政治講座ⅴ932「欧米市場で株価が急落。東京市場もこの流れを引き継ぎ、世界同時株安の様相」
米国で始まった金融機関破綻が、欧米市場で株価が急落。東京市場もこの流れを引き継ぎ、世界同時株安の様相。いよいよ、疑心暗鬼が傷を深くする。
報道に惑わされずに、冷静な判断を望む。経済の混乱の元は、米国発が多い。今回の金融の原因は米国から、パンデミックを起こしたのは中国、諸悪の根源である。
皇紀2683年3月16日
さいたま市桜区
政治研究者 田村 司
クレディ・スイス、「大き過ぎて救済できない」可能性-ルービニ氏
Erin Fuchs によるストーリー • 10 時間前
(ブルームバーグ): クレディ・スイス・グループはあまりに大き過ぎて救済できない可能性があると、著名エコノミストのヌリエル・ルービニ氏は警告した。同行の株価は15日の取引で急落し、上場来安値を更新した。
クレディS筆頭株主、追加支援の可能性否定-株価30%安で新安値 (2)
ルービニ氏は15日にブルームバーグテレビジョンに対し、「クレディ・スイスは一部の基準からすると、大き過ぎてつぶせないが、大き過ぎて救済できないかもしれないという問題もある」と発言。銀行監督当局に救済をうまく実行するリソースがあるか不明だと、付け加えた。
同氏は「問題はクレディ・スイスが資本を得られるかだ」とし、「さもなければ悪いことが起こり得る」と続けた。
原題:Credit Suisse Might Be ‘Too Big to Be Saved,’ Roubini Says(抜粋)
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©2023 Bloomberg L.P.
クレディ・スイス筆頭株主が追加支援否定-株価急落、CDSは危機水準
Yousef Gamal El-Din
2023年3月15日 18:46 JST 更新日時 2023年3月16日 2:38 JST
米財務省、米銀のエクスポージャー精査-ECBも欧州銀に質問か
クレディS、スイス中銀など当局に支援の示唆を要請-関係者
クレディ・スイス・グループの筆頭株主であるサウジ・ナショナル・バンク(SNB)は同行に追加投資をすることはないと、SNBのアンマル・フダリ会長が15日語った。SNBが取得したクレディ・スイス株の価値は3カ月で3分の1余り目減りした。
フダリ会長はクレディ・スイスへの追加出資について、「答えは絶対的なノーだ。規制と法律という単純な理由の他にも多数の理由がある」とブルームバーグテレビジョンのインタビューで述べた。追加的な流動性を求められたら、さらなる資金注入の用意はあるかとの問いに答えた。
CDSは危機的水準
クレディ・スイス株は同日のチューリヒ市場で一時31%安。終値では24%安となり、過去最大の下落率を記録。上場来安値も更新した。同行社債の保証コストは2008年の金融パニックをほうふつとさせる危機的な水準に上昇した。
事情に詳しい関係者が明らかにしたところによると、クレディ・スイスがデフォルト(債務不履行)に陥る可能性に備え、銀行各行がカウンターパーティーリスクを軽減するためクレディ・スイス債のクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)購入を急いだことも保証コストを押し上げ、特に1年物の保証料はそれより長期の保証料と比べてかなり割高となっている。
クレディS 社債保証コストが1000bp接近-政府支援議題でないと会長
クレディSのドル建て2026年償還債が急落、ディストレス水準に
中銀に支援の示唆を要請か
株価と社債価格の急落を受けてクレディ・スイスはスイス国立銀行(中央銀行、SNB)に対し、同行を支援する姿勢を公に示して欲しいと求めた。事情に詳しい関係者が明らかにした。スイスの連邦金融市場監督機構(FINMA)にも信頼感向上の後押しを要請したと、非公表の情報だとして匿名を要請した関係者が述べた。
中銀に対する支援の要請は、英フィナンシャル・タイムズ(FT)が先に報じた。クレディ・スイスはコメントを控えた。
クレディS、スイス中銀に支援の姿勢を公に示すことを要請-FT
米財務省は米銀のエクスポージャー精査
一方、米財務省はクレディ・スイスの状況を監視していると、同省報道官が発言。事情に詳しい関係者によると、同省は欧州当局と連携しつつ、クレディ・スイスに対する米銀のエクスポージャーを精査している。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が事情に詳しい関係者を匿名で引用して報じたところによると、欧州中央銀行(ECB)当局者は15日、監督対象の金融機関にクレディ・スイスへの金融エクスポージャーについて質問した。
ECB、クレディSへのエクスポージャーを金融機関に質問-WSJ
フランスのルメール財務相は15日中にクレディ・スイスを巡る状況についてスイス側と協議する計画だと、ボルヌ仏首相が述べた。
スイス中銀は15日、クレディ・スイスを巡る状況についてコメントを控えた。UBSグループのラルフ・ハマーズCEOは同日ロンドンでの会議で、クレディ・スイスについての「仮定の質問」には答えられないと述べ、自行の戦略に集中していると強調した。
筆頭株主のサウジSNB、CSFB出資にも関心なし
クレディ・スイスは投資銀行部門をスピンアウトしウェルスマネジメントに集中する複雑な再編を実施中だが、複数の米地銀の破綻を受け金融機関への懸念が市場で高まる中で、再編実行の困難は増しそうだ。
ウルリッヒ・ケルナー最高経営責任者(CEO)は14日に、財務は健全だとして約150%の流動性カバレッジ比率に言及していた。市場が混乱した13日にも顧客資金が流入したとし、再編計画はスケジュールよりも進展しているとも述べた。
サウジアラビアの政府系ファンドが37%保有するSNBは、クレディ・スイスが昨年行った増資でアンカー投資家となり同行株約9.9%を取得した。取得時の価格は14億スイス・フラン(約2000億円)だったが、数カ月の間に5億フラン以上が失われた。
フダリ会長は持ち分を10%超とすると、サウジアラビアやスイス、欧州の当局から新たな規制の対象になると説明。持ち分を増やさない理由は「ほかに5つか6つ挙げられるが、一つは規制による暗黙の上限」だと指摘、新たな規制の対象に入りたいとは思わないと語った。
クレディ・スイスがスピンアウトする投資銀行部門、CSファースト・ボストンの持ち分取得には関心がないとも同会長は述べた。
アクセル・レーマン会長は15日、政府支援が必要なのではないかとの臆測を打ち消し、そうした支援は「議題になっていない」と言明。同行の問題を米シリコンバレー銀行(SVB)破綻と比較するのは不正確だと主張した。
クレディ・スイスを巡るドラマは、米SVB破綻後の銀行セクターに対する投資家信頼感の弱さを示すものでもある。
原題:Credit Suisse Dollar Bonds Due 2026 Plunge to Distressed Levelsf、Credit Suisse in Fight to Win Back Confidence as Shares Plunge、Credit Suisse Hits New Low as Top Holder Rules Out Bigger Stake、Credit Suisse Top Holder Rules Out Investing More After Drop (3)、Credit Suisse Top Holder Rules Out Investing More After Drop (1)、Credit Suisse One-Year Default Swaps Near Distressed Zone (1)、Credit Suisse CDS Reach Crisis Levels as Banks Seek Protection、Le Maire to Speak With Swiss Counterpart About Credit Suisse (1)(抜粋)
クレディ・スイス劣後債保有者は損失迫られる-ヘッジファンドが指摘
Esteban Duarte によるストーリー • 1 時間前
(ブルームバーグ): クレディ・スイス・グループのジュニア債(劣後債)保有者は損失計上を迫られる可能性が高いと、ヘッジファンドのベテラン運用担当者ホセ・モスケラ氏が指摘した。
モスケラ氏はこうした見方が、クレディ・スイスのデフォルト(債務不履行)の可能性に対応するデリバティブ(金融派生商品)などの価格に基づいていると説明した。同氏はヘッジファンドのロー・インベストメンツとクアドリガ・クレジット・オポチュニティーズの最高投資責任者(CIO)でHSBCホールディングスの元金融クレジットトレーディング責任者。
15日午前の時点で、クレディ・スイスの「その他ティア1債」(AT1債)は額面を80%下回る水準が示唆された。これはディストレス債と通常見なされる水準だ。また事情に詳しい複数の関係者によると、金融機関がクレディ・スイスに対するエクスポージャーを短期的にカバーしようとしたことで、1年物クレジット・デフォルト・スワップ(CDS)スプレッドはデュレーションが長めのものを大きく上回った。
モスケラ氏は「クレディ・スイスの短期CDSはほぼ調達不可能だ」などとする一方、「ディストレス債の水準にある劣後債は豊富な供給が見られている」と指摘。このことから「劣後債保有者の完全な負担を伴う破綻処理を市場は非常に高い確率で織り込んでいると思う」と述べた。 トレースによると、ジュニア債の一つである偶発転換社債(CoCo債)の価格は15日、額面1ドル当たり39.89セントと、前日の73.15セントから下がった。この永久債の表面利率は9.75%、発行残高は16億5000万ドル(約2200億円)。 クレディ・スイスの担当者はコメントを控えた。関連記事:クレディS、必要に応じてスイス中銀が流動性支援を提供へ (1)クレディS筆頭株主が追加支援否定-株価急落、CDSは危機水準 (3)クレディS、スイス中銀から最大7兆円余り借り入れ計画 (2)原題:Hedge Fund Says Credit Suisse Swaps Point to Junior Bond Losses(抜粋)More stories like this are available on bloomberg.com©2023 Bloomberg L.P.
クレディ・スイス支援へ スイス中銀が声明「流動性を供給する」
毎日新聞 によるストーリー • 2 時間前
スイス国立銀行(中央銀行)と同国の金融規制当局は15日、信用不安から株価が急落したスイスの金融大手クレディ・スイスに対し、「必要があれば流動性を供給する」と支援を表明した。米シリコンバレー銀行の破綻をきっかけに、金融市場では財務基盤の弱い金融機関への信用不安が広がっており、異例の声明で不安の沈静化を図った。
クレディは14日に公表した年次報告書で、過去の財務報告の内部管理に「重大な弱点」があったと発表。15日には筆頭株主サウジナショナル銀行がクレディへの追加投資を見送ると報じられ、クレディ株は一時、前日比30%超下落し、過去最安値を更新した。また、欧州の主要株式市場も金融株を中心に急落した。
市場に動揺が広がる中、スイス国立銀行と金融当局の連邦金融市場監督機構(FINMA)は共同声明で、クレディ株下落について「米国の銀行の問題がスイスの金融市場に波及する直接的なリスクはない」と強調。さらに「資本と流動性に関する厳格な基準がスイスの金融機関の安定を保証しており、クレディ・スイスはその要件を満たしている」とし、「必要があれば、スイス国立銀行が流動性を供給する」と表明し、信用不安の払拭(ふっしょく)を図った。
クレディは米投資会社「アルケゴス・キャピタル・マネジメント」関連の取引で巨額の損失を出し、2021年1~3月期の最終(当期)損益は2憶5200万スイスフラン(約360億円)の赤字を計上するなど業績が悪化。経営の立て直しを進めている。【ブリュッセル宮川裕章】
日経平均株価も大幅反落 クレディ・スイス懸念で世界同時株安か
毎日新聞 によるストーリー • 1 時間前
16日午前の東京株式市場の日経平均株価(225種)は大幅反落した。スイスの金融大手クレディ・スイスの経営不安から金融システムの先行き懸念が強まり、15日の欧米市場で株価が急落。東京市場もこの流れを引き継ぎ、世界同時株安の様相となっている。日経平均の下げ幅は一時500円を超え、約2カ月ぶりに節目の2万7000円を下回った。
東京証券取引所=和田大典撮影© 毎日新聞 提供
午前11時現在は前日比324円53銭安の2万6904円95銭。
ロイター通信は15日、経営再建を進めるクレディ・スイスに対し、筆頭株主であるサウジアラビアの銀行が追加出資を見送ると報じた。シリコンバレー銀行など米国の銀行破綻に続き、財務基盤の脆弱(ぜいじゃく)なクレディの信用不安が広がり、クレディ株が暴落。欧州市場では金融株を中心に株価が急落し、ニューヨーク株式市場のダウ工業株30種平均の下げ幅は一時720ドルを超えた。【杉山雄飛、ワシントン大久保渉】
日本株の「植田銘柄」を大公開…日銀総裁交代で「爆上がり」しそうな12社の実名 「金利上昇」を見据えて動く
安恒 理 によるストーリー • 7 時間前
日銀総裁の動向に注目
2023年に入ってすでに2か月が過ぎた。
今年は株式市場のみならず日本中が新しい日本銀行総裁の動向、とりわけ金融政策に大いに注目している。
長年、異次元の金融緩和政策を採り続けた黒田東彦氏の後任として、誰が日銀総裁に就くか注目が集まっていた。日銀総裁の考え方が、日本の金融政策を大きく左右するからだ。
当初、黒田総裁の後釜には、日銀出身で副総裁だった雨宮正佳氏の就任が本命視されていた。事実、日本政府は雨宮氏に総裁就任を打診したと伝えられて、金融緩和策が維持されるとの期待から株価は上昇した。
ところが2月10日になって、次期総裁に元日銀審査委員の植田和男氏を起用する人事案が固められたと報じられ、為替市場では一時的に円高に振れ、株式市場は一時的なショックから売りに押されることとなった。
しかし2月24日の衆議院の議院運営委員会での所信聴取にて、「(従来の筋痛緩和政策は)成果があった」「必要な対応だった」という植田氏の発言は株式市場には好感を持って受け止められ、株価は元の水準に戻りその後大きな変化は見られない。
だが日経平均株価は2万7500円前後でもみ合い状態となっている、いうまでもなく出口の見えないウクライナ問題、それに関連して先行き不透明な米中関係、そして国内に目を向ければ3月から4月にかけて行われる統一地方選挙といった政治リスクの問題が、相場を膠着化させているようだ。
金利問題に限っていえば、いずれ異次元の金融緩和の出口を探る動きが出てくるはずだ。というのも、いつまでも金融緩和策を続けるわけにはいかないからだ。では、利上げが行なわれるのはいつか。為替市場、株式市場は植田新総裁の動向に目が釘付けになる。
今後、株式市場は金利上昇を見据えた動きとなる。その状況にあって、どのような銘柄が物色されるのか、探っていこう。
まず利上げとなれば、一般的に株式市場にはマイナスに作用するとされる。とりわけ有利子負債の大きい企業は利払い負担が増えるため、株価にはマイナスだ。逆にいえば無借金の企業の株は物色されやすいといえる。また金利が上昇すれば、貸出金利の利ザヤが大きくなるため銀行などは運用益が増える。同時に、円高に振れやすくなるので、原材料の多くを輸入に頼っている製造業などは恩恵を受けることになる。
以上のような概況を踏まえたうえで、個別のセクター、個別の銘柄の説明に移ろう。
業績好調のメガバンク
金融ではメガバンクがいずれも業績好調だ。
三菱UFJフィナンシャルグループ(8306)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、みずほフィナンシャルグループ(8411)といった3メガバンクはいずれも業績好調。しかもいずれも連続して増配を行ない、配当利回りも4%をゆうに超えている。PERも10倍以下とけっして割高ではない。
懸念材料としては、すでに株価が上昇し続けているという点。この先、どこまで上昇するかがポイントとなり、もし外部要因で急落する場面が訪れたとしたら、そこが絶好の押し目買いのチャンスとなるだろう。
また地銀のなかには、業績好調でありながらさえない動きを見せている銘柄もあるので、こに「お宝銘柄」が潜んでいる可能性が強い。たとえば西日本フィナンシャルホールディングス(7189)やしずおかフィナンシャルグループ(5831)などが面白そうだ。
輸入販売事業の動向は……
金利上昇ともなれば円高に振れる。ただ日銀総裁に就任する植田氏が「当面は金融緩和を継続」と発言したことで、3月に入ってもさほど円高には振れていない。
そのため円安が足かせとなって業績を悪化させている銘柄がいくつかある。
その一つがニトリホールディングス(9843)だ。
家具・インテリアの安売りで知られるニトリを運営する。海外に自社工場もあるがメインは海外メーカーからの輸入品だ。
業績は、2022年2月期が8115億円の売上に対し営業利益は1382億円。
これに対し2023年3月期(今期は13か月11日決算)は会社計画では9636億円の売上、1506億円の営業利益。変則決算で分かりにくいが、会社計画では増収増益。しかし「会社四季報」(新春号 2022年12月中旬発)の独自予想では売上9100億円、営業利益1400億円だった。四季報の予想が弱気である理由の一つに円安の打撃が挙げられている。
しかし、金融緩和政策が転換したら円高に振れる可能性が高い。24年3月期の業績に寄与するのは当然と考えるべきだ。
株価もさえない動きとなっている。2020年から2021年夏にかけては2万円~2万2000円の往来相場だったが、その後株価は下落。1万2000円を割り込んだところから回復したものの1万5000円前後の水準にある。
長期で保有すればいずれ報われるのではないだろうか。
ニトリホールディングスは、最低売買単位でも150万円もの資金が必要になるため、「とても手が出しにくい」という投資家には三井松島ホールディングス(1518)はどうだろうか。
石炭を輸入販売する事業が主軸だが、石炭価格の高騰で業績は絶好調だ。2023年は売上780億円(前期比67%増)、営業利益350億円(前期比315%増)。
この好業績を反映して株価は急上昇。2020年は年初来安値670円をつけるなど、株価は1000円前後をうろついている状況だった。風向きが変わった2021年夏から動意づき、株価はうなぎ上り。2022年夏には4590円の高値をつけた。その後調整局面に入って同年秋には2500円割れ。その後再び4000円を目指す動きとなっている。
「会社四季報」では、2024年は減収減益との独自予想を出しているが、それでもなお高水準だ。上値がどこまであるか予想が難しいが、まだ余地はあると見る。
好調のコスモホールディングス
ほかにも石地・石炭に関連する銘柄は利上げ(=円高)メリットを享受するものが多い。その一つがコスモエネルギーホールディングス(5021)だ。持株会社で傘下に石油元売りのコスモ石油がある。
これまで原油価格上昇の追い風を受けて、業績を急伸させてきた。
2022年3月期の営業利益は2353億円で、前年比倍増と大幅アップさせた。2023年3月期の業績予想は2兆8000億円(前期比14.7%増)と増収ながら、営業利益は1740億円と前期比26.1%の減益。この減益は原油価格の下落と円安が大きな要因だ。
原油価格の下落というマイナス要因は織り込んでおり、為替に関しては円高までは織り込んでいない。この為替変動のプラス影響は2024年3月期にも発現するだろう。
また2023年3月期の営業減益の要因には、中国の経済停滞で石油化学部門が打撃を受けたこともあった。が、その中国経済の停滞も最悪期を脱出する見込みだ。
2024年3月期の業績は、「会社四季報」では厳しい見方をしているが(コスモエネルギーは未発表)、株価は金利上昇(=円高訂正)を見込んで上昇機運にある。
2021年は2000~2500円の往来相場だったが、2022年4月に3000円を突破。夏に4000円を超えた後、2023年に入って3500円まで調整した。その後再び上昇を始め、2月にまた4000円を超えた。まだ上値余地はあると見る。ちなみに最高値は2018年につけた5140円だ。
円高を享受する輸入産業の注目株
円高メリットを享受するのは輸入産業だが、そのなかからマルハニチロ(1333)を挙げたい。水産物を取り扱う食品会社だが、それこそ世界の海から魚介類を輸入し、国内で製品を流通させている。食品の値上げに追随する形での水産物の価格上昇が業績に追い風となっている。それに拍車をかけているのが、今年後半にも予想される利上げを意識した円高相場への移行だ。
加工食品にとっては原材料価格の上昇が痛手となるが、今年1月にはカンヅメなどの出荷価格の改定を行った。
業績も好調。2023年3月期は売上9700億円(前期比11.9%増)、営業利益270億円(前期比13.4%増)。純益にいたっては38年ぶりの最高純益となる。
株価は2021年位以降、2500円を挟んでボックス相場を形成している。しかしその上げ下げの値幅は少しずつ狭まってきている。いずれ上か下、いずれかに放れるだろう。上に放れたとき、すなおに買い出動したい。
食品・飲料メーカーともに原材料を輸入している場合が多い。円高ともなれば業績にプラスになることは必至だ。
この分野からもう一社、キリンホールディングス(2503)を推したい。ビールを中心とした酒類が主軸だが、2022年12月期中から原材料費高の影響を受けながら増収増益を続ける。
円高が進行すれば海外からの原材料輸入コストが下がり、利益に大きく貢献する。さらに値上げ効果もこれから発現する。
株価にこの好業績が織り込まれるのはこれからだ。
2022年前半には1800円割れから立ち直り、2022年夏に2300円まで復活。その後1900円ほどの調整局面を迎えたところから再び上昇機運にある。まだ上値余地はある。
航空会社の復活はあるか
最後に空運から代表的な2銘柄、日本航空(9201)、ANAホールディングス(9202)を推したい。この2社はいずれもコロナ禍の打撃をまともに食らい、2021年3月期、2022年3月期ともに大幅の営業赤字を計上した。2023年3月期は業績も回復傾向で営業黒字を目指すが、足を引っ張っている要因が燃油費高だ。
円安が燃油調達のコスト要因となっているが、円高に振れればコスト削減となる。年末から来年にかけてその効果が期待できる。
両社とも先を見越して株価は回復傾向にあるが、さらなる上値追いが長期的に期待できる。
黒田日銀総裁の任期満了は4月8日。後任の植田新総裁は、すでに金融緩和の継続を表明しているが、いずれゼロ金利政策の転換を迫られることになる。株式市場が、金利上昇を意識し始める時期がポイントとなるだろう。
参考文献・参考資料
クレディ・スイス、「大き過ぎて救済できない」可能性-ルービニ氏 (msn.com)
クレディS筆頭株主が追加支援否定-株価急落、CDSは危機水準 - Bloomberg
クレディ・スイス劣後債保有者は損失迫られる-ヘッジファンドが指摘 (msn.com)
クレディ・スイス支援へ スイス中銀が声明「流動性を供給する」 (msn.com)
日本株の「植田銘柄」を大公開…日銀総裁交代で「爆上がり」しそうな12社の実名 「金利上昇」を見据えて動く (msn.com)
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