見出し画像

【読書記録】2021年3月読了本を紹介します②

この読書noteは1週間に1度公開する予定にしています(土日のどちらか)。
なんとか続けられているのは、皆さんの「スキ」のおかげです!

↑3月読了本①はこちらから(^^)


4.居るのはつらいよ


本書は、臨床心理士である著者の精神科デイケアでの4年間の体験と、その体験の学術的考察とで構成されています。(精神科デイケアとは、精神に病を持つ方々が集まって共同で生活を行う場のことです)。
テーマは「ケアとセラピー」です。

精神を病んだ方々は、「いる(Be)」ということが難しい状態にあります。
自分と外界との境界が崩れて、勝手に外界が自分に流れこんでくる感覚
そういった方々の心や体は、常に忙しなく活動(Do)を強いられることになるのです。はたからみると、独り言を喋ったり、そわそわしたり、何かの作業を中断できなかったりするような行為です。

みなさんも何もすることがない空間にただ「居る」というのが、苦痛に感じたりした経験はありませんか?
初めましての人ばかりが集まる空間で、自分の存在自体がまだ許されていないような居心地の悪い感覚。
そんな居心地の悪さを避けるようにポケットからスマホを取り出し、SNSやゲーム(Do)に逃げ込む。そんな経験。
それは自分の存在(Be)が、その空間に受け入れられていないと感じるから生じるのです。

精神科デイケアでは、まず「居ること」で存在(Be)の回復を図ります。
でも、ただ「居ること」って何だか退屈なような気がします。

しかし、実は退屈や暇という情動は、存在(Be)が満たされているから生じるのだといいます。私はここにいてもいい、存在してもいい、と思えるから「ただ居ること」が退屈に感じられる。精神に病を抱えた方々にとって退屈を感じることは、徐々にBeが回復している兆しでもあるのですね。

本書を読んで

セラピーとは「する(Do)」を改善させるもの
ケアとは「居る(Be)」を改善するもの

だと僕は解釈しました。
リハビリに従事するなかで、僕はDoばかりに目を向けていました(起き上がれる、歩ける、買い物にいける、コミュニケーションがとれる等)。
しかし、よくよく考えみると障害を負ったことを受け入れられず、自身の存在(Be)そのものが不安定になっている方も多くいらっしゃいました。

そういう方たちにとってまず必要だったのは、そばにいること。「あなたは、ここにいる」「ここにいてもいい」ということを態度で示すこと。すなわちセラピーではなくケアが必要だったのかなあーと今になって思います。

医療、福祉現場で働く方にはぜひオススメの一冊です。


5.人間観察 極めたら悩み消えた

前回紹介した『やわらかな言葉と体のレッスン』を読んで、体は言葉以上に多くを語ることを知り、それではと人間観察の実践編として読んだのが本書です。
著者は性格研究家(そんなのあるんだ)のくらはしさん。内容は、人の性格を9つに大別するエニアグラム診断をベースに語られていきます。
各性格ごとに見られる服装や口癖、姿勢、部屋の環境、などを紹介しており、観察内容から大まかな性格を把握できるようなつくりになっています。

『人間観察 極めたら悩み消えた』というタイトルにあるように、人間観察を極めることの効能を著者は以下のように説明してくれています。

①人の性格がよく分かるようになる
②ムダにイライラしない
③自分のこともよくわかるようになる
④人間関係が気軽に作れるようになる
⑤話の食い違いがなくなる

観察から相手の性格や行動原理を把握することで「なんでそんなことするの⁈」の中身が理解しやすくなるので、人間関係が円滑になるということなんですね。

人を観察する項目も大変勉強になったのですが、もう一つ勉強になったのが「長所はストレスで短所になる」ということ。
よく長所と短所は表裏一体、なんて言いますよね。
その実際は、ストレスや調子の良い悪いによって左右されるのだと知りました。

例えばタイプ8のリーダータイプの人の場合、調子の良い時は「いいこと思いついた!」など発想と行動の天才であり、周囲を巻き込む力も持っています。
しかし、その行動原理は「負けたくない、弱い所を見せたくない」という心理の裏返しでもあります。
そういう人がストレスを受けると、競争相手のネガティブキャンペーンに奔走したり、部下や近親者が自分を裏切っていないか執拗に問い詰めたりするなど、人を陥れるような行動に走るようです。

本書の最後には、超簡易的な性格診断の質問もありました。
それによると僕は「タイプ3達成者」
堅実に目標達成を図るタイプなようです。
ただ調子が悪いと、価値を感じないものには無関心になる傾向があるようです。
自分自身でも思う節があるので、ストレスを溜め込まないように注意したいと思います。笑

↑エニアグラム診断できます

6.幸福のための人間のレベル論

この本は、YouTubeで有名な「両学長」が紹介されていた本です。

「レベル論」という名の通り、本書では人間のレベルを9段階に、フィールドを4段階に分けて説明してくれています。

各レベルの詳細は本書を読んで頂きたいのですが、ともかく「幸せになりたいのならば『気づいているフィールド』へ行け」というのが本書の結論です。

画像1

『気づいているステージ』とは、何かというと「目の前に起きている現実はすべて過去の自分が選択している結果」ということに気づいている、ということなんですね。

多くの人が周りの人や環境に不平不満を言ったりしますよね?
それは自分のことを棚上げにして、今いる自分の現状を他者や環境に求める「原因他人論」的考え方です。
しかしいくら不満を言ったところで、何も変わりません。魔法を使えでもしない限り、他人の思いや行動、過去というのは簡単には変えられないのです。

一方で『気づいているステージ』の人たちはどういう風に考えているかというと、いまここにある全ての状況は「自分の選択によって生まれた」と考えていることです。
いまの職場、人間関係、収入…それは、全て自分が選択してきた結果がそうさせているのです。

一見残酷な考え方のようですが、そうではありません。
自分の選択によって現状を生んでいるのならば、自分の選択によってまた現状を変化させることも可能だということです。

こういう考え方を持っている人にとっては、目の前で起きる全ての事象が自分にとって意味のあることだと感じることが出来ます。日常に感謝することもできるようになってきます。

では、気づくためにはどうしたら良いのか?
それには

自分を知る
自己肯定感を高める
小さな自己満足を積み重ねる
創作する

などが紹介されていました。
どの自己啓発本でも言われていることですが、やっぱり「自分を知る」ことが第一歩であり、一番大切なように思います。
詳しい方法は、ぜひ本書を読んでみてください〜!

↑両学長YouTube

それでは、また次回お会いしましょう〜(^^)!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?