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20240522 イラストエッセイ「私家版パンセ」0006 天命・天職

 人は何かを為すために生まれてきた。この世界には必ず自分が果たす役割がある。あるいは自分にしか出来ない仕事がある。その役割が何なのかを、人は一生かけても探し出さなければならない。

 そのような仕事を天職ともいいます。
 英語では、これを Calling というのですけれど、直訳すれば「呼びかけ」。
 神様がわたしたちに「これをせよ」と呼び掛け、呼んでおられるという意味です。
 あくまでも神様がわたしにやってもらいたいことで、「やりたいこと」とは微妙に違うんですよね。
 ぼくは本当は教師にはなりたくなかったんです。でも教師を「天職」だって思っていました。笑
 そういうこともあるんです。
 神様にしても、「天」にしても、自分がより大きな世界とつながっているという感覚を持っていると、何か勇気づけられるような気がしますね。
 社会学者のマックス・ウェーバーは、プロテスタントにとっての職業は、まさにこの天職( calling, Beruf) であって、その倫理観が資本主義を産む原動力になったと言います。

 養老孟子先生は、何事も一生懸命やっているうちに、それが天職になってゆくともおっしゃっていますね。
  自ら望んだことであれ、なりゆきでそうなったことであれ、これこそ自分の天職だと思える仕事ができることは、とても幸せなことではないでしょうか。

マックス・ウェーバーの肖像





私家版パンセとは

 ぼくは5年間のサラリーマン生活と、30年間の教師生活を送りました。
 その30年間、子供たちが元気になれるような言葉はないかなと考え続けて来ました。
 そんな風にして考えた小さな思考の断片をご紹介します。
 これらの言葉がほんの少しでも誰かの力になれたら幸いです。


 

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