Web3とは?コインムスメとは?
久しぶりのnoteになります。最後に書いたのが8か月前、「ヒットするNFTゲーム、ブロックチェーンゲームとは?」
当時からするとWeb3、ブロックチェーン業界を取り巻く環境は、良くも悪くも大きく変わってきています。
今回のnoteでは、Web3プロジェクトとは何か?という私なりの解釈と、その問題点やこれから。そして私自身がどういう思いで新しいトークンを発行しようとしているか、現在の素直な思いを書いておこうと思います。
Web3プロジェクトとは?
Web3プロジェクトという言葉を定義ですが、一番広い意味では、ブロックチェーン技術を使っていればWeb3プロジェクトだと言われています。
ですが私がここで述べたいWeb3プロジェクトとは「独自トークンを発行してトークン価値を上げていくことを目的とするプロジェクト」のことです。
独自トークンを発行するWeb3プロジェクト
独自トークンを発行するWeb3プロジェクトとは、いわゆるビットコインやイーサリアムの様なプロジェクトです。株式会社という形態を取らず、DAOで自律分散的にプロジェクトが行われていくことを理想としています。
これは、今までのビジネスのやり方とは根本的にやり方が異なります。
ビットコインやイーサリアムがまさにそうですが、運営というものがなく、運営の売上という概念もなく、コミュニティに直接収益が還元される仕組みになっています。当然の様に運営主体も法人もありません。
いわゆるチェーンビジネスはそういった発想で行われていて、実態としてもトークンホルダーやコミュニティに収益が還元されていて、将来的には運営主体をなくしていく様に動いています。
今までいわゆるWeb2ビジネスをやってきた私にとって、運営もなく運営収益もなくDAOで自律分散的にどうやってプロジェクトが成立するのか?というのが本当に違和感しかありませんでした。
Web2的なプロダクトとトークン
Web2的なプロダクト(例えばスマホで遊べるゲーム)とトークンを語る前に、Web2ビジネス(例として株式会社)とWeb3ビジネス(トークンプロジェクト)を改めて比較してみます。
Web2的なビジネスの仕組み
法人を作り株式を売るもしくは借金してお金を集める。
集めたお金で人を雇ったりしてプロジェクトを進める。
プロジェクトが成功した場合、顧客から収益が入る。
収益の中から費用を払い、残った利益は会社の価値として残り、株主の資産となる。
Web3的なビジネスの仕組み
トークンを売ってお金を集める。
集めたお金で人を雇ったりしてプロジェクトを進める。
プロジェクトの収益がある場合は直接トークンホルダーに還元される場合もある。トークンが上場して売買できる様になる。
繰り返しますが、本来だとビットコインやイーサリアムの様に、DAOによりプロジェクトが意思決定され、運営されて、その収益は直接コミュニティに還元されるのがトークンプロジェクトです。
独自トークンを伴うプロジェクト
先ほどから述べている通り、トークンプロジェクトには運営という概念も運営売上という概念もないのが本来です。
ですが、ビジネスをやっていれば誰しもがわかりますが、しっかりと責任もって運営していく主体がないと、ビジネスは前に進みません。
ここに大きな矛盾があります。
「運営」が必要なプロダクトがあり「売上や原価」というものも存在しているにも関わらず、トークンを発行してしまうと、本来は自律分散的に運営していこうというトークンプロジェクトの概念と根本から対立するからです。
特にゲームやコンテンツビジネスの様なクリエイティブなプロジェクトはそういった側面が強いと思います。なので、私はプロジェクト運営という観点からは、ゲームビジネスとトークンは相性は良くないと感じていました。
何故、独自トークンを発行するのか?
多くのプロジェクトが、トークンプロジェクトの本来の在り方を無視して、独自トークンを発行する理由は、ビジネス的に利益が出やすそう、という理由だと思います(私もその一人でした)。
最近だと独自トークンを発行しないプロジェクトも多く、そういったプロジェクトの方がしっかりと現実を見ている気がします。
そんな矛盾を抱えていたので、私自身「トークンを発行する本質的な意味」が見いだせず、トークンプロジェクトにしない方がいいのではないか?と何度も思いました。
トークンプロジェクトにWeb2的な運営があるのが違和感を生んでいる。一方で、ゲームやコンテンツにおいて、運営がいないなんてことはあり得ない。
何が正解かわからなくなり、眠れない日々が続きました。
トークンを発行するという意思決定をした
そういった矛盾を抱えながらですが、最終的にトークンを発行しよう決めました。もちろんビジネス的な点もありますが究極的には非常に感情的な面だったと思います。
新しいトークンを発行するということに私自身がワクワクしていたからです。
ブロックチェーンゲームをやろうと決めて、ずっと自分の中にあったのは「新しい体験を作ろう」ということでした。
独自トークンのあるプロジェクトとないプロジェクト、どちらが新しい体験を提供できるのか?と自問自答を繰り返したのですが、圧倒的にトークンありの方が面白そうという感情が勝ちました。
ですが、正直な話、プロジェクトの最初のプレスリリースの際には、まだ自分の中で独自トークンを出すことの明確な意義を言語化できないままでした。
ですが、その答えを教えてくれたのは、他ならぬコインムスメコミュニティの皆さんでした。
コインムスメとは?
ここで私が今回手掛けているWeb3、ブロックチェーンプロジェクトについて少し具体的にお話します。
コインムスメは、私が今回初めてチャレンジするWeb3プロジェクトで、NFTや仮想通貨を使ったゲームです。ビットコインやイーサリアムなど、有名仮想通貨がアイドルキャラクターとして登場します。
独自トークンも発行するので、ただゲームで遊ぶ、ということだけではなく、SNSや現実世界のコミュニティも含めた新しい遊びを提供したいと思ってプロジェクトを進めています。
広報キャラクター「ムスメちゃん」のX
Web3業界ではXが非常に重要視されています。最新の情報はXで回るし、取引所にトークンを上場する際にもXを見られるので、X運用はWeb3業者にとって最重要課題の一つです。
我々もXのアカウントを作成する際、どういう内容にするのがいいのか色々と議論を重ねた結果、キャラクターに広報をさせるのが面白いんじゃないか?という結論になりました。
コインムスメの世界観の作成を担当しているサブカル好きのメンバーの一人が手をあげてくれました。
「周りに迷惑かけない範囲で好きに運用していいので、楽しくやってね」と任せて、生まれたのが広報キャラクターのムスメちゃんです。
本当に奇跡的に、広報キャラクタームスメちゃんはWeb3、特にブロックチェーンゲーム界隈の方から多くの支持を頂くことになりました。
フォロワー数は1万弱ですが、投稿のviewはほぼ全ての投稿で数万、キャンペーン時は10万以上を超える、ブロックチェーンゲームのアカウントとしてはあり得ないエンゲージメントになりました。
そして、勢いそのままにディスコードにて本格的にコミュニティを作っていこうということになりました。
ディスコードコミュニティ「コインムスメ学園」開校
ディスコード(Discord)も、Web3業界では必須のSNSです。Xとはまた別の色々な形でコミュニケーションが可能で、多くのWeb3プロジェクトがコミュニティーの形成にディスコードを使っています。
Xはメインが一方通行のコミュニケーションですが、ディスコードはメインがユーザー間による双方向のコミュニケーションです。
「今までにない新しいディスコードコミュニティを作りたい」という思いの中、私の個人のXで初期の参加者を呼びかけ、初期メンバーを募りました。
広報キャラクタームスメちゃんの影響もあり、幸いにも200人くらいの方が集まってくれ、初期ディスコードコミュニティ「ムスメだお!」が始まりました。
最初の1か月は私も全てのチャットに目を通し、やる気のあるユーザーの方とは個別でやり取りしながら、ディスコードコミュニティの運営メンバーを募りました。
20人くらいが手を挙げてくれたのですが、その方々と更に深く、今後コインムスメのコミュニティをどうやって運営していけばいいかを議論していく中で、こんな意見が出ました。
「ディスコード自体もゲームみたいな感じにすればいい」
「このコミュニティを通じてコインムスメのことだけでなく、Web3について学べる様にしたい」
そういった議論の中から、コミュニティ名を「コインムスメ学園」とすること、生徒会による自治を行い、部活動やクラスを通じて遊んで学べる様にしたらいいのではないか、ということになりました。
そして生徒会が発足する際、数名の方が生徒会長に立候補して頂き、私の方で現在の生徒会長シャムさんを指名させて頂き、シャムさんを中心とした生徒会執行部の方々により運営を行っていただいています。
広報キャラクターのモナちゃんは、生徒会メンバーにより運営されており、毎週木曜には副会長のたろさんによりラジオが開催されています。
また「日経クロストレンド様」でもご紹介頂いておりますが、京都IVSや東京ゲームショウといったオフラインのイベントにもコミュニティの方々がボランティアで参加して頂いており、コインムスメを支えて頂いております。
トークンプロジェクトの価値とは
リリース前のゲームにユーザーが運営的な立場として参加する、これはトークンプロジェクトでしか成し得ない価値だと確信を持って言えます。
ディスコードコミュニティ「コインムスメ学園」は、有志のユーザーの方によって運営されています。私も時々チャットを眺めますが、今は会話の量が多すぎて、全ては追い切れていません。
最近だと日本語以外にも、英語、中国語、韓国語、ベトナム語、でもコミュニティが展開され、それぞれリーダーがいて自治がされています。
ディスコードコミュニティに参加することで、ゲームで使えるガチャチケットを配ってはいますが、運営の対価として報酬を払っている訳ではありません。何故多くの方がコインムスメに今の時点から関わってくれているのか?
コインムスメは何か面白いことをしてくれそうという気持ちは大前提としてあるとは思いますが、トークンやNFTをもらえたりするかもしれない、という気持ちは少なからずあるのだと思います。
ほとんどのWeb3は、金銭的なインセンティブのみで初期のコミュニティを作ってきました。それがトークンプロジェクトが抱える闇だったと思います。
コインムスメはゲームプロジェクトとしての面白そうという期待感に、トークンプロジェクトとしてもしかしたら金銭的なメリットもあるかもしれないという期待感がいいバランスで組み合わさったことで、今の様な奇跡的な形になっているのではないかと思っています。
トークンを使うことで、ユーザーと運営の垣根が低くなった。これは間違いなく、トークンプロジェクトが成し得る価値だと自信を持って言えます。
トークンプロジェクトの強み
トークンプロジェクトの強みは、仲間集めが容易になったことです。
そもそも私自身も今回のプロジェクトから、トークンで報酬を受け取っており、いわゆる円やドルでのお金は受け取っていません。
他のプロジェクトメンバーも、本来なら株式などを渡さないと働いてくれない様な非常に年収の高いメンバーを、トークンでの支払いとして許容することで迎え入れており、コストも従来かかるはずだったものの何分の一にも抑えられています。
そしてこれからコインムスメはいよいよリリースに向けて、このトークンコミュニティをユーザーの皆様に広げていこうと思っています。
ムスメトークン(MSM)の思想
最後に、具体的に私がコインムスメにおいて発行する独自トークン(MSM)についてどういう思想でどういう世界観を作っていきたいかを述べていきたいと思います。
ゲームでありながらのトークンプロジェクト
冒頭書いている通り、本来のトークンプロジェクトは運営も運営売上もありません。ですが、コインムスメはゲームがあり、運営も運営売上も原価も発生しています。この矛盾に対する回答としては、運営主体としては利益を貯めない設計をしています。
配信元はEureka Entartainment Ltd. という私が代表を勤める海外会社で、社員はいません。一旦お金が集まるハコとしては用意していますが、そこでは利益をためず、全てMSMトークンに価値を集約します。
そして運営を大きくせず、長期的には中央集権的な部分をなるべく減らしながら、MSMトークンホルダーによる運営を目指していきます。
詳しいエコシステムは今後公開しますが、ゲームやコミュニティが盛り上がれば盛り上がるほど、トークンの価値が上がる設計にしており、運営とユーザーという区分ではなく、トークンホルダー皆でコインムスメコミュニティを盛り上げていこう、という思想にしています。
完全なるDAOでゲーム運営していくことは難しいかもしれませんが、中央集権的な部分も一部残しつつ、DAO的な仕組みも取り入れながらゲームを運営していく、それも新しい体験なのかなと思っています。
今後について
今までコインムスメでは、2023年のゲームリリースをうたってプロジェクトを進めて参りました。ですが申し訳ありません。色々な都合により間に合わず、下記の様なスケジュールになりました。
1月:ガチャによるNFTの事前販売
1月末~2月:クローズドβテスト
3月:ゲームリリース
お待たせしている皆様、申し訳ございません。1月のNFTガチャ先行販売に向けて徐々に公開内容を変更していきます。もちろんサプライズ情報もありますので、お待ち頂ければありがたいです。
最後に
私がそのそもWeb3、ブロックチェーン×ゲームのビジネスをやろうと思ったきっかけは2021年のAxie Infinityの月商400億のヒットを見てから(過去記事参照)。この時期にブロックチェーンゲームの分野に本格参入しようと思った人は多いのではないかと思います。
当時はNFTバブルがまだ終わりかけの時期で、Web3という言葉もホットで、トークンの価値が100倍1000倍になる世界観の中で、自分もバブルに乗り遅れまいと必死で色々と調べたり食らいついたりしていました。
それから早くも2年が過ぎてしまいました。その間、Web3、ブロックチェーン業界では信じられない様な事件が多く起き、多くのプレイヤーが脱退し、業界としても冬だと言われています。
私がブロックチェーンゲーム業界に参入しようと思った理由は、Web3の仕組みやブロックチェーン技術を使うことで今までのゲームには提供できない新しい体験を作れる、ということです。
そして業界がどうなろうと、それが出来るという気持ちは日に日に強まっています。
コインムスメ自体、全方面でかなり攻めた内容ですし、ブロックチェーンゲームという業界が成立するのかしないのか、どうなるか全くわかりませんが、文字通り人生かけて真剣に取り組んできました。
リリースまでまだ少しありますが、ぜひ何らかの形でコインムスメにお付き合い頂ければ嬉しいです。
引き続き、よろしくお願いいたします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?