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#50 インターネットは親鸞的存在なのか?

先日ビジネス映像メディア「PIVOT」のYoutubeチャンネルに、学生時代から現在まで大変お世話になっている龍谷大学政策学部教授の深尾昌峰先生が出演されていました。

この日のもう一人のゲストは連続起業家の家入一真さん。
クラウドファンディングを運営する株式会社CAMPFIREを創業されたことでも知られています。

お二人が「400年続く 仏教SDGsに学ぶ」をテーマにトークを展開されています。

その中で印象的だったのが、
「親鸞はインターネット的存在」という家入さんの言葉。
親鸞の根本思想に「悪人正機」というものがあるそうで、「善人は救われる。悪人ならなおさら救われる」という意味で、これがまさにオープンでフラットなインターネットの世界に通づるものがあると感じているそうです。

10代の頃いじめをきっかけに引きこもりになった家入さんですが、インターネットで年齢や肩書を超えたつながりを通じて「自分はひとりじゃない」と心から救われたそうです。

僕も高校時代学校生活が全然楽しくなくて人生に絶望している時期がありましたが、「マイプロジェクト」という探求学習に取り組んだことで学校以外の世界に触れ、「世界は高校の中だけじゃない!」と前向きになることができました。

どんな方法であれ、「世界の広さ」を感じることって本当に大切なことだと思います。

一方で、「今のインターネットは親鸞的存在なのか?」と疑問に思いました。
様々な世界とつながることができる一方で、どんどん息苦しくなってきているようにも思います。
その要因として僕が思うのは
・あらゆることが可視化されすぎる
・力がある人がより力を持つツールになっている
ということです。

もちろん、インターネットには良い側面もたくさんありますが、時に人を絶望させてしまうツールにもなっている気がします。
今やネット上で実名を使うことは当たり前になり、「実社会」と「ネット空間」が同じような環境になっていることも大きいと思います。
だからこそ、「リアル」のつながりや居場所がより求められる時代になってきているのではないかと思います。

その一方で、僕がマイプロジェクトで大変お世話になったNPO法人カタリバさんは、自治体とも連携しメタバース空間を活用した不登校支援に取り組んでいるそうです。
「学校には通えないけど、メタバース空間なら毎日登校できる」

不登校の子供たちの新たな居場所として注目されているそうです。

その世界はまさに家入さんが救われたインターネットの世界に通づるものがある気がしました。

現実世界をより彩るものから、もう一つの世界を提供するツールに進化するインターネットは新たな形で「親鸞的存在」になり、「世界は今あなたがいる場所だけではない」ということを教えてくれるものなのかもしれません。

時代と共に進化し、形を変えてきたインターネットの世界。
店舗という「リアル」の場所を作る仕事をしているからこそ、興味を持って追い続けていきたいと思います。

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