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速度があると時間は遅くなるー『時間は存在しない』

📚#時間は存在しない
👤#カルロロヴェッリ #冨永星 

🔑Key word 
#時間 #空間#量子重力論

🔥Hot word 
#概念 #崩壊#空間#量子力学#エントロピー

✍️内容要約
[Key Message]
“絶対的な”時間は存在しない

[まとめ]
📕なぜ、時間は存在しないのか?科学で証明されていること。

①時間の流れは、山では速く、平地では遅い
➡︎平地の方が地球の質量中心に近いため。質量が重いほど、時間は遅くなる。

②時間には方向がない
➡︎熱だけが時間の方向を示す。

③速度があると時間が遅れる
➡︎止まっている人間より動き回っている人間の方が時間がゆっくりと進む。しかし、体感時間は縮む。

④「今」という時はない
➡︎光が返ってくるのには時間がかかる。4光年離れている星の今は「今」だろうか?本当のにまで「今」という時はないのだ。

⑤時間は無数にある
➡︎さまざまな事象や空間ごとで刻む時間のリズムが違う。この世界はその違う時間の編み物。

⑥時間と事物は切り離せない
➡︎重力場が存在し、事物に対する相対的な時間と絶対的な時間が混在している。

 ↓

これらの知見をまとめると、
一つの時計の針ではかれるような、万物共通の“絶対的な時間”というのは存在意義しないのだ。


この本は「時間は存在しない」という結論に向けて、ループ量子重力論という知見に基づいた著者の深い深い考察による論述が描かれている。
途中途中、エントロピーやら量子論、相対性理論などの科学用語が頻出し、理系クラスだったくせにどちらかというと文系少年だった僕は内容の1/10も理解できていないと思う。
それでもタイトルの強烈なインパクトと、なぜ「時間が存在しない」と言えるのかについての知見は好奇心が惹かれた。

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なぜ「時間は存在しない」と言えるのかというと、
それは『条件の違いによって(まとめ参照)時間の進みが違うから、この世に”同じ1分1秒という絶対的な時間”は存在しない』のだと解釈できた。
でもこの現実世界では時計は進むし、私たちはあたかも時間が進んでいるように感じる。
時間は存在しないのに、なぜ時間を感じるのか。それは『私たちが「変化」(たとえばボールが転がった、雨が降った、朝になった、など)を「時間の経過」と捉えているから』なのだ。というのが著者の洞察である。

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特に面白かった時間トリビアは“速度と重力が時間の流れに関連しており、世界はこれらの時間の進みの違う事象が混在し合った編み物のような世界だ”というもの。

このトリビアを読んで思い出したのは、SPECというドラマに出ていたニノマエジュウイチという敵キャラだ。(知ってる人いるかな?)

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彼は指ぱっちんをするだけで時間を止める能力を持っていた。
ほぼ無敵の能力に思えたが、その実は時間を止めているわけではなく、とてつもない速さでーそれも周りが止まったように見える速さでー動けるという能力だったのだ。そのトリックに気づいた主人公は罠を仕掛けてニノマエに応酬する。時間を止めているわけではないなら、罠にかかればちゃんと作動するからだ。

そういえばニノマエはそのスピードのために人よりも成長が早まったという設定だったように記憶しているが、これはこの本によるところの「速度が速いところでは時間の流れが遅くなる=成長が遅くなる」という科学に反する設定だったのかもしれない。ただ、ニノマエだけが時間条件の異なった複雑な世界の中を自由自在に行き来できると考えたら面白い。
他にもノーラン監督の#インターステラー や#テネット なんかもこういった時間や空間をテーマにしたSF映画なんかもこういった科学知識が少しでもあると、また違った楽しみ方ができそうだ。
まあ、ちょっと本を読んだだけの弱小で矮小で余計な知識がSF映画を純粋に楽しむことを阻害しそうだとも思うのだが。

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この本から学んだことを無理やりにでも教訓にするとすれば、“動き続けること”。
引退まで元気に働いていたサラリーマンが、リタイア直後に急に老け込むことがある。
その事象はこの本の知見に当てはめると、仕事がなくなり外出が減って、動く速度が遅くなるために、時間の流れが早くなって一気に老け込むのかな?と考えられる。
一方で、いつまでも若く見える人は好奇心を切らさず動き続けており、活動的だ。
もしかしてそういう人たちは動き続けることで(速度を早めることで)自分の空間の時間の流れを遅くしているのかも。なんてね。

それではっ!






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