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街中の六角ボルトを発信し続けたら、仕事観が変わった話

こんにちは。今回は採用広報施策を振り返ります。

弊社では、採用広報施策の1つとして、社員が街中で見つけた自社製品(六角ボルト)をインスタグラムで発信しています。

クリックするとインスタグラムのページに飛びます!

約2年間、地道に発信を続けた結果、いまでは採用活動における有効な武器となりました。

このnoteは、採用に課題を抱える中小BtoBメーカーが、SNSを活かした情報発信から得た成果や学びをまとめたものです。有益なノウハウはありませんが、ちょっと変わった発信事例としてご笑覧ください。

学生にとって距離の遠い存在

僕は金融機関、IT企業の2社を経て、2019年5月に家業のボルトメーカーへ入社しました。

入社後の半年間は検査室配属でしたが、経験のあった採用業務は入社直後から担当することになりました。

というのも、弊社は採用が経営課題でした。特に新卒採用は、応募獲得に長年苦労していました。

弊社のねじ製品は、身の回りのあらゆる場面で使用されています。しかし、単体で主役になることはなく、あくまで完成品の脇役(部品)です。普段から意識しない限り、その存在には気づきません。

また、商流は完全なBtoBです。一般消費者との接点はありません。

要するに、弊社は学生にとって非常に距離の遠い存在でした。

きっかけは若手社員からの提案

こうしたなか、新たな取り組みを始めたきっかけは、若手社員からの提案でした。

2019年11月、ホームページのリニューアルにあわせて、若手社員数名とインスタグラムを開設しました。採用候補者に向けて、社内の日常を届けるためです。

しかし、いざ投稿を始めると、半年も経たないうちにネタ切れで更新は停滞。

当時は僕自身も、インスタの更新を任せっきりでした。そこで、運営メンバーと改めて企画を練り直すことに。

すると、若手社員の1人から「社員が街中で見つけた六角ボルトを紹介するのはどうか?」といった提案がありました。

もしかすると、提案者は軽い気持ちだったかもしれません。でも、業界経験の浅い僕からすると、技術力の高さ(すごさ)をアピールされるより、よっぽど身近でおもしろく、直感的に「すごくいい!」と思いました。

しかも六角ボルトは、頭部に製造元を識別するマークがあり、誰でも簡単に見分けることができます。さまざまな用途で使われる製品のため、意外な活用場所で見つかる期待もありました。

というわけで、僕はすぐにこの提案を採用しました。

弊社の六角ボルトは「KN」マークが目印です

社内キャンペーン開催

投稿開始当初は、運営メンバーだけで街中の六角ボルトを探していました。しかし、少ない人数で探すのには限界があり、すぐに写真のストックは底をつきました。

この取り組みは、いかに他の社員を巻き込めるかが重要でした。そこで、社内キャンペーンとして、全社員に協力をお願いしました。

社内掲示板に貼り出したキャンペーン概要

キャンペーン開始前は、どのくらいの方に協力してもらえるか不安でした。でも結果的に、社員のみなさんから数十枚を超える写真提供がありました。

提供写真の一部を紹介します。

踏切
クレーン車
ハウスボイラー

有名テーマパークでの活用事例は、特に反響が大きかったです。

ユニバーサル・スタジオ・ジャパン
東京ディズニーシー

ありがたいことに、社外のみなさまからも写真提供がありました。

キュービクル
信号機

2年間の成果

この2年間で、六角ボルトの活用事例をきっかけとした応募者は増えました

投稿開始当初は、こちらから取り組みを積極的に案内していました。しかし最近は、採用候補者のみなさまから「インスタの活用事例をみました!」と話題にあげていただくことも多いです。

なので少なくとも、求人媒体や合同説明会で弊社を初めて知った方に対し、興味・関心を持っていただくドアノックツールの役割は果たせていると感じています。

また、この取り組みは複数のメディアに掲載されました。思いがけないサプライズでしたが、社内外からの反響も大きく、非常にありがたかったです。

【ツギノジダイ】

【日刊産業新聞】

最後に

正直、この取り組みを始めるまで、僕は自社製品にあまり愛着が持てませんでした

もちろん祖父や父が、この事業で長年頑張ってくれたからこそ、今の自分があると思っています。

一方で、社歴が浅く、ものづくり未経験の僕にとって、自社製品はどこか遠い存在でした。

しかし、約2年間、街中で見つけた六角ボルトを発信し続けたことで、自社製品が日常生活になくてはならない存在であることを強く実感できました。

こうした心境の変化を経験したからこそ、過去の自分と同じ感覚であろう採用候補者のみなさまに、会社や仕事の魅力を余すことなくお伝えしたいと思っています。

採用面だけでなく、自分自身の仕事観にもプラス影響を与えてくれた取り組みでした。

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