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ときどき映画の主人公になったような気分なる。


朝、彼氏を見送り
やるべきことを無視して
二度寝する。



目覚めたらお昼前の絶望感さえ
映画のワンシーンのように感じた。



平日の昼間。



やることはある



仕事も家事も。



重い身体にムチを打ち起きあがる



同時にかける音楽さえも
エモーショナルに聞こえる。



スマートフォンの画面に動画を映し、
のんきに化粧をする。




今日は雨。




小さな折りたたみ傘をさして
鍵とエコバッグを片手に
スーパーまで歩く



しっかりと雨靴を履いてね。



雨音を感じながら徒歩7分
赤い看板が目に入る



平日の昼間



駐車場には数台の車



お店の中は
いつも以上に広く感じた



自分しかお客さんがいないかと
感じるくらい物静かで
店内のBGMが鳴り響く



スーパーをぐるっと一瞬



割引シールには目がない
安く買えたことに心が弾み
切れそうだった日用品を思い出す。



雨、徒歩、1人



わざわざ今日買う必要なんてないのに




「主人公には苦労が付き物だ」
なんてポジティブに思考は動き



気がついたら、
割引シールが貼られた食材と
日用品が入ったカゴをレジに運んでいた



こんな雨の日も悪くないなって。



左手には荷物の入ったエコバッグ
右手には小さな折りたたみ傘



これから第3章が始まるんだと
スーパーを出る



、、!



激しく降っていたはずの雨が
スッと止んでいた



あー、これだから人生面白いんだ



状況はいつ変わるかわからない。



せっかく映画の続きが
ドラマチックに始まるかと思っていたのに




雨は止む



少しじめっとした空気
グレーの曇り空
濡れた地面



役割は行き道だけだった
小さな折りたたみ傘



濡れずに済んだ商品たち



それぞれに感情があるとすれば
どんな気持ちだったんだろう



少なくとも私は、
今日がいい日だと確信した



だって自分が主人公だから。



五島つぐみ。

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