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「進言」⑨ 父から子への真剣な話

第九章

息子が私に鋭い質問をするようになる。
父はそれに首をひねる。
君から学ぼう。君と共に成長していこう。
知恵とは何者なのか。
知恵に私たちは救われ新しくされるのだ。
知恵が建てた神殿に行き共に食事をするのだ。
知恵と行け、愚かさと共にいくな。

「知恵は、
自分の家を建て、七つの柱を立て、
獣を屠り、酒を混ぜ合わせ、食卓を整え、
侍女たちを遣わせて町の高い所で呼びかけさせた。
『思慮のない者はここに来い』
また、知恵のない者に言う。
『来て、私のパンを食べ、私が混ぜ合わせたぶどう酒を飲みなさい。
思慮のないわざを捨てて命を得、悟りの道を歩みなさい。』」

「嘲ける者を戒める者は恥を得る。悪人を叱る者はかえって傷を受ける。
嘲ける者を責めてはいけない。あなたが憎まれるといけないから。
知恵ある者を責めなさい。彼はあなたを愛するだろう。
知恵ある者に教訓を与えなさい。彼はますます知恵を得るだろう。
正しい者を教えなさい。彼は洞察を深めるだろう。」

「主である神を恐れることが知恵の初めだ。
聖なる者を知ることが悟りだ。」

「知恵によってあなたの日は多くなり、命の年は増す。
もしあなたに知恵があるならば、それはあなた自身のためにあるのだ。
もしあなたが嘲けるなら、その責めはあなたが負うのだ。」

「愚かさ*は、
騒がしく淫らで恥を知らない。
自分の家の戸口に座り、
町の高い所にある座に着き、道行く人々を招いて言う。
『思慮のない者はここに来い』
知恵のない人に向かって言う。
『盗んだ水は甘く、密かに食べるパンは美味い。』
しかしその人はそこに死があることを知らない。」
*→知恵は女性型、愚かさも女性型で書かれ、日本語の訳では、知恵との対比のために愚かな女と訳されている。


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