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政治(経済)講座ⅴ963「中国の不動産大手「中国恒大集団」の経営危機」

 中国の経済は何処に向かうのか。破滅への道を進むのか。日本の歩んだ道と同じにデフレ経済で伸び悩むのか。
 過剰にマンションを建築して、鬼城マンションと呼ばれる有様である。
 全人代で経済成長目標を5%としたようであるが、不動産や金融のデフォルト状態で達成できると思えない。
 少子高齢化現象が中国にも押し寄せているので、これからは低成長という経済の歯車が逆回転してくる。
 社会主義・共産主義は計画経済といいながら、他国の失敗を全然学習していないのに驚くばかりである。
 孔子の説く「中庸の徳」を理解していない「論語読みの論語知らず」である。中国はやり過ぎたのである。
 ソ連で共産主義の社会実験は失敗している。
日本のバブル崩壊の経験も「他山の石」としていない。学習能力皆無としか言いようがない。
思うに共産党指導の中国でなく、民主主義であったら、このような悲惨な経済危機にはならなかったと思われる。
今回はその関連報道記事を紹介する。なお、この企業だけではなく、氷山の一角であることを肝に銘じておく必要があっる。

     皇紀2683年3月26日
     さいたま市桜区
     政治研究者 田村 司

中国経済新聞に学ぶ~恒大ショックで不動産業界への不安高まる(前)


2021年10月21日 

中国の不動産大手「中国恒大集団」の経営危機がにわかに注目を浴びている。
 中国恒大集団は1996年に広東省広州市で、董事局主席(会長)の許家印氏が創業した民間の不動産開発企業だ。現在、中国最大の不動産企業と言われている、従業員数は16万人を超える。
 不動産開発には多額の資金が必要な上に、電気自動車製造、サッカークラブなど経営の多角化を進めるために、さらなる借り入れや外債を中心とした債券発行を行った結果、同社の負債は増加していった。
 恒大集団が公表した報告書によると、現在の負債総額は1兆9,665億元(約34兆円)と巨額だ。中国の名目国内総生産(GDP)の約2%に相当する負債を抱える企業が無策のまま破綻すれば、その影響は計り知れない。
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 9月20日、同社のデフォルト(債務不履行)懸念を受け株価が急落。10月12日、恒大集団は社債の利払いを再び見送った。過去3週間で3回目の利払い見送りとなった。ショックは欧州、米国、そして連休明けの日本にも波及し、世界同時株安の様相を呈した。
 一部世論では、「第2のリーマン・ショック」「中国経済崩壊」を懸念する声も聞かれる。恒大ショックで中国経済は危機に陥るのだろうか。
 なぜ、恒大集団は経営破綻危機に陥ったのか。中国政府の不動産規制強化が危機の引き金となった。中国政府は2020年8月、デベロッパーに対し資金調達の制限に関する指導を行った。そこで示されたのが、「三条紅線(3つのレッドライン)」と呼ばれる基準だ。
(1)(物件前売りで得る資金を除く)資産負債比率が70%以下
(2)自己資本に対する負債比率が100%以下
(3)短期債務を上回る現金保有(現金÷短期債務>1)
 この3つの基準の達成数に応じて、デベロッパーを「緑(3つ達成)」「黄(2つ達成)」「オレンジ(1つ達成)」「赤(すべて未達)」の4グループに区分し、年間の有利子負債の増加額を「緑」は15%以内、「黄」は10%以内、「オレンジ」は5%以内に抑え、「赤」は増加を認めないという内容だった。この基準を1つも達成できていなかった恒大は「赤」に分類され、資金調達が困難となる。
 恒大集団が危機に陥った大きな原因のもう1つは、政府の政策を見誤ったことである。 不動産業界は過去30年間、中国経済を支える3本柱の1つであり、生活や国民の「幸福感」に関わるものであった。よって政府は常に、経済を成長させるために不動産市場の発展を維持することを常に考えていた。
 中国の不動産バブルは、かねてから世界の金徼界や経済界で取り上げられていた。中国政府は08年のリーマン・ショック後に4兆元(約70兆円)規模の救済策を打ち出したが、民間企業には回らず、ほぼ全部が大手国有企業にわたってしまった。国有企業はあたかも宝くじに当たったかのように、一夜にして莫大な資金を手にし、次々と不動産に手を付け始めた。

恒大問題「世界の資本市場にリスク波及も」 IMFが警鐘

北米

2021年10月12日 23:30

IMFは中国恒大集団の債務問題の余波が世界に広がるリスクを警戒=ロイター

国際通貨基金(IMF)は12日に公表した報告書で、不動産大手の中国恒大集団の債務不履行(デフォルト)懸念について「広範な金融ストレスが生じ、中国経済や金融業界だけでなく世界の資本市場にも影響が及ぶリスクがある」と警鐘を鳴らした。官民で過剰債務を抱える中国の金融面の脆弱さも指摘し、中国当局による構造改革を求めた。

IMFが公表した国際金融安定性報告書(GFSR)は半期ごとに世界の金融システムを脅かしうるリスクを点検している。今回は中国の債務問題の分析に力点を置いた。恒大問題を個別に取り上げたのも警戒感の強さの表れといえる。

恒大は3000億ドル(約33兆円)を超す負債を抱え、信用不安が強まった今年半ば以降に株価や社債価格が急落した。IMFは危機の連鎖について「今のところ財務が脆弱な不動産開発会社や低格付けの企業に限られている」とみている。

ただ「緊張が広がるマクロ金融面の経路はいくつもある」と指摘。中国の不動産業界全体の信用問題に広がれば、融資や債券購入などで関わる多くの金融機関が損失リスクを抱える点を挙げた。「住宅価格の長期的な下落が家計の心理を冷やし、消費を圧迫しうる」ことや、地方政府土地売却収入の減少公共投資の削減といったリスクも指摘した。

中国経済の一段の減速や金融環境の悪化が進めば「他国にも悪影響を及ぼす」とも強調した。ここ数年は海外投資家による中国国債などへの投資が急増しており、投資家心理の悪化は世界的な資産価格の調整につながるためだ。新興国への資金流入が細り、金融環境が引き締まるリスクも挙げた。



今回の報告書では、恒大にとどまらない中国の過剰債務や金融リスクに対する懸念が色濃くにじんだ。

中国では政府を除く家計や企業などの資金調達の総額が2021年6月時点で国内総生産(GDP)比230%の規模に達した。新型コロナウイルス禍が本格化する前の19年末から15ポイント上昇した。「コロナ禍を経て中国の金融の脆弱性はさらに高まった」とIMFはみる。財政状態の悪い地方政府が企業を支える力も弱まっているという。

中国当局は格差是正に向けて「共同富裕(ともに豊かになる)」のスローガンを掲げ、富裕層向けビジネスや不動産、フィンテック企業への規制や監視を強めている。IMFはこうした取り組みを金融の脆弱性に対処する動きとしつつ、急なルール変更などに対する投資家の警戒感の高まりにも言及した。

債務問題がさらに深刻になる事態を防ぐため、IMFは投資額を膨らませるレバレッジの抑制や政府による暗黙の支援の段階的縮小を中国当局に求めた。経営不振企業が市場から秩序だって退場できるように、企業再建や破綻処理の枠組みを強化することも長期的な課題だとしている。

中国が掲げる二酸化炭素(CO2)排出量を60年までに実質ゼロにする目標についても、CO2排出量の多い産業の資金調達力の低下を通じて「金融の安定性に影響する」と指摘。グリーン社会への移行が特定産業の信用不安などを招かないよう慎重な対応を求めた。(ニューヨーク=斉藤雄太、後藤達也)

中国恒大集団、外債の再編方針公表 関連会社株に転換も

2023年3月23日 2:05 (2023年3月23日 2:07更新) 

【広州=比奈田悠佑】経営再建中の中国不動産大手、中国恒大集団は22日、外貨建て債務の再編方針を公表した。関連会社の株式への転換などを盛り込んでおり、恒大は一部の債権者の合意を取り付けているとする。ただ全ての債権者の同意を得られるか、今後安定した収益体制を構築できるかなど課題は多く、恒大の再建にはなお不透明さが漂う

中国恒大、200億ドル超の債務再編案 EV子会社株式に転換

毎日新聞 2023/3/23 10:42(最終更新 3/23 14:38) 

 中国不動産大手、中国恒大集団は22日夜、200億ドル(約2・6兆円)超の外貨建て債務の再編案を発表した。債務を電気自動車(EV)製造子会社や不動産管理会社の株式に転換することなどが柱。月内に主要債権者と合意し、10月1日の発効を目指す。

 再編案が確定すれば債務負担の軽減につながるが、同社の負債総額は約2兆元(約40兆円)に上る。また、主力の住宅事業で今後3年間で最大3000億元程度の追加融資が必要としているほか、事業の新たな柱に据えるEV事業も苦戦しており、経営再建が進むかは依然見通せない。

 恒大は2020年の売上高は5072億元で住宅販売面積は中国2位だが、中国政府が不動産融資の規制を強化したことで21年夏ごろから資金繰りが悪化。同年12月には、米ドル建て社債の利払いが期日通り行えず、格付け会社が一部債務不履行(デフォルト)を認定した。

 恒大の経営不安は他の不動産大手にも波及。消費者が住宅購入を手控える動きが広がり、中国の不動産市場の長期低迷を招いた。

 恒大は当初、ドル建て社債などの債務再編の暫定案を22年7月末に発表するとしていたが、2度先送りし、この日までずれこんでいた。【北京・小倉祥徳】

中国恒大、債務再編合意の月内準備見込む-債権者が支持と関係者

Bloomberg News

2023年3月20日 0:17 JST 更新日時 2023年3月20日 14:13 JST

  • 債権者は22日にも条件概要書にアクセスできるようになる-恒大

  • 恒大のオフショア債を保有するグループが再編支持と関係者

Signage for the China Evergrande Group Royal Peak residential development in Beijing, China, on Friday, July 29, 2022. Bloomberg

中国不動産危機の象徴として注目されている中国恒大集団は20日、債務再編計画を支持する合意が月内に準備できる見通しだと明らかにした。

  不動産開発会社として世界最大の債務を抱える恒大は香港の裁判所に対し、債権者は22日にも条件概要書にアクセスできるようになると伝えた。これより、この案件を巡る審理は7月31日まで延期が可能となった。

  事情に詳しい関係者は19日、恒大のオフショア債を保有するグループが債務再編計画への暫定的な支持を表明したと明らかにしていた。関係者によれば、恒大はデット・エクイティ・スワップ(DES、債務の株式化)などを盛り込んだ暫定的な債務再編案で一定の譲歩を行ったという。

中国恒大、オフショア債再編で選択肢と関係者-返済延長12年も

原題:Evergrande Prepares Restructuring Agreement for End of March (1) (抜粋)


中国恒大集団の経営危機報道


中国恒大、債務再編案を公表 グループ会社株に転換(03月23日 09:56)

 【北京時事】経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団は22日深夜、外貨建て債務の再編案を公表した。債務をグループ会社の株式に転換するなどの選択肢が盛り込まれており、中国当局も策定に関与したもようだ。経営が悪化した事業者の再建に向けた「モデルケース」になる可能性がある。

中国恒大の格付け撤回 ムーディーズも「情報不十分」(2022年10月11日 20:37)

 【北京時事】米格付け大手ムーディーズ・インベスターズ・サービスは11日、経営危機に陥っている中国不動産開発大手、中国恒大集団の格付けを撤回すると発表した。格付けに必要な情報が不十分と判断したため。フィッチ・レーティングスと、米S&Pグローバル・レーティングはすでに評価を取りやめている。


中国恒大、1090億円受け取り 土地使用権返還で払戻金(2022年08月05日 05:05)

 【北京時事】経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団は4日、広州市で進めていたサッカースタジアム建設事業向けなどの土地使用権を市に返還すると発表した。これに伴い、約55億2000万元(約1090億円)が返金される。資金は巨額債務の返済に充てる方針だ。

中国恒大、再編計画先送り 外貨建て債務、資産査定を継続(2022年07月30日 12:06)

 【北京時事】経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団は29日、外貨建て債務の再編計画について、年内の公表を目指すと発表した。同社は当初、7月中に暫定的な計画をまとめる方針だったが、資産査定が続いているなどとして、事実上先送りした。

不動産不況が深刻化 ローン支払い拒否も―中国(2022年07月28日 07:08)

中国・北京市内のマンション工事現場。作業は遅れているもようだ=27日午後

 【北京時事】中国で不動産不況が深刻化している。資金難に陥った開発業者がマンションの建設工事を途中で取りやめ、購入者が住宅ローンの支払いを拒否する事態も発生。5年に1度の共産党大会を今秋に控え、習近平指導部は社会不安の高まりに警戒感を強めている。


中国恒大、CEOら解任 預金流用に関与(2022年07月23日 11:44)

 【北京時事】経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団は23日までに、夏海鈞最高経営責任者(CEO)らが辞任したと発表した。グループ会社の預金流用に関与しており、事実上の解任となる。

中国不動産大手が債務不履行(2022年07月05日 20:34)

 【北京時事】中国の不動産大手の世茂集団が、ドル建て債の元利金について期限までの支払いができず、債務不履行(デフォルト)に陥ったことが5日までに明らかとなった。中国では、政府が不動産業界への締め付けを強化したことから、事業環境が急激に悪化。中国恒大集団など大手の経営危機が相次いで表面化している。(2022/07/05-…

中国恒大の格付け撤回 「情報得られず」―フィッチ・レーティングス(2022年06月02日 21:27)

 【北京時事】格付け大手フィッチ・レーティングスは2日、巨額の債務を抱え経営危機に陥っている中国不動産開発大手、中国恒大集団の格付けを撤回すると発表した。格付けに必要な経営情報が恒大から得られなくなったためという。

中国恒大、2.4兆円債務再編案 新債券、傘下企業株と交換―ロイター報道(2022年05月27日 20:43)

 【北京時事】ロイター通信は27日、経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団が、190億ドル(約2兆4000億円)相当の外貨建て債務の再編を検討していると報じた。新たな債券と傘下企業の株式に交換するという。

子会社預金の強制執行で調査 2600億円―中国恒大(2022年03月30日 01:32)

 【北京時事】経営危機に陥っている中国不動産開発大手の中国恒大集団は29日夜、子会社の預金134億元(約2600億円)に対する銀行の強制執行が確認されたとして、独立調査委員会を設置したと発表した。調査委は恒大の社外取締役らで構成。既に情報収集を開始したという。(2022/03/30-01:32)


参考文献・参考資料

中国経済新聞に学ぶ~恒大ショックで不動産業界への不安高まる(前)|NetIB-News (data-max.co.jp)

恒大問題「世界の資本市場にリスク波及も」 IMFが警鐘 - 日本経済新聞 (nikkei.com)

中国恒大集団、外債の再編方針公表 関連会社株に転換も - 日本経済新聞 (nikkei.com)

中国恒大、200億ドル超の債務再編案 EV子会社株式に転換 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

中国恒大、債務再編合意の月内準備見込む-債権者が支持と関係者 - Bloomberg

中国恒大集団が経営危機:時事ドットコム (jiji.com)

中国恒大、債務再編案を公表 グループ会社株に転換:時事ドットコム (jiji.com)

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