#98 弱くても(諦めずにいればあなたらしく)勝てます※ただし本物に限る

僕の大好きな6人組音楽グループ「BiSH」のメンバー、モモコグミカンパニーさんが7月下旬に自身2冊目となる小説「悪魔のコーラス」を刊行することが発表されました!

BiSHやモモコさんへの僕の想いはこちらを読んでいただくとして…

今回小説の発売にあたり、モモコさんのエッセイ「きみが夢にでてきたよ」を読み返してみました。

2020年12月に発売されたこちら。
「モモコグミカンパニーの一部をえぐり出して踏み込んで書けた」
と本人が語るように、BiSHのモモコグミカンパニーの奥底にある一人の人間としてのモモコさんの思いが詰まった一冊になっています。

28あるエッセイの中にはそれぞれに「人間モモコグミカンパニー」の奥底が描かれています。
”そこまでして売れたくない”というタイトルのお話では、「生身の自分」と「表に出ている自分」の境界線を決して忘れてはいけない。
モモコグミカンパニーはわたしの人生であると同時にわたしが生きていくための仕事でもあると、表舞台に立つものとしての苦悩も赤裸々につづられています。

中でも印象に残ったのは”ガスコンロとIHヒーター”というタイトルのエッセイ。
朝起きてキッチンに向かうと、昨夜フライパンで調理した炒め物が真っ黒焦げになっていた。すぐにコンロの火を確認したら、消したはずの火がほんのりついていた。IHヒーターだったら安全装置が作動して何事もなかったようになるけれど、「本物」の火だからこそ、フライパンの底に届かないくらいのか弱い炎でも残り物を焦がす力があった。
そんな光景を見て、その火を絶やさなければ歩いていくうちに自分なりの納得いく場所にたどり着くことができる。
「弱くても(諦めずにいればあなたらしく)勝てます※ただし本物に限る」と。

最近は「続ける」ことの大切さと大変さを本当に実感しています。
コーヒー屋というお仕事もコンロの火のように日々火を絶やさずいることで少しずつ色んな人に届いていくものだと思います。
そこで大事なのは”※ただし本物に限る”という部分。

あくまで「続けること」は「夢を実現する」手段であることを忘れずに、日々試行錯誤を繰り返すことこそが「本物である」と僕は思っています。

かすかな炎のような何気ない日常を積み上げていこうとまた前を向けるそんな一冊でした。


もし記事を読んで面白いと感じていただけたら、サポートお願いいたします! コーヒーの勉強や書籍の購入に使わせていただきます。