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完全な暗闇に心地よさを覚え、聞こえない空間が僕を優しくさせたお話

汐留でやっている「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」と「ダイアログ・イン・サイレンス」に参加させてもらいました。

<ダイアログ・イン・ザ・ダークとは>
ダイアログ・イン・ザ・ダークは、視覚障害者の案内により、完全に光を遮断した”純度100%の暗闇”の中で、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテイメントです。
これまで世界47カ国以上で開催され、900万人を超える人々が体験。 日本でも各地でオリジナルイベントが開催されています。
(※HPをまんま引用)

<ダイアログ・イン・サイレンスとは>
ダークの耳版。音が聞こえない世界でどうやってコミュニケーションをとるのかが体験できる。

https://did.dialogue.or.jp/


「暗い」ではなく「見えない」という感覚|ダイアログ・イン・ザ・ダーク備忘録

全く光が見えない世界を体験したことはありますか?
目が慣れる、という感覚すらない暗闇です。

暗い、という感覚よりも、見えない・目が使えない、という感覚に陥ったとき、今までに感じたことがない感覚を感じてきました。

耳が敏感になり、頬にあたる空気の流れを感じ、味覚や嗅覚が強くなる。
まさに五感が研ぎ澄まされる体験です。
ただ暗いだけなので目は開けていればいいんですが、なぜか自然と目は瞑っていました。
おそらく完全な闇になると、脳が「目を使う」という機能を休ませるんだと思います。

その証拠に、暗闇を出た後。
もちろん、久々に光を見るので疲れますが、それ以上に頭が疲れるんです。
目から得ている情報を処理しようとする脳に疲れを感じ、しばらくぼーっとしていました。
普段、どれだけ目から情報を得ているのか、そして処理しているのか、がわかる瞬間でもありました。

アテンドしてくれた方は視力がない方だったんですが、当たり前なんだけど真っ暗の中をぐんぐん進むんですよ。その人だけ本当は見えてるんじゃないかなぁってくらい。かなり驚きました。
音の方向と距離だけでいろんなものを測っているみたいです、すごい。


(ちょい蛇足メモ)
コンテンツが狙っている感じ方の趣旨とは異なりますが、僕はこの見えない環境に不安ではなく心地よさを感じました。
目が見えないことに対してはもちろん不安です。
それ以上に、ほかの人も自分が見えていない(見ていない)状況に心地よさを覚えました。
僕は僕が思っている以上に僕の外見や見られ方を気にして生きているみたいですね。


久々に目を合わせてしっかり話した気がする|ダイアログ・イン・サイレンス備忘録

お互いに耳が聞こえないとめちゃくちゃ目を合わせるし、めっちゃテンション高くコミュニケーションとるんですよ。
声で呼びかけることができないから、身振り手振りでたくさんのことを伝えるんですね。

伝える方も必死だけど、受け取る方も必死です。わからないときはわからないことを伝えなくてはならないし、目を離す隙すらないんですよ。
「なんで伝わらんねん!」ってやきもきする人もいるかもしれないです。笑
でもその感情って耳が聞こえないコミュニケーションではタブーで、伝える方も受け取る方もお互いに寄り添いあってコミュニケーションをとることを前提としないと何も成り立たないです。

普段のコミュニケーションで本当の寄り添いやリスペクトって出来てるっけ?って深く考えさせられました。

案内してくれた聾者の方とこんな対話がありました。
『目を合わせて話すことはありますか?』
 「あんまり目を合わせて話してないかもしれない」
『なぜ?』
 「忙しいから、合わせなくても何とかなっているから」
『(めちゃくちゃ驚いた様子を見せながら)そんなにお仕事が大変なんですね、、、お疲れ様です、、、』

心の奥が少しちくっとしました。自分はコミュニケーションにおいて大事なことを普段からできていないんじゃないかなって。
これに気付いて変えていこうと思えたことが一番の収穫です。

皆さんは目を合わせて会話ってしてますか?


感じ方は人の数だけ。正解がない体験。

あくまで僕の感性で感じたことをつらつらと書きました。
本当に素敵な体験だったので、備忘録的な感覚です。

体験の感じ方におそらく正解なんてありません。
ぜひ皆さんも行ってみたいなって思って行った際は感想を聞かせてくださいね。


fin.

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