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ゼロから学ぶ継続(リピート)顧客の育て方vol.5〜「良い仮説に効率的にたどり着くためのデータ収集方法 」

皆さんこんにちは。通販エキスパート協会事務局です。

当協会は文字通り「通販のエキスパート」を目指す方々に向けた資格通販エキスパート検定を実施しています。

前回は仮説の立て方についてお話しました。今回はその元となる「データ収集方法」についてです。

ビッグデータという言葉に象徴されるように、デジタルマーケティングの進展によって、マーケティングに活用できるデータは量も範囲も莫大なものになっています。

しかし、活用しないデータをいくら集めてもお金や労力の無駄使いです。この連載のテーマである、「継続(リピート)顧客の育て方」という視点で見た場合、もっとも重要なデータは購入金額が高く、継続年数も長い顧客の特徴が表れたデータです。

この「特徴が表れたデータ」というのは、ざっくり下記のように分類できます。
1)地理的特徴:顧客の居住地(モバイルアプリがあれば位置情報)など
2)人口統計的特徴:顧客の性別、年齢、職業、学歴、年収、家族構成など
3)行動的特徴:購買間隔、購買回数、購買単価、問合せ、返品交換など
4)心理的特徴:価値観、ライフスタイルなど

上記の中で1)と3)は通販企業であれば、自然に蓄積されていきます。2)も最初に顧客登録してもらう時に性別、年齢(生年月日)くらいは聞いているでしょう。職業、家族構成などのより細かい情報や、4)については、私がかつて在職していた通販企業では、年に1回大規模なアンケート調査を行い、その中で聞いていました。

これらの情報を既存の優良顧客に当てはめたときに、どのような顧客像が浮かび上がって来るか?上記4つの特徴の切り口ごとに自社優良顧客の傾向を確認していくと、より多面的な顧客理解につながるでしょう。

この中で特に重要なデータは行動的特徴を示したデータです。特にECにおいては、特定の顧客の購買前後の回遊状況も含めて把握することが出来ます。行動データから見られる顧客の特徴は再現性が高く、仮説が立てやすいと言えます。

一つ注意しておきたいのは、これらの特徴を無理に一つのペルソナに押し込まないことです。ペルソナ上の特徴を表現する場合は上記の2)と4)が主に使われますが、同じ行動的特徴を示す優良顧客でも、2)と4)の観点からは一つの傾向に収斂しないことも多いです。

それでは今回はこの辺で。次回は仮説によるアプローチに関して「大きな仮説」と「小さな仮説」についてお話したいと思います。



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