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【詩】私は走る

私は走る
内緒で走る
走ると言ったら
危ないからって止めるだろ

私は走る
エンジンは怒り
そうじゃないと私は
満足にできないんだろ

私は走る
苦しさよりも爽快な
この感触をやっとやっと
知ることができた

誰も止めてくれるな
私の邪魔をするな
こうしないと今日の私は
爆発してしまうだろうから
被弾したくなければ
誰も私を止めてくれるな

私は止まる
後ろから車が来たから
ああ、あなたも私のこと邪魔するのねって
何も悪くない運転手に悪態をついてみる

私はもう一度走る
まだ走りたい、まだ
もっともっともっともっと
お願いだから邪魔をするな

一部分しか知らないくせに
それだけで評価してくれるな
あの日々の中にあった
あたたかさをお前は知らないだろ
傷つけてしまいたくないから
誰も私を止めてくれるな

私は止まる
爽快を苦しさが上回ったから
結局さいごに私の邪魔をするのは
私自身だった

悔しかった
悲しかった
叫びたかった
だから私は走った


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