新事業の5メソッド Day.6
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本日の内容
6-1. 確実に立ち上げる新規事業にするには?
6-2. 高い利益率を確保できる3つのポイントとは?
6-3. ビジネスモデルのまとめ、最後にやっておくべきポイントとは?
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【6-1】確実に立ち上げる新規事業にするには?
これまでのステップで、新規事業アイデアの顧客価値
ターゲット顧客、差別化を実施してきました。
そのアイデアを更に具体的にしていきます。
まず考えるのが、ビジネススキームです。
バリューチェンと考えて頂ければ問題ありません。
ここでのポイントは、提供する製品・サービスについて
全ての仕入れ・顧客・サポート企業等をすべて書き出すこと。
そして、企業名も具体企業名を記載することです。
よく質問を受けるのが、「具体企業が未定ではダメですか?」
これは絶対の正解はありませんが、これまでの経験上
1社であれば未定の会社でも問題ないと思います。
これが2社以上になると、具体性が欠けてしまい
以降のステップへ影響が出てきます。
出来れば、全て具体企業名を記入することを推奨します。
ここでの注意点が1点あります。
これからの新規事業は、提供する製品・サービスを
1社単独で提供するのが難しくなる傾向があり、
他社との協業が不可欠な場合もあるでしょう。
このビジネススキームを作成する際、改めて自社の
コアコンピタンスが何か?は整理しておいてください。
コアコンピタンスは自社が提供する。
これはスキーム作成の大前提になっています。
逆にいうと、コアコンピタンス以外は協業・外注化を
積極的に検討すべきとも言えます。
何でも自前主義は捨て、時間を優先させた方が
時流にあったビジネススキームだと思います。
ここはみなさんで、きちんと協議しましょうね。
【6-2】高い利益率を確保できる4つのモデルとは?
ビジネススキームを考えたら、次のステップは
「マネタイズ」=収益化を設定します。
収益化にも様々な手法がありますね。
ここでは4つのモデルを紹介します。
まず、この4つのモデルの特徴を理解すれば
ビジネスアイデアにフィットしたマネタイズモデルを
設定可能です。
*収益化の4モデル
a.フローモデル
売り切りモデル
一度に多くの売上が上がり、利益率も一般的には高い傾向
但し、顧客との接点の継続性に課題あり
収益の継続性の面では不利になる傾向
b.ストックモデル
継続的に収益化できるモデル
ビジネススタート時は、フロー型ビジネスほどの爆発力はない。
反面、積み上げていくと毎月の収支が分かりやすく、
経営が安定しやすい
c.広告モデル
受益者から直接収益を得ないモデル
代表的なのはテレビ広告
テレビ局は、受益者である一般視聴者からではなく
広告主から収益を得ている
d.企業買収・投資モデル
M&A、CVC、VC等のモデル
多額の資金が必要となり、資金力がある企業向け
失敗すると多額の負債を抱え込むリスクもある。
これらの4つのマネタイズ手法を、新規事業のビジネスアイデアと
照らし合わせマネタイズ手法を検討していきます。
その時にキーポイントとなるのが
LTV(Life Time Value)=顧客生涯価値です。
このLTVが最大となるようマネタイズ手法を
検討し設定することが基本スタイルになります。
よくあるのが、今まではフローモデルしかやったことがない
企業が、マネタイズ手法の考えがなく、新規事業を
フローモデル前提でしか考えないケース
非常に勿体ないと思います。
もっと言えば、既存ビジネスのマネタイズ手法を
変更するだけでも、新規事業にもなり得ます。
何れにしても、LTVが最大となるマネタイズ手法を設定し、
利益率が高いビジネスモデルにしましょう。
マネタイズは、「ポジショニング」の次に大事な項目だと思います。
マネタイズ手法変更で、利益率が大きく変わることもあります。
時間をかけてでも、きっちりチーム内で協議して設定しましょうね。
【6-3】ビジネスモデルのまとめ、最後にやっておくべきポイントとは?
ビジネスモデル構築の最後の項目は、
「キャッシュフロー」です。
この項目が設定できれば、新規事業アイデアを
「計画書」に落とすベースが出来上がることになります。
新規事業アイデアについて、収益予測を立て
投資と回収期間や、中長期の売上・利益予測を示します。
私は、3つのパターンを記載することを推奨しています。
・ベストケース
・通常ケース
・ワーストケース
新事業ですので、予測は非常に難しいのは
周知の事実だとは思いますが、3つのケースを想定し
それぞれの設定背景を明確化しておきましょう。
最後に、非常に重要だと思うことをお話したいと思います。
それは、「撤退基準」です。
企業によっては、キャッシュフローを設定せず
新規事業検討を実施するところもあります。
新規事業ですので、実際は収益見込みが外れることは多くあり、
「まずはやってみよう!」で走り始めるケースです。
同じ新規事業をやるものとして、非常に気持ちは分かります。
が、このキャッシュフローは絶対やりましょう。
それは撤退基準を作るためにも必要だからです。
みなさん、苦労して新規事業アイデアを計画に落とし込み
実活動もやっていくのですが、上手く行かないケースも
十分想定されます。
その時、撤退基準がないと止めるタイミングが分からず
ダラダラ進めたり、見切りが速すぎて失敗というケースが
発生します。
また、撤退基準があればサラリーマン特有の“保身”の罠を
避けることが可能です。
新規事業を引っ張るリーダーや、責任者は
自分の保身を第一に考えてしまうと、新規事業が失敗
しそうになると、素直にそれを認めようとせず
時間を引っ張ったり、他の要因に問題を見つけ出そうとする
作業をしがちです。
チームのみんなが「やめるべきだ!」と思いながらも
それを口にできず、無駄な作業をやっている。
こんなケース、残念ながら結構聞きます。
時間をロスして非常に勿体ないですし、
Day2でお話した「関係性」にも大きな悪影響も
与えるでしょう。
撤退基準をきめておけば、撤退するのはルールに基づく
行為であり、無駄な“保身”を遠ざける効果が期待できます。
撤退基準は、金額をベースとして決定する方がよいと思います。
時間軸は、新規事業は非常に読みにくい背景もあります。
もちろん、時間が多くかかれば、それに割く人件費が
嵩むことになるので、ワーストケースでの損失金額を算定し、
その基準金額を超えた時点で撤退する、というやり方が
を推奨しています。
本日の学びをまとめてみましょう。
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・新規事業を確実に立ち上げるコツは、具体的なビジネススキーム作り
・LTVを考え最適なマネタイズ手法を設定する
・最後はキャッシュフロー、そして撤退基準を設定する
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