やさしい法律(政治)講座ⅴ51「フジ住宅ヘイトハラスメント裁判」
日韓の政治問題から発生する事件は加害者も一種の被害者であると言えるのではないだろうか。今回はヘイト判例について報道の解説文を掲載する。
皇紀2682年9月11日
さいたま市桜区
政治・法律研究者 田村 司
はじめに
吾輩は韓国記事を沢山乗せて政治・文化・歴史を論じている。韓国旅行をしながら日本と変わらないという感想を持った。そして、以前は吾輩の周りにも韓国ファンが多く、「冬のソナタ」ブーム時には大久保駅の近くへの韓国店へも行った。今は「ヒーラー 最高の恋人」を視聴している。吾輩は韓国の嫌いな部分と大好きな部分が混在する。嫌いなとことは国民の事を真剣に考えない政府行政・立法・司法などの国家権力である。好きなのは、ケンチャナヨのおおらかな国民性である。おおらかな国民を騙して政権を維持する国民もいるのである。前回の大統領選の候補者 李在明氏は前科4犯の経歴を持つ強者である。遵法精神もケンチャナヨで指導者を決めてしまう国民性は理解できない部分である。そして、「反日」で自国経済を犠牲にしてまで不買運動をしている。自国の企業を苦しめているのである。捏造歴史教育で「反日」を煽り、政権維持に使い、嫌韓ブームに火をつけたのは否めない。
フジ住宅ヘイトハラスメント裁判 高裁判決のご報告
弁護士 冨 田 真 平
2021年11月18日、大阪高裁(清水響裁判官、川畑正文裁判官、佐々木愛彦裁判官)で、フジ住宅ヘイトハラスメント裁判の控訴審判決が言い渡された。
判決は、一審判決に引き続きフジ住宅及び会長の行為の違法性を認め、損害賠償額を増額してフジ住宅及び会長に132万円の支払いを命じ、さらに資料配布の差止めを命じた。
また同時に、直ちに配布を禁ずる仮処分命令も出した。
1 事案の概要
フジ住宅及び会長は、遅くとも2013年頃から、
①社内で全従業員に対し、人種民族差別的な記載及びこれらを助長する記載のある資料(以下「人種民族差別的資料ないし差別助長資料」という。)や会長が信奉する(政治的)見解が記載された資料を大量かつ反復継続的に配布してきた。
②中学校の教科書採択にあたって、全従業員に対し、特定の教科書が採択されるようアンケートの提出等の運動に従事するよう呼びかけていた。
③原告の提訴後、社内で、原告を含む全従業員に対し、原告を非難する内容の大量の従業員の感想文や(会社と密接な関係にある者の)原告を攻撃するブログを配布した。
2020年7月2日に大阪地裁堺支部で、上記①②③の行為の違法性を認め、フジ住宅及び会長に110万円の支払いを命じる判決が出された(一審判決の内容については民主法律316号103頁以下参照)。
これに対し、フジ住宅及び会長は判決を受け入れることなく控訴し、また、原告側も、一審判決の不十分な点をただすべく控訴した。
さらに、控訴審で上記①及び③の行為を差し止める請求を追加するとともに仮処分も申し立てた(一審判決後の状況については民主法律316号110頁以下参照)。
2 高裁判決の内容
(1) 高裁判決は第一審に引き続き、前記①②③の行為の違法性を認めた。
ア 上記①の人種民族差別的資料ないし差別助長資料の配布行為については、憲法14条、人種差別撤廃条約及びヘイトスピーチ解消法の趣旨に照らして、自己の民族的出自等に関わる差別的思想を醸成する行為が行われていない職場又はそのような差別的思想が放置されることがない職場において就労する人格的利益があると認めた上で、フジ住宅及び会長が、前記資料配布行為を使用者の優越的地位を背景に行った結果、職場において、朝鮮民族はすべて嘘つきであり、信用することができず、親中・親韓的態度を取る人物はすべて嫌悪されるべきであるなどといった意識を醸成させ、上記人格的利益を侵害したと認めた。
また、差別目的によるものではないなどというフジ住宅及び会長の弁解を退けて、差別を煽動する効果を有する行為を行ったことに変わりはないとして、違法性を認めた。
イ 前記②の動員行為について、使用者が自己の支持する政治活動への参加を労働者に促すことについては、たとえ参加を強制するものではないとしても、参加の任意性が十分に確保されている必要があるとして、その違法性を認めた。
ウ 前記③の原告攻撃の資料配布行為については、職場において抑圧されることなく裁判を受けることができる人格的利益を認めた上で、フジ住宅及び会長が優越的地位を利用し、本件訴訟の提起を非難する他の従業員や第三者の意見を、社内の従業員に対しても広く周知させ、原告に対し職場における強い疎外感を与えて孤立させ、本件訴訟の提起及び追行を抑圧したとして、このような人格的利益の侵害を認め、違法性を認めた。
(2) そして、高裁判決は、フジ住宅が、原判決で違法性が指摘されても省みることなく前記①及び③の行為を続けてきたことから、
(ア)韓国の民族的出自等を有する者又は韓国に友好的な発言若しくは行動をする者に対する侮辱の文書及び
(イ)原告を批判し又は誹謗中傷する文書と特定した上で差止めの必要を認めた。
3 高裁判決の意義
高裁判決は、前記のように差別的思想を醸成する行為が行われていない又は差別的思想が放置されることが無い職場において就労する労働者の人格的利益を認め、これを前提に、いわゆるパワハラ防止法の趣旨にも言及した上で、使用者が、労働者に対する関係で、民族的出自等に関わる差別的な言動が職場で行われることを禁止するだけでなく、そのような差別的な言動に至る源となる差別的思想が使用者自らの行為又は他者の行為により職場で醸成され、人種間の分断が強化されることが無いよう配慮する義務があると認めた。これは、職場内において差別的な思想が醸成されないよう積極的に配慮する使用者の一般的義務を認めたものであり、レイシャルハラスメントの事案について今後広く活用できるものである。
さらに、高裁判決が、損害賠償だけでなく、今なお続く資料配布の差止め及び仮処分まで認めた点も意義が大きい。
4 今後に向けて
フジ住宅は高裁判決の翌日にはさっそくHPで上告する旨のコメントを出し、フジ住宅及び会長ともに上告・上告受理申立を行った。他方で弁護団としては、フジ住宅が仮処分で禁止された資料の配布行為を行うおそれがあることや、判決後も社内システムで、仮処分で禁止された資料がダウンロード可能な状態となっていることなどから、間接強制の申立を行った。今後は、最高裁での闘いとともにいかにして実際にフジ住宅に違法な資料配布を辞めさせるかという点も課題となる。
原告は、一貫して会社に変わって欲しい(働きやすかった元の会社に戻って欲しい)という思いを述べており、高裁判決後の記者会見でも、「今度こそ会社に変わってほしい」という思いを述べた。
職場における労働者の人格権保障のため、会社が変わってくれることを信じて今もなおフジ住宅で働き続ける原告とともに弁護団・支える会が一体となって今後も闘う所存であるので、民法協会員の皆様には引き続き大きなご支援をお願いする次第である。
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報告 フジ住宅訴訟・大阪高裁判決 ―― その「功」「罪」
小島 新一 (産経新聞大阪正論室長)
出典 29fefb15e049965b792be5490124e21b.pdf (harc.tokyo)
■はじめに
―― 「ヘイトスピーチ」と「表現の自由」 大阪府岸和田市の不動産会社「フジ住宅」のパート従業員で在日韓国籍の女性(50代) が、社員教育の一環として配布された政治・思想的内容の新聞・雑誌記事などの文書資 料をめぐり、「民族差別的で、精神的苦痛を受けた」として会社側に損害賠償の支払いを 求めた訴訟の控訴審判決が令和3年11月18日、大阪高裁で言い渡された。
控訴審では原 告側が新たに文書配布の差し止めを求め、清水響裁判長は、一部の文言を含む文書につ いて配布の差し止めを会社側に命じた。
また損害賠償132万円の支払いも命じた。
文書の配布差し止めについては仮処分決定も出し、上告審の判断を待たず、差し止め の効力が即時に生じた(フジ住宅側は上告)。
1審判決について本誌第7号に報告した拙文「フジ住宅・在日韓国人従業員訴訟判決が はらむ、『ヘイト認定』の危険性」で紹介したように、1審で証拠採用された配布文書は、 平成25年2月から27年9月にかけて同社で配布された延べ490件。
歴史認識や領土、安全 保障問題などを軸にした韓国・北朝鮮・中国・国内の左派リベラル勢力への批判や反論、 戦前戦中の我が国の歴史を否定する自虐史観からの脱却を訴えるものなど、いわゆる保 守系識者の書籍や産経新聞、月刊『正論』の記事などだ。
出典が明記されていないものも 多いが、うち約200件が公刊物(インターネット上の記事や動画紹介を含む)と判断され、 残りは、こうした文書資料への社員の感想や意見が書かれた社内文書だった。
公刊物の うち50件は、産経新聞の記事や社説、外部識者の寄稿だった。 原告側はこれらを「人種差別的、民族差別的で、ヘイトスピーチ(憎悪表現)ないしそ れに類する資料」だとし、
弁護団は「フジ住宅ヘイトハラスメント裁判原告弁護団」を自 称している。
なお、控訴審判決では、公刊物資料への社員の感想が記された社内文書も配布差し止 めの対象となったが、社会的影響という観点から、特に断らない限り「配布文書」と記述 した場合は、上記約200件の公刊物を指すものとする。原告が自らの所属会社を提訴した ことを批判する社員の声が書かれた社内文書も、損害賠償支払い命令の一要素となって いるが、これは主に「裁判を受ける権利」の問題である。
本稿では、控訴審判決を、その「ヘイトスピーチ」認定や配布差し止め命令を軸にみて いきたい。
判決自身も認めているように、配布の差し止めは、公権力により、フジ住宅の 「表現の自由」(従業員教育の裁量)に事前の制約を科すものであり
1 、「事前抑制の原則的 小島 新一 (産経新聞大阪正論室長) 報告 フジ住宅訴訟・大阪高裁判決 ―― その「功」「罪」 論文 108 禁止の法理」の例外に該当する必要がある
2 。 配布文書の多くは、書籍、新聞・雑誌記事などの公刊物である。
会社内での配布は、 それらがいったん自由市場に出回った後の行為であり、国民が広く知る機会を制限するこ とにはならない。
ただその差し止めは将来的な行為(配布)に対する事前抑制であり、控 訴審判決も「予測に基づくものとならざるをえないこと等から、事後制裁の場合よりも、 広汎にわたり易く、抑止的効果も大きいと考えられることに配慮が必要」と、現実の出版 にも及びかねない影響の大きさを認めている。
判決と仮処分の差し止め命令が「表現の自 由」の不当な抑制=侵害に当たらないか、司法内外の幅広い検討が必要なのだ。
本誌第7号拙文で指摘したように、一審の大阪地裁堺支部判決(令和2年7月言い渡し) は、すべての配布文書に差別性、差別助長性があるかのように網をかけて配布の違法性 を認定した。その「網かけ」は、約200件の配布文書を個別に検討せず、韓国・北朝鮮・ 中国への批判や、慰安婦問題や南京事件といった歴史認識問題での事実を誇張したり、 ねつ造したりした不当な言説への反論自体も差別的であるかのように、一括りに評価する ものだった。 あまりに粗雑でレッテル張りに等しく、戦後占領期のGHQ(連合国軍総司令部)の検閲 に始まり、左派勢力や左傾的な思潮が主流の我が国言論界(既存メディアやアカデミアな ど)が実質的に引き継いできた、韓国・北朝鮮・中国批判の封殺をも想起させ、後でみる ように、控訴審では保守的立場の文書の配布一切をやめるよう求めた原告側にも利用さ れたのである。原告側の意図は別として、政治的・思想的論評や報道などの一般的言論 が「差別」の名の下で抑圧される状況をもたらす可能性もあったのだ。 これに対して控訴審判決が配布差し止めを命じた内容などは限定的であり、むしろ違 法性、すなわち個々の表現や内容については差別性や差別助長性を退けたものが多い。 「事前抑制の原則的禁止の法理」に「配慮した」というだけに、配布差し止め命令について は、控訴審判決の論理に一審判決のような粗雑さはうかがえない。 さらに、「事前抑制の原則的禁止の法理」への配慮という前提はあるものの、控訴審判 決が韓国・北朝鮮・中国に対する批判などの内容の正当性を担保、あるいは認めたうえで、 原告側が言い立てた差別性、差別助長性を退けている点は注目に値する。
当然の判断な のだが、前述したように、左傾化した戦後の言論界では、この3国(韓国については、80 年代後半のいわゆる「民主化」前は除く)への批判は「右翼」「軍国主義者」だとされ、批判 自体がタブー視される時代が長く続いた。
近年でも「嫌韓」「嫌中」などと、「差別主義者」 であるかのようなレッテルを張られる風潮がある。
今回の控訴審判決が、司法としてそうした戦後言論界の偏向とは一線を画し、保守的 言論の正当性を明文化したことには、画期的だの感を強く持つ。後述するが、歴史認識 問題をテーマにした配布文書について、原告側の「歴史修正主義で差別的」などとする主 張を退けた論旨は、特に注目に値する。
一方で判決には、「ヘイトスピーチ」の認定、配布差し止め命令および損害賠償命令の それぞれについて、問題を指摘せざるを得ない。 原告側が配布文書について主張した「ヘイトスピーチ」をめぐっては、「本邦外出身者 に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」(以下、「ヘイトス ピーチ解消法」)が平成28年6月に施行され、各地で具体的な規制・拡散防止措置を定め 109 た条例の制定も相次いでいる。 同解消法や条例をめぐっては、一部の条例をのぞき、
対象となるのが外国人や外国に ルーツを持つ人たちへの差別的言動に限定され、
日本人に対する差別的言動に適用され ない「日本人差別」法・条例だとの批判が根強い。
さらに「表現の自由」「言論の自由」の 侵害も懸念されている。
1審判決と第7号拙文について論じた本誌第8号の岡島実氏の論文「『ヘイトスピーチ 規制』:何が問題なのか」(以下、岡島論文)は、解消法や各地条例によって導入され始め た「ヘイトスピーチ」規定や規制を利用する形で、韓国・北朝鮮・中国に批判的な言説、 3国の国民や民族的ルーツを持つ人たちについての正当な論拠を持った検討の意図的な 封じ込め(同論文では「不当な言論支配」)を目論む勢力の存在を強く示唆し、その手段を 具体的に示しており、「ヘイトスピーチ」と「表現の自由」の関係を考えるうえで重要な指 摘となっている。
今回の控訴審判決は、1審判決が踏み込まなかった「ヘイトスピーチ解消法」に基づく 「ヘイトスピーチ」認定を、ごく一部の表現について行った。
同解消法の是非は別として、 法律として存在している以上、その適用も合理的だと思われる表現だ。ただ繰り返すが、 認定されたのはごく一部の表現であり、配布された文書類を網羅して「ヘイトスピーチな いしそれに類する資料」としていた原告側からすれば、肩を落とす結果だろう。しかしな がら、岡島論文の指摘も踏まえると、判決の「ヘイトスピーチ」認定とその文言を含む文 書の配布の違法性認定には、看過できない問題をはらんでいることが分かる。この点に ついては、今回の控訴審判決で判例として確定させるべきではないと考える。上告審も 含め、幅広い検討が必要である。
【注】本訴訟では他に、会社側から原告ら従業員に、歴史教科書展示の見学と現場での アンケートに特定教科書の採択を求める記述をするよう働きかけたことも、損害賠 償支払い命令の一要素となったが、ここでは取り上げない。
従業員と会社の関係に ついての法的評価といった側面が大きく、主に「表現の自由」の観点から控訴審判決 を検討する本報告の範疇からは外れる。 1 一・二審判決の損害賠償支払い命令 本誌7号の拙文でも紹介したように、1審の大阪地裁堺支部判決は、配布文書を以下 のように総括した(以下、「総括的評価」)。
3 「我が国と中華人民共和国(以下『中国』という。)・韓国・朝鮮民主主義人民共和国(以 下『北朝鮮』といい、これら3か国を併せて『中韓北朝鮮』という。)との間の外交問題(竹 島、尖閣諸島の領土問題)や歴史認識問題(従軍慰安婦、南京事件の歴史認識)、
②韓 国における人身売買、売買春、賄賂などの治安問題、
③日清戦争、日露戦争、日韓併 合、我が国による東南アジア諸国の統治及び東京裁判など第二次世界大戦以前におけ る我が国の対外政策、
④第二次世界大戦後の我が国における連合国による占領政策や、 沖縄県の米軍基地、原子力発電所再稼働、再軍備の問題、
⑤河野洋平内閣官房長官(当 時)による従軍慰安婦問題に関する談話や村山富市内閣総理大臣(当時)による第二次 110 世界大戦の歴史認識に関する談話の問題、
⑥我が国の公人による靖国神社参拝の問題、
⑦中国人又は中国企業による我が国の土地購入や、中国政府によるサイバー攻撃、サッ カーの国際試合における韓国人の振る舞いの問題などを主題として、中韓北朝鮮の国 家や政府関係者を強く批判したり、在日を含む中韓北朝鮮の国籍や民族的出自を有す る者に対して「死ねよ」「嘘つき」「卑劣」「野生動物」などと激しい人格攻撃の文言を用い て侮辱したり、日教組や株式会社朝日新聞社、親中親韓派の議員・評論家に対して「反 日」「売国奴」などの文言で同様に侮辱したり、我が国の国籍や民族的出自を有する者を 賛美して中韓北朝鮮に対する優越性を述べたりするなどの政治的な意見や論評の表明 を主とするもの」(下線は筆者) 論考や記事のテーマの列挙については、「従軍慰安婦」という文言の使用を除けば、事 実関係として問題はない。「従軍慰安婦」は、「戦後の造語であり、軍による強制連行を印 象づける」として長く批判され、政府も令和3年4月、「誤解を招くおそれがある」と閣議 決定したところである。
そのような文言を用いること自体も問題だが、深刻なのは下線を 付した部分である。
「強く批判」「激しい人格攻撃」「侮辱」などの文言を並べ、約200件に 及ぶ配布文書すべてに否定的な印象を与える記述である。
これが前述した「網かけ」である。
そのうえで1審判決は、フジ住宅側の文書配布について次の2つの判断を示した。
配布文書は原告女性を念頭に置いて記述されたものではなく、会社による配布も、原 告が閲覧しなかったことで不利益を受けたこともないことなどから、「原告個人に向けた 差別的言動と認めることはできない」とした。
一方で、配布文書の内容が「総括的評価」を主とするものであることから、「韓国の国 籍や民族的出自を有する者にとっては著しい侮辱と感じ、その名誉感情を害する」「被告 らから差別的取り扱いを受けるのではないかとの現実的な危惧感を抱いてしかるべきも の」と認定。
さらに、配布文書が「反覆継続」して従業員全体に「大量」に配布されている ことから、「従業員に特定の国への嫌悪感情を抱かせ、原告が職場で差別を受けるかもし れないと危惧して当然」と判断し、「労働者の国籍によって差別的取り扱いを受けないと いう(原告の)『人格的利益』を侵害するおそれは、社会的な許容限度を超えている」と結 論づけ、会社側に110万円の支払いを命じた。
4 控訴審判決は、1審同様、配布行為が「原告個人への差別的言動」であることを否定す る一方で、「何の配慮もなく一定の傾向を有する資料のみを継続的かつ大量に職場に流布」 したことは「民族差別の思想を起こさせないように配慮する義務」を怠った職場環境配慮 義務違反だとし、1審判決後も文書の配布が行われたことなどから、賠償額を132万円に 増額した。
5 原告の配布差し止め請求と判決の判断 控訴審で、原告側は次のように社内配布の差し止めを求める文書を指定した。
6 「①中華人民共和国・大韓民国・朝鮮民主主義人民共和国の国家や政府関係者を強く 批判したり、
②前記3か国の国籍や民族的出自を有する者に対して「死ねよ」「嘘つき」 「卑劣」「野生動物」などの人格攻撃の文言を用いて侮辱したり、
③前記3か国に友好的 な労働組合やマスメディア、政治家、評論家などに対して「反日」「売国奴」などの文言 で同様に侮辱したり、
④日本やその民族的出自を有する者を賛美して前記3か国やそ の民族的出自を有する者に対する優越性を述べたりするなどの内容を含む、新聞、雑 誌、図書、パンフレット並びにインターネット上で配信されている記事、動画(なお、 原著作者以外の第三者が投稿して記載されたコメントを含む。)及びメールマガジンの 写し」(下線は筆者) 「1」で引用した1審判決「総括的評価」と下線部同士を比較すれば、原告側が「総括的 評価」のうちテーマの列挙を除く評価部分を、ほぼすべてそのまま引用する形で、配布の 差し止めを求めたことが分かる。
1審判決が配布文書すべてを網羅したのが「総括的評価」 であるから、原告が差し止めを求めたのは、これまでフジ住宅が社内配布してきたような 保守的立場からの政治的・思想的内容の公刊物全般の配布だったのだ。
これに対し、控訴審判決が配布差し止めを命じた文書類は以下の性格のものである(媒 体の種類は、上記原告の請求と同じであるため省略)。7 「①大韓民国の国籍や民族的出自を有する者に対して『死ねよ』『卑劣』『野生動物』な どの文言を用いて侮辱し、又は②大韓民国に友好的な発言又は行動をする者(労働組 合やマスメディアを含む。)に対して「売国奴」などの文言で同様に侮辱する内容を含む 文書」 配布差し止めについて、原告側の請求と判決の原告の配布差し止め請求と判決の命令 の対照を表で示すと、以下となる。
フジ住宅の社員教育用文書資料などの配布差し止め項目 原告側が配布差し止めを求めた内容 大阪高裁判決の配布差し止めの内容 中国・韓国・北朝鮮の国家や政府、政府関 係者を強く批判 (差し止めを命じず) 前記3カ国(中国・韓国・北朝鮮)の国籍 や民族的出自を有する者に対して「死ねよ」 「嘘つき」「卑劣」「野生動物」などの人格攻 撃の文言を用いて侮辱
韓国の国籍や民族的出自を有する者に対し て「死ねよ」「卑劣」「野生動物」などの文言 を用いて侮辱
前記3カ国(中国・韓国・北朝鮮)に友好 的な労働組合やマスメディア、政治家、評 論家などに対して「反日」「売国奴」などの 文言で侮辱
韓国に友好的な発言または行動をする者 (労働組合やマスメディア含む)に対して 「売国奴」などの文言を用いて侮辱
日本やその民族的出自を有する者を賛美し て、前記3カ国やその民族的出自を有する 者に対する優越性を述べる (差し止めを命じず) 112 表中、二重傍線部は、原告の請求を控訴審判決が認めなかった内容や文言である。
前 述したように、配布差し止めを求めなかった内容のほうが多いことが分かる。1審で証拠 採用された配布文書でいえば、1審判決や大阪高裁の仮処分決定書に添付された文書目 録の概要説明で確認できる限り、公刊物約200件中、配布差し止め命令の対象となる性 格のものは4件にすぎない。
以下、控訴審判決の個別の判断をみていきたい。
なお、控訴審判決は、
「(在日)死ねよ」 「野生動物」という2つの表現について、ヘイトスピーチ解消法にいう「ヘイトスピーチ」 に該当すると明確に認定した。
この点については、この2つの文言を含む文書の配布行 為の評価とあわせ、別に検討する。 1) 韓国・北朝鮮・中国の国家、政府関係者批判 判決は、この内容の文書配布の差し止めを認めなかった。その理由を「自国政府である か他国政府であるかを問わず、政府やその政策、政治家に対する批判は、売国奴等など の侮辱的言辞を含むものでなければ、一般に許容されるべき性質のもの」と説明、これら 論評や記事の正当性を認めている。
8 そもそも内外の政治をめぐる論評や記事の公益性は社会的に広く了解されており、「売 国奴等の~なければ、」という条件(後述)を除けば、判決の判断は当然である。
むしろ、これらすべての配布を禁止させようとした原告側の意図には、差別的文書の 配布があったという訴えの本旨を超え、これら3国への批判のタブー視を招いてきた国内 左傾言論との同調性を感じる。
これらの内容の文書を、「強く批判」などと抽象的かつ否 定的な修辞を用いて、原告側の配布差し止め請求に利用された1審判決も同様だ。
控訴審判決は続けて、「韓国政府の対日政策や、中国政府の人権問題、北朝鮮の拉致問 題に対する対応等を批判した新聞記事や公刊物の職場内の配布は、その閲覧が任意であ り、強制や不利益の契機を伴うものでない限り、それを違法として禁止すべき理由はな い」とも指摘している。
周知のように、中国共産党政権によるウイグルやチベット、南モンゴル、香港での深 刻な人権弾圧に対して、わが国の国会が今年2月に採択した「非難」決議は、中国を名指 しせず、人権弾圧はおろか「侵害」との文言も含めないものだった。 わが国政府も公然と批判している韓国政府の対日政策や北朝鮮の拉致問題への対応と 並べて、その「中国の人権問題」を報道や論評の正当な対象として列挙した判決を評価し たい。
2) 韓国、そして北朝鮮と中国 原告側は、この3国の国籍や民族的出自を有する者、また3国に友好的な政治家らや メディアなどを「侮辱」する文言を含む文書の配布差し止めを求めたが、判決は、北朝鮮 と中国に関連する文書については認めなかった。
原告女性は在日韓国籍なのだから、北 朝鮮と中国関連文書については法的利益に乏しく、これも当然の判断である。
にもかかわらず北朝鮮・中国関連の文書の配布も差し止め請求した原告側、「総括的評 価」に含めた1審判決には、
1)と同様に訴訟本来の趣旨を超えた意図があるのかとの疑 いを持たざるを得ない。
113 3) 配布差し止めを認めた「卑劣」、認めなかった「嘘つき」 判決は、「卑劣」を含む文書の配布差し止めは認め、「嘘つき」については認めなかった。 その理由について、いずれも判決の言及はないが、ともに激しい人格攻撃、侮辱的文言 である。なぜ差し止めの当否の判断が分かれるのか不可解だ。 「卑劣」については、他民族を批判する文言として不適切(あるいは人種差別撤廃条約 などに違反する)であることは自明だということかもしれないが、理由の説明もなく文書 配布の差し止め命令を下したことは、前述の「事前抑制の原則的禁止の法理」への配慮に 欠けるのではないか。 「嘘つき」を含む文書の配布差し止めを認めなかった理由についても、直接の言及はな い。判決は、フジ住宅が「中国や韓国は『騙されるほうが悪い』『噓も100回言えば本当に なる』と信じている民族」などとする社内外の文書の配布により、「現実の差別的言動を 生じさせかねない温床を作出した」とも指摘している。 そのような問題がある文言だとしても、例外的に表現の「事前抑制」が認められる要件 ――
①表現内容が真実でなく、又は専ら公益を図るものではないことが明らか、かつ② (表現による)被害者が重大にして著しく回復困難な損害を被る虞(おそれ)があるとき9 ―― に該当せず、配布を差し止めなかった可能性はある(今回は公刊物の私企業内での 配布をめぐる争いであり、要件②についてのみ該当性が問題となる)。 この点は、「ヘイトスピーチ」認定の項でも改めて論じたい。
4) 「反日」――司法でも「市民権」を得たか 判決は、「反日」という文言を含む文書も配布差し止め対象から外したが、その理由に ついても言及はない。 「反日」は、モラロジー道徳教育財団教授・麗澤大学客員教授の西岡力氏が、サハリン(樺 太)残留韓国人や日本軍慰安婦などをめぐる対日戦後補償要求活動の中心人物の一人、 高木健一弁護士から平成25年4月に訴えられた裁判でも問題になった文言だ。西岡氏が、 高木氏について「事実を歪曲しても日本を非難すればよいという姿勢」「反日日本人」と表 現したことなどが名誉棄損にあたると高木氏は主張したが、1、2審とも高木氏の請求を 棄却し、平成27年1月に最高裁で西岡氏勝訴の判決が確定した。10 西岡氏は「反日」を、「日本と日本民族が他の国や他の民族に比べて著しく悪い性質を 持っていると考える立場」と定義している。11「反日」という文言は、そのような定義を超 えて、日本の国益に反するなど、相当広範囲な意味で用いられてもいる。相応の根拠が あれば問題ないというお墨付きを司法で得た、といえるのではないか。
5) 「売国奴」「売国」 判決は、これらの文言について、後述の「ヘイトスピーチ」と同程度に反公序良俗性、 強い侮辱性と人格攻撃性を指摘し、これらが使われた文書の配布差し止め対象とした。 これらの文言で「親韓」「親中」の個人・組織と批判した場合、「他国に対し理解を示す主 張に対し、その主張者の人格を攻撃することにより、是非を問うことなく当該主張を封殺 しようとするものであり、特定の者に対して行われた場合には刑法の侮辱罪に当たるおそ れがある」。12 114 しかし例えば、他国との親善や健全な外交関係の構築をうたいながら、実はその裏で 他国から金銭などの利益供与を受けて、その国を利するための言動をする政治家や団体 が存在するとすればどうなのか。刑法の外患罪や外患誘致罪を犯したものはどうなのか。 それらの行為や行為者に対してまで、「売国」「売国奴」との表現を禁止するのであれば、 安易な「言葉狩り」との批判を免れまい。
6) 「日本人賛美」「中韓北とその民族に対する優越性の主張」 判決は、「その表現内容や文脈を離れて、一律に配布を禁止することは広範囲にすぎる」 「差別的意識を醸成することなく配布することは可能」とし、原告側の配布差し止め請求 を認めなかった。テーマ・題材が多岐にわたり、差別性、差別助長性が薄い内容がほと んどだという判断だと思われる。
13 なお判決は、フジ住宅の経営理念で、文書配布の目的でもある「自虐史観を克服し、日 本人としての誇りを持つ」ことは、「反社会的なものでも、公序良俗違反になるものでも ない」とも指摘している。
14「はじめに」で指摘したように、戦後の偏向思潮と一線を画す 控訴審判決の姿勢が、ここにも感じられる。
7) 「歴史修正主義」論の否定 原告側は1審で、配布文書のうち歴史認識問題について記述された相当数を「歴史修正 主義」だとし、次のようにその差別性を主張した。「客観的な歴史学の成果を無視し、都 合のよい過去を誇張、ねつ造し、都合の悪い過去を過少評価、抹消して、自らのイデオ ロギーに従うように過去を修正しようとする考え方」であり、「従軍慰安婦や南京大虐殺 の史実を否定したり、我が国のアジア侵略を正当化したり、日中韓における歴史認識問 題について中韓の見解はねつ造であるとして国家、国籍保有者及び民族を同一視して非 難したりすることを内容とする」。 そのうえで「労働者よりも優越的地位にある使用者が、職場において歴史修正主義を内 容とする表現を流布させると、従業員の間でアジア蔑視、排外主義の職場環境が形成さ れ、在日韓国人である原告に対する閉塞感、圧迫感、屈辱感を与えるとともに、原告が 周囲から劣った存在であると社内で認識されることとなる」ため、「人権差別や民族差別 を助長する」のだという。
15 「歴史修正主義」は、控訴審での原告側の文書配布差し止め請求の対象としては明示さ れていないが、請求対象として列挙した①~③に幅広く含まれ、判決も検討しているの で、以下見ていきたい。 判決は、原告側が「歴史修正主義」の文書とした中條高德氏の書籍『おじいちゃん 戦 争のことを教えて』について、「原告の歴史観とは異なる歴史観を示し、韓国における反 日教育等を批判したものとして、原告の意に沿わないものであったかもしれないが、全体 の文脈をみれば、民族的出自等に基づく差別を扇動し、助長する意図で書かれたものと いうことはできない」とした。
16 また、長崎県・端島(軍艦島)で戦前に朝鮮人労働者の奴隷労働があったとする韓国政 府の主張に反論した雑誌「Hanada」令和2年9月号の記事「韓国が早速クレーム『産業遺産 情報センター』」(加藤康子・「産業遺産国民会議」専務理事著)について、「元島民からの 115 聞き取り調査の結果等に基づく事実についての反論や日本政府の対応を批判する内容の ものであって、民族的出自等に基づく差別を扇動し、助長するような意図や効果があると は認められない」と認定している。
17 そのうえで判決は、国連の人種差別撤廃条約に基づく人種差別撤廃委員会(Committee on the Elimination of Racial Discrimination=CERD)の勧告と、そこに引用された自由権 規約人権委員会の一般的意見を根拠に、原告が「歴史修正主義」とする文書の配布は、「直 ちに職場における人種差別や民族差別を助長し、差別的思想を醸成する行為として違法 になると評価できない」と判示し、配布文書を「歴史修正主義」とする原告側の主張を退 けている。以下、判決文より勧告・一般意見を引用する。
18 ① CERD:人種主義的ヘイトスピーチに関する一般勧告35・パラグラフ14(一部) 「委 員会(CERD:筆者注)は、歴史的事実に対する意見の表明は禁止または処罰されるべ きではないことを強調する」
② 自由権規約人権委員会:一般的意見34・パラグラフ49 「歴史的事実に関する意見の 表明を罰する法律は、意見及び表現の自由の尊重に関して(国際自由権:筆者補)規 約が締結国に課している義務と両立し得ない。規約は、過去の出来事に関する誤った 意見又は不正確な解釈を表現することに対してこれを全般的に禁止することを許容し ない」 実は、このCERD勧告文書などに基づいたフジ住宅側(弁護団)の原告側への反論は、 大阪高裁(控訴審裁判官ら)からの指示に基づいてなされたもので、「事前抑制の原則的 禁止の法理」への配慮という前提を超えた、控訴審判決の積極性な擁護の姿勢すら感じる。 管見の限り、CERDの勧告などを根拠に、歴史認識問題での日本批判への反論の正当性 を主張する言説や試みはなかったと思われる。
控訴審判決が原告側の「歴史修正主義」の 主張を否定したことは、韓国・北朝鮮・中国を批判する議論、および日本を攻撃的に批 判するこれら3国や、それに同調する国内勢力への反論の支えになるはずだ。
特に近年では、米欧の学界で、批判的人種理論、さらにはフェミニズムなどの影響で、 他国・他民族を植民地支配、併合統治するなどした国や民族、ないしはその歴史や男性 を無条件に「悪」、被支配・被統治国や民族、女性は「被害者」で「善」とみなす風潮が強 まり19、歴史認識問題に女性問題が重なる慰安婦問題で、韓国側の不当な主張(「韓国人 女性20万人強制連行」や「性奴隷」説)への事実に基づく反論を門前払いする事態も続い ている。米ハーバード大学のマーク・ラムザイヤー教授の論文の、学術誌への不掲載問 題などがそうだ。 「歴史修正主義」という言葉は、国内では、戦後70年にあたった2015年前後、安倍晋 三首相(当時)が東京裁判史観を払拭する首相談話を出すのではないかとの観測が広まっ たことなどを契機に、東京裁判史観の批判や、慰安婦問題での不当な主張(「性奴隷」説 など)への反論への批判として、盛んに用いられた。
そもそもは、第二次世界大戦の戦勝国(主に米英)が、ユダヤ民族大量虐殺という蛮行 を行ったナチス・ドイツの政治行動を評価する言論に対して使用してきた経緯がある。20 実際、「歴史修正主義」という文言を用いる側が、安倍首相をヒトラーになぞらえて批判 することもあった。
つまり「人種差別・民族差別的」だという非難を含意しているのだ。 116 そのような言葉に、人種差別撤廃委員会の勧告で反論するのであるから、有効性は期待 できる。議論や研究を深めるべき論旨だろう。
4 「ヘイトスピーチ」認定と原告側の「拡張」志向 上記岡島論文は、韓国・北朝鮮・中国を批判するなどの言説封じ込め=「不当な言論支配」 を目論む勢力が、「『ヘイトスピーチ』やこれに類する語を拡張的に用いる」ことを手段と しているとし、そのような勢力を「拡張論者」と呼ぶ。そのうえで拡張論者には「言論そ れ自体の説得力によって優劣を競うのではなく、法的制裁の威嚇や当該勢力の考える倫 理観に反するという非難を伴う言動によって、反対の言説を封じ込めようとする意図」が 認められるとする。21 以下、こうした論点も踏まえて、控訴審判決の「ヘイトスピーチ」認定についてみてい きたい。
1) 「事前抑制の禁止」原則の例外 控訴審判決は、「(在日)死ねよ」「野生動物」という2つの表現について、「ヘイトスピー チ解消法」第2条の定義要件を満たす「不当な差別的言動」=「ヘイトスピーチ」と明確に 認定した。22 後者は「韓国人の思考…野生動物がまさしくこれです」との文章中の文言だ。 本誌第7号の拙文でも紹介したが、いずれも配布文書が紹介するYouTube動画の画面と ともに印刷された、動画コメント欄の不特定者の書き込みだ。反社会性すらうかがえる 強い侮辱表現であり、その限りでは、「ヘイトスピーチ」認定もやむを得まい。 判決は、フジ住宅による文書資料類の社内配布の目的について、同社側の主張通り、「従 業員に対して、自虐史観に囚われている状態から解放し、我が国について正しい歴史認 識を有することで、日本人としての誇りや自己肯定感、愛社精神を高めるため」と認定し ており、この2つの文言を含む資料配布についても、「本邦外出身者に対する差別的意識 を助長し又は誘発するところにあったと認めるに足る証拠はない」とした。 しかし差別的意識の助長、誘発目的でなくても、公序良俗に反するこの2つの文言を 含む文書の配布は「その表現を更に広める行為」であり、「差別を扇動する効果を有する」 と判断した。
23 「1」で見たように、1審判決に続き控訴審判決は、文書配布が反復継続して行われた ことを会社側の不法行為認定の主要要件としているが、この2つの表現と上述の「売国奴」 「売国」を含む文書については、「一資料を配布する個別の行為であったとしても、差別的 思想を職場において醸成する行為に該当する」と厳しい判断を示してもいる。
24 さらに、「死ねよ」「野生動物」という文言がネット上の匿名のコメントとして紛れ込ん でいただけとの原告側の主張も、「使用者が職場において従業員に対して配布する以上、 不適切な表現である旨を付記したり削除したりするべきだった」と退けている。
25 この「強い違法性」が、「事前抑制の原則的禁止の法理」の例外として配布を差し止めた 根拠(前記例外該当要件中の②に相当)にあたると判示した、と解釈できる。 しかし、本判決は、「ヘイトスピーチ」文書が会社内で配布されたという状況について の、初めての司法判断だと思われる。配布行為がたとえ過失であっても、さらに「差別意 117 識の醸成」という目的がなくても違法性を認定することの妥当性は、それがヘイトスピー チ解消法の濫用にあたらないかも含めて、議論の必要がある。 しかも、「ヘイトスピーチ」と認定された文言入り文書が配布されたのは平成25年6月 と7月であり、「ヘイトスピーチ」解消法の施行(平成28年6月)前である。判決も考慮は しているが、やはり法の遡及適用の是非の観点からも妥当性が問われよう。26 以上が、最高 裁の判断が必要だと主張する所以である。
2) 「ヘイトスピーチ」の拡張認定と混乱 「野生動物」という表現の「ヘイトスピーチ」認定にも、問題を指摘せざるを得ない。解 消法第2条の条文は、以下の通りである。 「この法律において『本邦外出身者に対する不当な差別的言動』とは、専ら本邦の域 外にある国若しくは地域の出身である者又はその子孫であって適法に居住するもの(以 下この条において『本邦外出身者』という。)に対する差別的意識を助長し又は誘発する 目的で公然とその生命、身体、自由、名誉若しくは財産に危害を加える旨を告知し又 は本邦外出身者を著しく侮蔑するなど、本邦の域外にある国又は地域の出身であるこ とを理由として、本邦外出身者を地域社会から排除することを煽動する不当な差別的 言動をいう」 外国にルーツをもち、「本邦に(適法に)居住する者」を対象とした言動であることが、 「ヘイトスピーチ」該当要件の一つである。これに対し、「野生動物」は、「韓国人」を対象 にした表現であることは前述した。つまり、定義からの逸脱が強く疑われるのだ。法務省 の「ヘイトスピーチ」の例示27からも逸脱している。 「韓国人」と「本邦居住者」が重なり合う在日韓国人の存在はあるが、「韓国人」という 場合は通常、日本国内に居住しない韓国籍の人たちを指す。判決には、その点への十分 な検討がうかがえない。不用意な定義の拡張だといえる。 もう一点、判決で不可解なのは、「嘘つき」という文言をめぐるヘイトスピーチ認定を めぐる、記述の混乱である。 控訴審判決が、配布文書内の表現やその内容について判断している箇所では、「ヘイト スピーチ」に当たる表現」として、原告側の配布差し止め請求対象文書指定の②を参照す るよう指示している29。「2」で引用したように、そのまま読めば「死ねよ」「嘘つき」「卑劣」 「野生動物」の4文言であり、「嘘つき」や「卑劣」も「ヘイトスピーチ」に含まれることになる。 「参照」を指示したからといって、4文言すべてを「ヘイトスピーチ」だといっているので はないかもしれないが、紛らわしいのだ。 確かに、「ヘイトスピーチ」表現を含む文書は配布差し止め対象になる、とした判決の 基準からしても、「嘘つき」は「ヘイトスピーチ」とは認定されていない、と判断できる。 では4文言の一つで、「ヘイトスピーチ」と明示されていないにもかかわらず、配布差し 止め対象とされた「卑劣」はどうなのか。「2―3)」で述べたように、「卑劣」「嘘つき」と いう2つの表現で配布差し止めの当否が分かれた理由も示されておらず、理解は困難だ。 この「嘘つき」をめぐる混乱が、報道に影響した可能性もある。判決言い渡し翌日の令 118 和3年11月19日放送の毎日放送(MBS)の報道番組では、「韓国人はうそつき」との表現が 「ヘイトスピーチ」と認定されたと、テロップまでつけて放送していた。取材記者が、判 決の配布差し止めにかかる箇所だけを見れば、そう誤解してもおかしくはない。 最高裁は、「表現の自由」の不当な制限を戒め、次のように判示している(最高裁昭和 59年12月12日大法廷判決。「札幌税関検閲事件」)。表現の自由を規制する法律の規定に ついては、「一般国民の理解において、具体的場合に当該表現物が規制の対象となるかど うかの判断を可能ならしめるような基準をその規定から読みとることができるものでなけ ればならない」。なぜなら、「規制の基準が不明確であるかあるいは広汎に失するため、 表現の自由が不当に制限されるばかりでなく、国民がその規定の運用を恐れて本来自由 に行い得る表現行為までも差し控えるという効果を生むことになる」からである(「萎縮効 果」論30)。 以上は法律の規定、あるいはその解釈について述べられたものではあるが、「表現の自 由」を制約した今回の判決にも、同様に「一般国民の判断を可能ならしめるような基準」 が示されている必要があろう。 「嘘つき」をめぐる「ヘイトスピーチ」認定の混乱、あるいは「卑劣」とあわせた文書配 布差し止めの当否についての不明確性は、上記の「萎縮効果」論への配慮にも欠けている といわざるを得ない。
3) 「ヘイトスピーチ」解消法の趣旨適用の妥当性 「1」で見たように、判決は、フジ住宅側の文書配布行為が、「職場において民族的出自 等を異にする者に対する差別意識を醸成し、人種間の分断を強化することのないよう慎 重に配慮することが求められる」という「職場環境配慮義務」に違反する不法行為と認定 し、損害賠償の支払いを命じた。 この「職場環境配慮義務」の規定は、憲法14条(法の下の平等)や人種差別撤廃条約に 加え、同解消法の趣旨から導かれるとした。原告側は、この点を「規範として広く通用す るもの」などとして、大きく評価している。
31 差別がない職場環境が望まれるのは勿論だが、これまでみた通り、原告側には、「ヘイ トスピーチ」規定やその効果を拡張しようとする傾向がある。そのような原告側のアピー ルないしは運動により、企業運営に大きな影響を与えるような規制がなされないか、ヘ イトスピーチ解消法自体が「拡張適用」されないか、強く懸念される。 本項の1)で見た通り、判決は、「ヘイトスピーチ」文書の配布は、「差別意識を醸成させる」 という「目的」「意図」がなくても、そのような「効果」が生じていれば「職場環境配慮義務」 に違反するとした。大量ではなく、1文書だけの配布であっても違法とし、「死ねよ」「野 生動物」という文言がネット上の匿名のコメントとして紛れ込んでいただけとの原告側の 主張も、「不適切な表現である旨を付記したり削除したりするべきだった」と退けた。 原告側の主張と、これら判決をつきつめた論理を組み合わせると、≪企業は、職場で 配布されるあらゆる文書に「ヘイトスピーチ」表現がないかチェックする義務を負う≫ ――とする「ヘイトハラスメント防止法」なるものが制定されかねないのだ。 119 なお、本訴訟の原告側(弁護団や支援組織)が、岡島論文にいう「不当な言論支配を目 論む勢力」=「拡張論者」に該当するのか否かを判断する材料を、筆者は持ち合わせてい ない。ただ、「ヘイトハラスメント」という造語(「ヘイトスピーチ」の拡張語)を、1・2 審を通じて使用し続けたこと、「2―1),2)」でみたように、過剰なまでに広範囲にわたっ て文書配布の禁止を求めたことには留意したい。産経新聞や雑誌『正論』の記事などを含 む保守言論の公刊物が「ヘイトハラスメント」に使用されたとして、さまざまな形で抑圧 される結果となってもおかしくないのだ。原告側は外形的には、その「勢力」と合致して いるといえるだろう。
■「一定の傾向」という不当性 控訴審判決には、配布文書について十把一絡げに差別的であるかのように位置づけた 「総括的評価」を土台に、社内配布に違法性を認めた一審判決の論理構成をほぼ踏襲して、 不法行為を認定したという問題点もある。 「ヘイトスピーチ」認定した文言入り文書以外の配布文書について、「一つ一つの資料を 職場で配布したり、配布したりする行為自体は、直ちに不法行為を構成するということは できない」としながらも、「一定の傾向を有する資料のみを継続的かつ大量に職場に流布 することは、結果として、職場において差別的思想を醸成させることになる」と判断した のである。32 せっかく「配布差し止め」をめぐって、文書個々の内容に相当程度踏み込んで妥当性を 検討したのに、これでは元の木阿弥である。「一定の傾向」とは、韓国や北朝鮮、中国を 批判するなどの内容を指すと思われるが、配布文書は産経新聞の記事が4分の1を占め る。産経新聞を愛読すれば差別思想が醸成される、というに等しい論理だ。強く異議を 唱えたい。 今回の控訴審判決について新聞報道をみると、どのような文書が配布され、どの文書 の配布の禁止が命じられたのか、ヘイトスピーチと認められたのか、字数の関係もあるだ ろうが詳細は不明で、すべての文書が差別的だとして禁止されたかのような印象の報道 もある。表現活動の委縮を招きかねない事態だ。ここにも1審判決の「総括的評価」の影 響を感じざるを得ない。控訴審判決のいう「一定の傾向」という評価は、同様の誤解を招 くおそれもあるのだ。
■おわりに 以上見てきたように、控訴審判決は、一審判決が配布文書について示した、あまりに 粗雑で、左派の偏向言論を思わせるような一方的な「総括的評価」を否定した側面もある。 「表現の自由」を守る観点からは、一定の評価もできる内容だった。 ただ、「ヘイトスピーチ」の「拡張利用」につながりかねない認定や、配布差し止め対象 の基準の不明確さ、配布文書について1審判決同様の粗雑な認定をした上での賠償支払 い命令には、異を唱えざるを得ない。 岡島論文も指摘しているが、「ヘイトスピーチ」について調べていると、さまざまな場 120 面で「ヘイトスピーチ」が無原則に拡大使用されていることを、今回改めて実感した。「ヘ イトスピーチ」と、そうではない「差別的文言」の区別も、なくなってきているようにさえ 感じる。それは岡島論文にいうメディアにとどまらない。33 今回控訴審判決が示したよう に、「ヘイトスピーチ」と認定されれば、その表現、および表現者には厳しい「違法」の烙 印が押されることになりかねず、「拡張利用」によって言論を封じ込める動きには最大限 の注意が必要だ。それだけに、司法による「ヘイトスピーチ」解消法の適用には厳格性を 求めたい。
判決とは直接関係はないが、控訴審では1審に続き、北朝鮮による拉致被害者の救出 を願う国民運動のシンボル、ブルーリボンバッジを着用しての入廷が第1回口頭弁論か ら判決まで一貫して禁止され、さらには日の丸バッジまで禁止されたことも指摘しておか なくてはなるまい。
ブルーリボンは差別とは何の関係もなく、むしろ拉致事件という国家 による深刻な人権侵害事件の解決を訴えるという点では、民族差別をなくしたい原告側 の主張と共鳴するはずである。
原告、フジ住宅双方の支援者らがそれぞれ着用した揃い のバッジをめぐって双方間で争いとなる中ではあるが、フジ住宅の会長や同社支援者ら が着けていたブルーリボンバッジについても、「原告側からクレームがきた」ことを理由 に着用を禁止したのは、理解に苦しむ訴訟指揮である。
ブルーリボンバッジの着用禁止 については、着用を禁止されたフジ住宅の会長や支援者2人が、国家賠償訴訟を大阪地 裁に提起しており、その裁判の行方が注目されている。
注 1 フジ住宅訴訟控訴審(令和2年ネ第1866号 損害賠償請求控訴事件)大阪高裁判決(令和3年11月 18日言い渡し)判決書(以下 「控訴審判決」)38−39頁 2 『別冊ジュリストNo.241 メディア判例百選(第2版)』有斐閣、 2019年149頁。 「北方ジャーナル 事件」 での最高裁昭和61年6月11日大法廷判決で判示された。 3 同訴訟1審(平成27年ワ第1061号 損害賠償請求事件)大阪地裁堺支部判決(令和2年7月2日言い 渡し)判決書(以下 「1審判決」)6頁 4 1審判決1、11、 15、 16頁 5 控訴審判決2、14、 26頁 6 同49頁 7 同47頁 8 同41頁 9 前掲『別冊ジュリスト メディア判例百選』148頁。 上記 「北方ジャーナル事件」 で最高裁判決、 憲法21条が絶対的に禁止する 「検閲」 は行政権が主体となるもので、 裁判所の 「仮処分」 による 事前差し止めは 「検閲」 には当たらないと判示する一方、 「厳格かつ明確な要件においてのみ許容さ れる」 とした。 10 西岡力『わが体験的コリア論』モラロジー道徳教育財団、2021年、60頁 11 同著7頁 12 控訴審判決18頁 13 同41頁 14 同22−23頁 15 1審判決128頁 16 控訴審判決20頁 121 17 同20頁 18 同21頁 19 ジェイソン・モーガン『歴史バカの壁』扶桑社、2020年、168~170頁/福田ますみ『ポリコレの正体』 方丈社、2021年、 161~164頁を参照のこと 20 小浜逸郎 「対日『歴史修正主義』批判と欧米の病」、 月刊 「正論」 2015年3月号 21 『歴史認識研究』第8号(令和3年春夏号)110頁 22 控訴審判決16−17頁 23 同17頁 24 同18、 26頁 25 同19頁 26 1審判決 別紙Aの1、控訴審判決10頁 27 法務省公式サイト「ヘイトスピーチって何なの」(https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken04_00108. html)。
≪特定の国の出身者であること又はその子孫であることのみを理由に、 日本社会から追い出そう としたり危害を加えようとしたりするなどの一方的な内容の言動が、 一般に 「ヘイトスピーチ」 と呼ばれています(前述 「人権擁護に関する世論調査」 より)。
例えば、
⑴ 特定の民族や国籍の人々を、 合理的な理由なく、 一律に排除・排斥することをあおり立てる もの(「○○人は出て行け」、 「祖国へ帰れ」 など)
⑵ 特定の民族や国籍に属する人々に対して危害を加えるとするもの(「○○人は殺せ」、 「○○ 人は海に投げ込め」 など)
⑶ 特定の国や地域の出身である人を、 著しく見下すような内容のもの(特定の国の出身者を、 差別的な意味合いで昆虫や動物に例えるものなど)≫ 「韓国人の思考は〜野生動物」 は、 ⑶と類似はするが、 「韓国人」 が、 日本国内に居住する 「特定 の国や地域の出身者」 を指すとは言い切れない。 28 控訴審判決16−17頁 29 同40頁 30 前掲『別冊ジュリスト メディア判例百選』149頁 31 令和4年11月18日付フジ住宅ヘイトハラスメント裁判弁護団声明/同月19日付毎日新聞朝刊29面 32 控訴審判決26頁 33 『歴史認識研究』第8号(令和3年春夏号)107
My opinion
最近、利己的でリテラシーに欠け、自己主張が強い者が多い。物事の本質を見極めず、曲解する輩が多い。「差別」と「区別」を混同して、すぐに差別を主張する。憲法14条を例にとろう。
第十四条
すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
② 華族その他の貴族の制度は、これを認めない。
③ 栄誉、勲章その他の栄典の授与は、いかなる特権も伴はない。栄典の授与は、現にこれを有し、又は将来これを受ける者の一代に限り、その効力を有する。
良く読んで頂きたい。誰が誰を差別してはいけないのか。それは国民が国民を差別していけないのである。日本人と外国人を分けるのは差別ではない。区別である。当然、区別が存在するのは韓国人だけではなく、他の外国人に対しても区別が存在する。その区別で待遇が違うのは当たり前である。日本人と同じ待遇を望むのであれば帰化申請して日本国籍になれば良い。在留資格で他の外国人より優遇している事に感謝するどころか、日本の文化や宗教を非難してわざわざ韓国から来て靖国神社に放火する輩を称賛する韓国人の姿を報道で知るたびに嫌いになるのである。東日本大震災の被害に対しても、「日本の大地震をお祝い(し)ます」で驚いた。
ただし、韓国人にも被災やに寄り添う励ましを頂いていたので、写真を掲載する。4割が「反日」4割が「常識的な人達」のようである、
日本と韓国を反目させて漁夫の利を得ようとする勢力が存在する事は確かである。それは、初代大統領の李承晩から始まっている。韓国の優秀な人材は反民族行為者として李承晩に処罰され粛清されたのである。この様な粛清(反民族行為者として処罰)の嵐のために故郷に帰れなかった人もいるようである。恨みは千年忘れないと朴槿恵大統領が言っていたので、まだ千年も和解できないのであろうか。韓国は「過去に生きる」日本は「未来に生きる」のである。韓国の憲法にも事後法の禁止(遡及法の禁止)があるにもかかわらず、通称「親日罪」(遡及法)で自国民の財産を略奪する行為は憲法違反である。流石に遵法精神もケンチャナヨと言っているのは如何かと韓国国民を心配しているのである。 どんとはれ!
参考文献・参考資料
フジ住宅ヘイトハラスメント裁判 高裁判決のご報告 | 民主法律協会(民法協) (minpokyo.org)
「韓国人はうそつき」ヘイト文書配布 フジ住宅の"違法性”認め賠償と侮辱的文書配布停止命じる最高裁判決(関西テレビ) - Yahoo!ニュース
「韓国人はうそつき」ヘイト文書配布 フジ住宅の"違法性”認め賠償と侮辱的文書配布停止命じる最高裁判決 | 関西のニュース | ニュース | 関西テレビ放送 カンテレ (ktv.jp)
李栄薫編著 『反日種族主義 日韓危機の根源』 文藝春秋 2019.12.15 第6刷発行
29fefb15e049965b792be5490124e21b.pdf (harc.tokyo)
https://getnews.jp/archives/143416
韓国人は「日本の大地震をお祝います」という横断幕を掲げた? #ネトウヨデマ対抗テンプレ - レイシズム監視情報保管庫 (hatenablog.com)
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