問か 意思疎通の重要性伝える 英紙報道

朝日新聞社 によるストーリー • 1 時間前

2012年5月、北京国際空港に到着したバーンズ氏=AP。現在、米中央情報局(CIA)長官のバーンズ氏は、今年5月に訪中していたと報じられた© 朝日新聞社

 米中央情報局(CIA)のバーンズ長官が5月、中国を極秘に訪問していたことが明らかになった。英紙フィナンシャル・タイムズが2日、米政府当局者の話として伝えた。米中対立が深まるなか、バイデン政権として、中国側と水面下で意思疎通を図る目的があったとみられる。

 報道によると、米政府当局者は、「バーンズ長官が先月訪中し、中国側に情報当局間で意思疎通を続ける重要性を強調した」と述べた。バーンズ氏は中国の情報当局者とのみ面会したといい、バイデン政権では最もハイレベルの訪中となるという。米政府はバーンズ氏の訪中を公式には認めていない。

 台湾問題や貿易摩擦などをめぐって対立が深まる米中だが、昨年11月のインドネシアでのバイデン大統領と中国の習近平(シーチンピン)国家主席による首脳会談では、意思疎通の重要性を確認した。だが今年2月、米本土上空に飛来した中国の気球を米軍が撃墜した問題などを受け、対話の機運が遠のいていた。

 バーンズ氏の訪中は、その後、米側が中国との対話の再開を探るなかで行われたことになる。5月10~11日には、サリバン大統領補佐官と中国の外交部門トップの王毅(ワンイー)共産党政治局員がウィーンで会談。米中関係について、バイデン氏は5月21日、広島市での記者会見で「近く雪解けをするだろう」との見通しを示した。バーンズ氏の訪中結果を踏まえて発言した可能性がある。

 CIA長官はこれまでも大統領の命を受け、たびたび海外訪問をしてきた。バーンズ氏は2021年11月、バイデン氏の要請でロシアを電撃訪問。ウクライナに侵攻しないよう、懸念を伝えていた。またトランプ前大統領は18年、ポンペオCIA長官(当時)を訪朝させ、北朝鮮の非核化に向けた事前交渉を進めた。(ワシントン=清宮涼)


参考文献・参考資料

習近平がアメリカの「親中派」を捕まえ始めた「恐ろしすぎる理由」 もはや「用済み」だ (msn.com)

中国で「村幹部一家皆殺し」がトレンドになった理由~習近平・独裁体制下の民衆ストレスが身近な権力者に向かっているのか (msn.com)

米、台湾海峡の安定に決意 対中国、有事なら「壊滅的」 (msn.com)

米CIA長官、中国極秘訪問か 意思疎通の重要性伝える 英紙報道 (msn.com)

中国に「紛争求めず」…でも「いじめにひるまず」 米国防長官が演説 (msn.com)

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