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2020年 配信夏の陣~8月~

2020年春、新型コロナであらゆる舞台公演が中止や延期に追い込まれた。ずっとずっと楽しみにしていたミュージカル『テニスの王子様』Dream Live2020は中止になり、初めて生で宝塚を見る予定だった『はいからさんが通る』は延期になった。

2020年夏、座席キャパを減らして公演が再開し始め、配信を行う公演が増えた。
特に帝劇系の公演の配信が増えたのは画期的なので、今後も続いてほしいなあと思っている。

私はちょっと現地に行くことがちょっと憚られる状況だったので、少なくともこの夏は配信で見よう、と決めたのだが、そうすると、アーカイブ期間があるものも駆使すると、いままででは考えられない公演数を見ることができた。これまではチケットの半券を保管して記録にしていたが、配信メインになるとそういうわけにもいかないので、ここに感想をおいておこうと思う。

① 舞台『KING OF DANCE』

好きなキャストさんがいてドラマから見ており、現地のチケットも取っていたけどギリギリで諦めてしまった舞台。
ドラマでダンス大会の予選、舞台で決勝を扱うという連続した作品スタイルで、たしか優勝チームが回によって異なる演出になっていたはずなのだが、私が見た3回はすべて同じチームが勝っていたのでちょっと残念だった。
ドラマのときから福澤侑さんのダンスがめちゃくちゃかっこいいなと思っていて、舞台でもとってもよかったので調べてみたら、振り付けなんかもしている方でとても納得した。しかも、ハイステ東京の陣で大将優役をやっていた方で、ハイステ東京の陣もいろいろあって見られていない作品だったこともあり、すぐに円盤を購入した。(ハイステ新作のゴミ捨て場の決戦にも出演が決まったということで大変喜んでいる。)

② 舞台『炎炎ノ消防隊』

私はアニメから入った作品で、これも最初はチケットを取っていたけど諦めてしまったもの。メインキャストの衣装のクオリティが高い一方で、焔ビトが結構シンプルな感じになっていたのがちょっと微笑ましかった。
特に君沢ユウキさんの桜備大隊長と、荻野崇さんのバーンズ大隊長についてはもう似てる似てないとか、そっくりとかそういう次元ではなくて、「現実にいたらこうだろうな」という感覚だった。(君沢さんは第七の紺炉中隊長も似合いそうだなと思った。)

私はカリム・フラムが推しなので、カテコで第一の中隊長3人が並ぶシーンはグッときてしまった。素晴らしい中隊長をありがとうございます。
原作も人気作品なので、舞台も続くのではないかなあとは思うが、そうすると次か次の次くらいで第七が出てくるはずなので、だいぶ気は早いですが、いまからとても楽しみにしています…。原作も読みます。

③ 科白劇 舞台『刀剣乱舞 /灯』綺伝 いくさ世の徒花 改変 いくさ世の徒花の記憶

※「綺伝 いくさ世の徒花」には取り消し線が入る

もともと「綺伝 いくさ世の徒花」というサブタイトルでの舞台化が決まっていたが、新型コロナ対策で演出を変えるにあたり、しぐさとせりふで表現する「科白劇(かはくげき)」としての上演に切り替えた。
しかし見てみると「しぐさとせりふだけ、とは…?」となるくらいのボリューム感。殺陣をがっつりやらないのでアンサンブルキャストが少ないのだが、それを“刀装・講男士”こと講談師による語りでカバーしていた。

また、刀剣乱舞ではユーザーひとりひとりに個々の本丸があるという設定になっており、舞台版とミュージカル版もそれぞれ別の本丸として描かれているが、今回の科白劇では、別の本丸が行った「慶長熊本」の調査報告書の記録を追う、という形が取られていた。

これはそのうちまた「綺伝」をやれるようになったあかつきには舞台の本丸の「慶長熊本」が見られるということなのか…?大千秋楽で主演の歌仙兼定役の和田琢磨さんが「歌を詠む場は選びたい」といって、いつも千秋楽で詠む歌を詠まなかったので、次に期待が繋がる作品だった。
(そして来年のステージアラウンドでの2部作公演決定が発表されたわけだが、『るろうに剣心』の中止発表がされたなかでは上演が心配になってしまいますね…)

④刀剣乱舞大演練~控えの間~

『刀剣乱舞』ゲーム5周年を記念して、アニメ、舞台、ミュージカルの垣根を越えてお祝いするイベント。もともと東京ドームでの1日限りの公演を予定していたが、新型コロナの影響でドーム公演は中止、「控えの間」として、配信のみの企画となった。

まあ大量のキャストで到底さばききれない状況にはなっていたとは思うが、いろんなキャストの組み合わせを舞台とミュージカルの垣根を越えて見られたのでゆるっと楽しく見ることができたな、と思う。
いつか必ず大演練をやる、という力強い言質も取ってくれたので、次の大演練を楽しみに待ちたいと思う。

⑤神楽坂怪奇譚「棲」体験型配信怪奇譚

いろんなキャスティングで、泉鏡花を題材にした怪奇譚の朗読劇を上演した企画。私が見たのは泉鏡花役を緒方恵美さん、女役を相葉裕樹さんがやった回。役の性別が逆転しているのですが、おふたりともそれぞれ雰囲気がある方なので、怖い、というより幻想的だった。(最初と最後の演出は普通に怖かった。)
山路さんの一人二役回も購入していたのだが、時間がなくて見られなかったので本当に悔しい…。どの回も魅力的で迷ってしまうキャスティングだった。

⑥『ヒプノシスマイク-Division Rap Battle-』Rule the Stage -track.2-

ヒプステtrack.1は見ていなかったのだが、今回配信をたくさんするっていうことで大千秋楽回を視聴。全景や通常のカメラ割り以外に、シブヤメイン回、シンジュクメイン回など、推しを定点する人をターゲットにした回を設けていて、新しいなあと思った。

最初のキャラクター登場シーン、原作のキャラクターイラストが表示されたスクリーンを割ってキャストが出てくる演出は、ビジュアルに自信がないとなかなかできないものだと思った。ほんとうに「本物が出てきた」ような見せ方で、「動いてる!!!」と思った。あの演出はビジュアルに自信がないとなかなかできないことだし、キャストさんへのプレッシャーもすごいだろうなあと思った。

⑦ミュージカル『憂国のモリアーティ』Op.2 -大英帝国の醜聞-

初演のタイミングはバタバタしていて見られなかったので、友人に初演の円盤を借りて見てから配信に臨んだわけですが、これは2.5なのか?シアタークリエとかでやりませんか???と思うくらい歌がいい。ほんとうに歌がいい。曲自体もいいし歌唱力おばけしかいない。そして全編弾き続けていらっしゃるピアノとヴァイオリンの方の体力もきっとおばけ。

シャーロック・ホームズを下敷きにイギリスの階級社会を扱った作品なので、話も骨太だし、もっと東宝ミュージカルや四季や宝塚が好きな方にも知られてほしい作品のひとつ! 宝塚出身の方も出られていたのでじわじわ広まっているんだろうか…。
ストレートプレイ版は見ていないけど、アニメ化も決まっているので、今後もっと勢いが出るだろうなという作品。次は生で見たい!

⑧MANKAI STAGE『A3!』 ~WINTER 2020~

エーステは毎回衣装とウィッグが良くて、ビジュアルのクオリティが高いのだけど、今回も例に漏れず通常衣装、劇中劇衣装どちらもとてもよかった。特に今回雪白東役の上田さんはいつものひとつ結びだけじゃなくてショートやハーフアップのウィッグもきれいに決まっていて美しかった…。そして田中涼星さんは足が長くてほんとうに何を着てもかっこいいですね、オクタヴィネルの寮服とか着ませんか?

ところで『真夜中の住人』、吸血鬼、マリーゴールド、いやいやTRUMPですか??? ゲームにもある千景さんの伏線なのは重々わかっているんですが、今年の『はじめての繭期』で『マリーゴールド』を初めて見たので、そういやこの組み合わせめちゃくちゃTRUMPだなってびっくりしました。
そして最後の全員で歌う曲。エーステは、初演の春夏公演から皆勤賞で必ず1度は見に行っていた作品だったから、これまでの各組の単独公演の曲のフレーズが入っているのがとてもうれしく、それだけに今回初めて現地に行けない悔しさをひしひしと感じた。
すべてのエンターテイメントへの祈りを込めてShow must go on!なんて言われたら泣いちゃうね。

⑨舞台 真・三國無双 ~ 赤壁の戦い IF ~

丘山晴己さんと健人さんの殺陣がよかったよ!と友人に言われて急遽配信を購入した舞台。
初めて使うuP!という配信サービスで、視聴時間が48時間に限定されていたので、自分の予定の都合上23日の夜公演を購入した。
そうしたら偶然カテコで毎回恒例(?)ゲリラ挨拶(ゲリラとは)のひとりが健人さんだったので引きが良くて素直にとてもうれしかった!です!
噂に聞いていたおふたりの殺陣はやっぱりよくて、殺陣というよりもはや“剣舞”。しかもおふたりとも槍での殺陣だったので、『守り人』シリーズ『闇の守り人』を彷彿とさせる美しさだった。『守り人』はNHKでドラマやっちゃったから舞台化とかはないかしら…。

<番外編>見そびれて悲しかった公演

◆ジャージー・ボーイズ

舞台公演は中止になり、コンサート形式で一部配信も行っていたのだが、すっかりスケジュールを失念していて見そびれた。東宝系はアーカイブがある作品の方が少ないので注意が必要。ジャージー・ボーイズはもともと払い戻される前はダブルキャスト1回ずつ取っていてとても楽しみにしていたのでやってしまったな、と思いました。
また中川晃教さんのヴァリを見たいです。

◆TOHO MUSICAL LAB.

これは配信を買っていたのに視聴期間が2日か3日しかないことを忘れていて見そびれた。DMMやStreaming+みたいにどこも視聴期間が4.5日あると思ってはいけないということを学んだ。それでもやっぱりめいめいさんと木村達成さんはみたいんで円盤を買おうかなと思っています。

◆モーツァルト!(韓国版)

これが一番悔しいんですが、購入が公演開始の数時間前なのを忘れてギリギリまで見るか迷ってしまった、というのが敗因です。本当に悔しい。アーカイブなしで6,000円に迷ってしまった。3,000円なら最悪見られなくてもお布施って思えるけど6,000円に迷ってしまった自分の弱さを痛感した。

シアターコクーンのプレイタイムもできれば見たかったけどちょっと間に合わなさそうで残念ですが、もともと配信を行うことが多かった2.5次元舞台以外でも配信が増えて言っていることは素直に喜ばしいことだなと思っている。

8月は夏休みだったこともあってかなり本数自体も多かったのかな、という印象だが、9月も宝塚はいからさん千秋楽、TRUMPシリーズ最新作『黑世界』、エーステFour Seasons Festivalなど、案外目白押しだったりするので、これからもとても楽しみです!

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