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短歌⑥子育て編(出産の日)

月明かり 広がる夜の 闇の中
静かに始まる 陣痛の声

初めは10 いたいいたいと いう妻の
痛みは増して 99を越す
(陣痛の時、痛みを数値化する機械があるのです)

臍の緒を 切ってみたらと 言われても
デベソの心配 して笑われる

強い痛みの中で いかに脱力するか
宮本武蔵に 達する妻

真っ赤な赤児を 検査台へ
私の声に 振り向いた気がする

強すぎる 痛みに涙ぐむ妻は
抱いて なんてかわいいのと 笑う

その日から 気の休まらぬ 日々続き
思う前日の アフタヌーンティー
(出産前日に、もう行けなくなるからとアフタヌーンティーに行ってその夜に陣痛が来たのです)

ぐずる娘(こ)に 歌うと顔が やわらいで
驚くばかりの 恵みなりきと

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