役者から滲み出るもの、 - 箱庭稽古日報 5/17
最近布マスクと不織布マスクの上下を逆にしてみました。ひらたです。これどっちが上の方がいいとかあるんでしょうかね。重ねづけはちょっと苦しいですが、鼻が出ちゃったりすることがほとんどなくなるのでおすすめです。
稽古日報
舞台ではリアルさももちろん必要ですが、シアトリカル(演劇的)である必要もあります。劇場というある程度広さのある空間で、一番後ろの席に座っているお客さんまで今何が起こっているかを届けなくてはなりません。
わたしは演出家なので、稽古をセンターの最前列で見ています。できてくるとサイドから見たりもするんですけど、だいたい客席で言えばS席で見ていることになります。
そこで見えてこない芝居は、劇場の客席には届きません。
更にわたしたちはミュージカルを作っていて、作品の中で歌ったり踊ったりもします。リアルさとシアトリカルなバランスがうまく重なり、お客さんに届かないと「いきなり歌う」「いきなり踊る」になってしまいます。
今回の作品はミュージカルの中でもかなりストレートプレイでもいけそうな内容で、音楽もズンチャズンチャしたものよりも複雑でしっとりと湿り気のあるものが中心となっています。
その中で歌う必要があるのか?踊る必要があるのか?
他のミュージカルよりも、明確にそこを結びつけなくてはなりません。個人の中に理由がないといけません。
心が溢れる瞬間が描きたい。
心が溢れるから、歌になる。踊りになる。
役の歌う理由、踊る理由。決まった一歩を踏み出す理由。その奥底には、役者たちの歌う理由、踊る理由が燃えているんです。ミュージカル俳優ってそうあるべきなんじゃないかって思います。
役者は自分を捨てて舞台に立つようにしなくてはならないけど、やっぱりその人自身の「これがやりたいんだ」という意志は伝わってくるもの、滲み出てくるものなんですよね。
ミュージカルが好きなお客さんたちって、作品はもちろん、そこにも感動してるんじゃないでしょうかね。そんな気がします。
今回の主演・石井亜早実からは芝居への愛や表現したいという欲が溢れ出しています。私が彼女をよく知る友人だからかもしれませんが、きっと今回初めて会う役者たちも感じていると思います。
きっと舞台を観て彼女に出会った人は頷いてくれるでしょう。
亜早実と芝居を作るといつも「理解したい・体現したい」という熱意を感じられます。
「この言葉の意味を教えて欲しい」「ここはどう見えてる?」「あの芝居がどうしてもできない、どうしたらいいかな」そんな風に毎日ひとつひとつ聞いては挑戦し、うまくいかない時は本当に悔しそうにしています。笑
「この人はミュージカルが、芝居がやりたいんだ」
どう見てもそうとしか思えません。当たり前だからこそ、役のことが見えてくる。役者としての「こうありたい」が明確だから、もうそんなの見てて気にならない…そんな感じなんですかね。
いうて私も芝居馬鹿で芝居しかしたくない!みたいな人間なので、いろいろな役者を見ていると「この人本当に芝居がしたいんだろうか」と思ってしまうことがあるのですが…笑っちゃうくらいストレートな欲求が、彼女の体には満ち満ちています。
さて。お客さんの元に届くものは、果たしてただの台詞や振りや音楽なのでしょうか。その要素に、なにが混ざり、重なり、膨らめば、お客さんの心をいっぱいに満たせるのでしょうか。
舞台である意味。有観客で上演する意味。
この作品を生み出す意味。
芝居の話をしていると熱血野郎になってしまいます。このnoteも…それぞれの記事少なくとも100アクセスくらいあって、まあまあ読んでいただいてる気配がするのですが、ひ、引かれてないかな…笑
稽古場のセンター最前列で見ている私が最高に楽しめる、心をじんわりさせられるミュージカルを作るぞ。まだまだ、稽古は続きます。
公演詳細
ミュージカル「ひみつの箱には、」
日時 (開場は開演30分前・上演時間80分・休憩なし)
6月4日(金)19:00
6月5日(土)11:30 / 15:30 / 19:00
場所:北沢タウンホール
チケット購入はこちらから!
https://s.confetti-web.com/detail.php?tid=60950&
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※感染状況によっては、客席を50%に制限される可能性がございます。その場合、チケットが突然買えなくなる回が出てくるかもしれませんので、チケットの申し込みはお早めにぜひ!
歌唱動画
"なりたい・なれない"歌唱動画
作詞 ひらたあや 作曲 樹原孝之介
歌唱 石井亜早実・田中里佳
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